仕事場とは、その人が人生をかけて時間を費やす場所だ。オフィス、カフェ、工場──様々な形がある。しかし、私の仕事場は少し特殊だ。そう、ヒモの仕事場は一日のほとんどを家の中で過ごす場所にフォーカスされている。ニートでありヒモである私が、彼女の稼ぎで生き延びるための「ワークスペース」を紹介しよう。時間とともに巡る私の仕事場を見れば、きっとあなたもその多機能さに驚くはずだ。


 

 

7:00AM:寝床(Main Office)


朝、目を覚ます。いや、目を覚まさざるを得ない。彼女が仕事に出かける時間だからだ。私のメインオフィスであるベッドは、この瞬間だけ一時的に営業停止となる。

「今日こそ何か役に立つことしてね」と彼女が言い残して家を出る音を聞きながら、私は心の中で誓う──「今日は本気出す!」と。そしてその誓いを10分で忘れ、もう一度眠りに落ちる。

 


9:00AM:リビング(会議室)


彼女がいない間、リビングは私の「仮オフィス」として稼働する。まず最初の業務は「今日のスケジュール会議」。内容はYouTubeを観るか、Netflixにするか、それとも何もしないか。

机に突っ伏しながら、片手でスマホをいじりつつ、心の中で「この時間も労働みたいなものだ」と自分を励ます。ちなみに、9割は何も決められないまま次の仕事場へ移動する。

 


11:00AM:キッチン(サプライ部門)


キッチンは、彼女の帰宅に備えて私が「生産活動」を行う重要な仕事場だ。ここでは唐揚げを揚げるか、オムライスを作るかといったクリエイティブな業務が待っている。

この日は彼女のためにオムライスを作ることに。卵を割り、バターを溶かし、「ふわとろオムライス」を目指して奮闘するが、途中でフライパンを焦がし、「これも味の一部」と自分を慰める。


だが、油断は禁物。食材を床にぶちまけた瞬間、「私が稼いだお金でこれか」と彼女に幻の叱責が聞こえる。結局、床掃除を含めた追加業務に追われる。

 


1:00PM:ソファ(休憩室)


昼過ぎにはソファが「休憩室」に早変わりする。ここでの業務は主に「エネルギー充填」。すなわち昼寝だ。

お気に入りのクッションに埋もれながら、昼寝に入りつつ「午後の仕事に備えてエネルギーを蓄えている」という名目を自分に与える。1時間後に目覚めたときの爽快感が、唯一の「仕事の成果」と言えるだろう。

 


3:00PM:コンビニ(出張営業)


午後の目玉業務は「コンビニ出張」。ここでは「彼女のリクエストに応じた物品の仕入れ」が任務だ。この日は彼女から「安いスイーツを買ってきて」という指令が出ている。

私は財布を手に店内を巡るが、目が合ったのは高級デザート。「彼女への投資」と言い聞かせて購入するが、帰宅後、「この値段をスイーツに使うなら夕飯に使いなさい」と注意される。私の交渉スキルはまだまだ改善が必要だ。

 


5:00PM:玄関(ストレスチェックエリア)


夕方になると、玄関は私の「ストレスチェックエリア」と化す。なぜなら、彼女の帰宅時間が近づくからだ。私は仕事場(キッチンやリビング)をざっと片付け、「ちゃんと働いている風」の雰囲気を整える。

彼女がドアを開ける音が聞こえた瞬間、「おかえり!」と爽やかに出迎えるが、その裏では冷や汗が止まらない。なぜなら、まだ夕飯の支度が途中だからだ。

 


7:00PM:ダイニングテーブル(プレゼンテーションルーム)


彼女が帰宅し、夕食の時間になるとダイニングテーブルが「プレゼンテーションルーム」に変身する。私は自慢のオムライスを彼女に提供し、「今日はこれに全力を注ぎました」とアピールする。

しかし彼女は、ケチャップで描かれた「ありがとう」の文字を見て呆れ顔。「もうちょっと現実的なありがとうが欲しい」と言われる。これがヒモ業務の難しいところだ。

 


10:00PM:お風呂(リラクゼーションルーム)


仕事の締めくくりとして、お風呂が「リラクゼーションルーム」となる。ここで私は、一日の疲れを流しながら「明日はもっと頑張ろう」と自分に言い聞かせる。

ただし、ここでの「頑張る」は、彼女の期待に応える料理や掃除の計画を立てるだけで、実際の労働に結びつくかどうかは翌日の気分次第だ。

 


仕事場を巡る一日


ヒモでありニートである私にとって、家の中はすべてが仕事場だ。場所によって役割が変わり、それぞれにユニークな業務が存在する。私の仕事場は「生産性ゼロのワークスペース」として笑いに満ちているが、彼女のおかげで機能していることも忘れてはならない。

明日もまた、彼女のために(いや、自分のために)仕事場を巡る一日が始まるだろう。そしてその旅路は、いつもユーモアと反省に彩られているのだ。

この物語は7割ほどフィクションと思われます。

 

。。。本当は自分自身こんな生活望んでない。

働きたい気持ちも強い。病気さえ無ければな。

その辺りもいつか話したいと思う。


 

終わり!!

 

翼の折れたヒモ


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