〇「運び屋(殺しのシリーズ)」

始末やシリーズ、、、殺しの後の後始末



(1)殺しの後の始末屋「運び屋」



網走虎次郎はトラック野郎と言われて15年になる。関東筑波山の麓にトラック拠点を置いて、北海道から九州薩摩まで走りまくっている。

トラック運転仲間では知らぬものがいない、、、義理堅くて、思いやりにある人情豊かな男であった。

約束したことは必ず守り、荷物を荷主に送り届けるいいとこであった。荒くれ雲助ではあるが、信頼されていた。

トラック野郎の面倒見は良く、、、誰からも慕われていた。

北海道釧路港でのことだった。トラック野郎の荷札三郎が、、、

「虎さん、頼みがあるんだよ、、、荷物がだぶちゃって、困ってんだけど、、、手伝ってもらえないかな」

「頼まれてもいいよ、、、丁度、福岡までの荷物で、荷台がサブちゃんの荷物ぐらいなら乗るよ。。。」と虎さんは気軽に引き受けた。

その晩、虎次郎は釧路を出発した。

北海道釧路から、福岡箱崎港までの旅となった。釧路から東京芝浦、そして、釧路までフェリーを利用した。

暫く船旅となり、虎次郎は太平洋を眺めてゆっくりした。

フェリーを利用するトラックは多く、今は陸上だけを走ることはなかった。

虎次郎が船室で休んでいたら、、、、

仲間の運転手が、「虎さん、、、誰かが虎さんの車を、なんかしているよ、、」と夜中に起こされた。

虎次郎は運搬する荷物を悪戯されたり困るので、起きて、デッキに見に行った。

確かに、虎次郎のトラックの荷台に乗って、何かを探していた。

「こらーーー、何してんだよ、俺のトラックに。。」

声をかけられて、荷台に乗っていた。

怒鳴られた人間たちはびっくりしてか、、、振り向いた。

しかし、どこうともしなかった。

なんか言ってたが、言葉が分からなかった。

一人が日本語を話していたので、理解できた。

ロシア人だった。。。。自分たちの荷物がなくなったので探していたようだった。

日本語の分かる人間と話し合い、その場は収まった、

虎次郎も納得して部屋に戻った。

後でわかった事だったが、東京芝浦桟橋で乗船したのだが、自分たちの荷物が行方不明になり、困っていたのであった。

公安を読んで調べてもらった。

そして、どえらい事件が持ち上がった。





(2)覚せい剤が積み込まれていた。

虎次郎のトラックに荷台荒しが見つかったので、公安が一応、虎次郎の荷物を改めた。

公安もロシア人の窃盗ぐるみなので疑って、虎次郎の荷物を念入りに調べた。

その結果、後から積み込んだ荷物の中に「覚せい剤」が積み込まれていた。大変であった。

虎次郎は身に覚えのないことであったが、覚せい剤であるので、疑われ、取り調べを受けた。

最終的には無罪放免であったが、荷物は没収であった。

勿論、ロシア人たちは逮捕された。知らぬ間に「覚せい剤」が積み込まれての事件であった。

虎次郎はトラック野郎をしていて、初めて恐ろしさを感じた。自分が注意していても、気が付いたら犯罪に巻き込まれて、犯罪者にされていた、、と言う怖さ。

公安及び警察の取り調べがかさなり、目的地への到着が遅れたが、、、その責任は取ってくれない。警察とはふざけたところだ。。。。しかし、仕方がないことなのか。

いつもの得意先に荷物を届けて、遅れたことを詫びた。

「すいません、、、事件に巻き込まれて遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」

虎次郎たちの仕事は時間を守り、安全に無事届ける正確さが大事であった。

虎次郎に取っては災難であり、不可抗力な点もあった。

しかし、ミスには違いない、、、管理不行き届きだった。言い訳は聞かなかった。

この事件が大きく報道されてしまい、虎次郎の運び屋の仕事も少し減った。

荷物を下ろした、福岡箱崎港で仕事が一段落して、いつもの食堂で昼飯を食べていた。

虎次郎は今回はついていなかったと思った。

そんな虎次郎のところへ近寄ってきた男がいた。

「虎次郎さん、、、今回は飛んだ災難だったね、、」と新聞でも見たのか声をかけてきた。

「ついていなかったな、、、、俺の荷物の管理も悪かったから、、仕方がによ」と、、、運の悪いことを嘆いた。

近づいてきた男が、、、「安全で、効率のいい仕事があるんだけどな。。」

と、、話を持ち掛けてきた。

虎次郎もちょっぴりしけていたので、その話に乗ったのであった。





(3)冷凍肉10箱の輸送

網走虎次郎は今度は騙されまいと、冷凍の荷物を確認した。

牛肉の冷凍箱詰めだった。福岡の箱崎にある牛肉卸商社からの依頼だった。

箱崎から東京築地までの運搬だった。

検疫も通り、虎次郎は安心して箱崎を出発した。

途中大阪へ寄り、同じ会社の冷凍箱詰めを乗せた。今回の運賃は割増もあって儲けも良かった。

途中彦根のドライブインで昼食をとっていたら、仲間のトラック野郎とであった。

久しぶりの再会であった、北海度出身の運転手で「北海の熊さん」こと、新井熊次郎だった。

古い付き合いで、飲み友達でもあった。

「そういえば、、、やられたな。。。きおつけろよ」

と、、、覚せい剤の事を知っていた。

昔、熊さんも引っかかったことがあり、大量だったので逮捕されたことがあった。

ロシアマフィアには気を付けないとな。。。。。

お互いに励まし合いながら別れた。

虎次郎もいろいろあったが目的地の築地に無事荷物を運んだ。今回は何事も無く済んだようだった。

前科があるということ、疑われるようにできていた。築地に着くと待っていたように、警視庁麻薬課捜査員が飛んできた。

「なんか用事かな。。。何もしてないよ。。」

と、虎次郎が言うなり、トラックの荷台を調べ始めた。

虎次郎も頭にきて、逆らったが遅かった。

調べていた荷物から、なんか変な塊が出てきた。

それが覚せい剤だった、、、

虎次郎は思った、悔しがった。

「やられた、、、、今回は大丈夫だと思ってたのに。。。

くそーー」

大量の覚せい剤だったので、虎次郎も逮捕された。

しかし、事情が分かり、不起訴になった。

虎次郎は思った、、、「ちくしょう、、、この礼はするぞ、、必ずな」と、、、

虎次郎は不起訴になってから、福岡箱崎に戻った。

虎次郎を騙した奴を探した。必ず、見つけてやるからな、、

虎次郎は仕事を休んで、虎次郎に運びを頼んだ奴を探しあてた。



(4)覚せい剤運び屋の仲介屋

虎次郎もトラック野郎には違いないが、誇りを持って運び屋をやっていた。雲助には雲助の仁義があり、騙しは許せなかった。

虎次郎に荷物を紹介した奴を訪ねた、、、しかし、そこには虎次郎に荷物を紹介した、反ぐれの小田正一の死骸があっただけだった。虎次郎は不味い事件に巻き込まれたと思いながら、その元を探し当てた。

九州連合と言うやくざ組織だった。

そんなことでひるんではいられなかった、虎次郎はトラック野郎ではなかった。

無鉄砲な虎次郎は「九州連合」の事務所に乗り込んでいった。対応に出たのが、九州連合の副参謀の有馬一山であった。話はわかったので、騙した方が悪かったと言って、、、

虎次郎の損害を見てくれた。

虎次郎はその有馬一山とはその後、懇意になった。

有馬一山もロシアマフィアのやり口があくどいの、嫌っていた。

しかし、組織の仕事なのでやらずにはできなかったのであった。

虎次郎はトラック野郎のたまり場に戻って、今後、密輸関係の事が起きたら、自分に話してくれと告げた。

絶対に密輸は嫌いであり、覚せい剤は許せなかったのである。





(5)虎次郎大いに怒る

暫くは密輸問題も、覚せい剤の話も出なくなった。

虎次郎もトラック野郎に専念していた、、、虎次郎の弟分で追分の達治と言うトラック野郎がいた。気のいい、キップの良い男だった。

そのとこが虎次郎のところへやってきた。

「ご無沙汰してます、、、虎兄い、、、相談があってきました、、、いいかな」

と言いながら虎次郎の溜まり場と言うか、食事処にやった来た。

「どうした、、、たつ、、、話してみなよ、、、金ならないからな、、、あはは、、、」

「実は虎兄い、、、俺の妹の事なんだけどといって、、」

相談してきたことが、覚せい剤に絡んだ話だった。

妹の亭主がロシアマフィアの覚せい剤の密輸に巻き込まれてしまい、、、困っていたのであった。

「馬鹿野郎、、、なんで早く相談してこなかったんだ、、、」と言うことになり、話を聞いた。

「兎に角、今、すぐに俺のところへ来い、、逃げて来いよ」

身柄を確保してから、話に乗るから。。。

と言うことで、妹たちを秋田から呼び寄せた。

虎次郎は仲介人に会うことした。仕事を辞めさせて、、、

仲介人に会う前に「九州連合」の有馬一山に連絡を取り、今回のロシアマフィアの話を聞きだした。

かなり、やばい連中だった。

九州連合の有馬一山も情報は流すけど、気を付けるようにと忠告してきた。殺しも平気でやる連中らしい。

虎次郎は覚悟を決めた。

トラック野郎の仲間のためならば命を賭けても惜しくないと思っていたので、、、

虎次郎は九州連合の有馬一山の助けを借りて、今回のロシアマフィアの秋田事務所に乗り込んだ。

一か八かの覚悟であった。

乗り込んだ秋田事務所の責任者が日本人だった。

乗り込んだ虎次郎とは最初は喧嘩になった。しかし、その虎次郎の度胸の良さに、話は収まった。

そして、今回の事は運賃の問題だけに話が付き、今後一切、弟分の追分の辰の妹たちにはお構いなしとなった。

ロシアマフィアの秋田事務所の立花信二とはなんとなく付き合い事になった。

覚せい剤密輸とは別にと言うことで、、、



(6)虎次郎軍団

虎次郎軍団の名前はやくざ仲間にもとどろいた。そして、虎次郎軍団には密輸関係の仕事は回らくなった。

しかし、やくざ関係のやばい仕事はなくなったが、、、企業間の汚職関係や贈収賄事件に巻き込まれていった。

大企業間の頭脳プレーである、、、今回も大企業の建設会社である、大日本土木株式会社の荷物の運搬に関わる仕事での資材の横流しがあり、その手伝いをしてしまったのであった。

運搬上は分からない仕組みになっており、運搬先に分けて,巧みな罠が仕掛けてあった。

全て、本社と出先工事現場との伝票のからくりであった。

そんな高尚なカラクリなど、運転手風情には分かるはずがなく、、、公正委員会の調査がはいった。

当然、運搬するトラック野郎にも調査がはいった。

訳が分からないままに、、、運搬管理の問題が指摘されて、罰を受けることになった。

トラック野郎にはたまらない、、、罰金は取られる、、、行政処分は受けるで。。。

そんなことがあると、、、虎次郎の所に相談が回ってくるのであった。

虎次郎だって、法律的な細かいことはとんと分からない。

虎次郎が懇意にしている弁護士のところへ相談にいくのであった。

結果的にはトラック野郎が悪いことになってしまう。。。初めから騙しが入っていたので、、、依頼した企業側には責任はないと、、、

早い話が騙されたのでった。

法律的には負けである、、、、

後は騙したことに対しての責任問題が残った。

虎次郎は企業側に損害賠償を求めたのであった。

今までの虎次郎だったら、乗り込んで、文句を言って、脅して慰謝料をせしめたいた。

しかし、少し利口になり、弁護士を力を借りて、法的立証をして、損害賠償に訴えたのであった。」







(7)無残虎次郎

虎次郎もロシアマフィアに逆らいすぎたような。。。

相手は国際密輸団であり、やくざ組織でもあった。虎次郎が一匹オオカミで逆らうには組織が大きすぎた。

ある日、、九州連合の有馬一山から連絡がり、、、

「虎さん、、情報が入ったので連絡しておくよ。。。ロシアマフィアがあんたを狙っているとのことだから、、、、気を付けたな、、」

「連中は本当にやるからな、、、、気を付けるように」

そんな連絡が虎次郎にあった。

のんきなトラック野郎の虎次郎はあまり、気にしないでいた。

しかし、狙われた。。。何度か思い当たることがあった。

気を付けるといっても、気を付けようがなかった。

そして、トラック運転中に狙われた。

本当に狙撃されたのであった。

その狙撃があってから、、、虎次郎は頭にきて、ロシアマフィアの博多事務所に乗り込んだ。

虎次郎もたラック野郎だった。。。猟銃片手に事務所に暴れ込み、乱射した、、、何人かは狙撃したはずだった。。。

そのあと虎次郎の姿は見なくなった。

 

 

7)虎次郎、博多事務所に乗り込んだが、虎次郎も撃たれた。。。

虎次郎はロシアマフィアの博多事務所に乗り込んで猟銃を乱射したが、虎次郎も撃たれた。
何とか逃げて、トラック仲間の大熊浩二に助けられたのだった、、、彼はもとは九州連合の副若頭をしていたが堅気になって虎次郎のトラック軍団に参加して仕事をした居た上に、浩二とは気が合ったのである。
虎次郎は大熊浩二の実家のある、別府温泉で傷の療養をしていた。
ロシアマフィアの情報は有馬一山から内密で入るので、虎次郎は助かっていたのである。博多事務所に乗り込まれ、社員が撃ち殺されたロシアマフィアは何としても虎次郎を探して報復をしたいのであった。
虎次郎もやばいので、、傷が治るまでは隠れていなくてはと思っている。
兎に角、傷が癒えるまではじっとしていようと、、、
その後のことはその時と、考えている虎次郎である、、、、
虎次郎は覚悟はしていた、、、「やってしまったことはやったこと、、、出たとこ勝負だと、、、深くは考えていなかった」
男と生まれたら、、一度は授かった命だけど、、捨てて勝負をすることも仕方がない、、決めたことだ、、、助けると決めたのだから。。。
そんな男だったのだ虎次郎は、、、
虎次郎は弟分の追分の達治には当分、博多には近づかいように伝えていたので、、口の堅い連中で仕事を回して、追分の達治を守っていた。達治の妹のことも面倒を見ていたのである、、、
有馬一山から情報が入ったが、、今回はロシアマフィアも強気でいるらしいと、、、
その話を聞いた虎次郎は逃げることは出来ない、体が治ったら出て行って「一か八か」の勝負をしなくてはと考えていた。
傷の癒しで別府温泉に隠れてから1か月が経った、ある日、虎次郎が現れたのである。
それも奇想天外な行動だった。
逃げても仕方がないので、、ロシアマフィアの博多事務所に一人で行ったのである、、、、
博多事務所にも日本人社員がいたので、取り次いでもらった。
「虎次郎が来たと伝えてくれや、、逃げも隠れもしないからと、、、」慌てたのはロシアマフィア側だった。
ロシア人のやくざ連中が何人か出てきて、、虎次郎を取り囲んだ、、そして、下手な日本語で、、
「殺してやる、、覚悟はいいか、、」と、意気を巻いていた。
虎次郎は「じたばたするなよ、、、何もしないよ、、、欲しけりゃくれやるから、、俺の命くらい、、」と、、啖呵を切ったので、ロシアマフィアたちも静かになった。
そこに一人の日本人が出てきたのである、、、上杉健太郎という、貫禄のある男だった。

8)ロシアマフィアの日本担当の責任者、上杉健太郎、、

「ほう、、、大分威勢がいいな、、元気で良かった、、あんたが網走虎次郎か、、、一度会って見たいとおもっていたよ、、、」
「実は九州連合とは付き合いがあってな、、有馬一山とは知り合いなんだよ、、、彼から話はきいてる、、」
と、、話を上杉健太郎が言ってきたのだった。
「話を聞けば、、俺たちにも責任はある、、だから、言って来いで、今回の事は無しにしようか、、、」
「あんたも、、撃たれたようだから、、虎次郎さん、手を打ちませんか」
と、、、言われて虎次郎は「駄目だ、、」とは、、言えなかった。
「それではいいですね、、虎次郎さんにはお礼が言いたいよ、、今回の事で警察にも言わないでくれて、、、ありがとう、、、」
「ところで、時間があったら今夜、手打ち式の真似事をしたいのですが、、、」
と、、話しているところに、、、「良かった、、よかった」と有馬一山が現れた。
「正直言って、心配したよ、、お前に会ってから、どうするか決めるというからな、、上杉さんのお眼鏡に合格しなかったら、虎次郎、、お前をここで殺すと言っていたので、、本当に心配だった」
「そうか、、一山ありがとう、、口添えをしてくれて、、実は覚悟してきたんだよ、、差し違えるつもりでな、、助かったよ、、、絶対に生きては帰れないと思ってた、、」
話し合いが付き、、虎次郎も一山も笑いが出たのであった。
上杉健太郎は日本のやくざ世界では、どの組織も世話に成っている大物だったのである。
彼が頼めば、、どこの組織も言うことを聞いてくれる上に動いてくれるのであった。
彼は暗黒世界の裏の顔役でもあり、、密輸業界で彼が動かないと「麻薬」もあらゆる「密輸製品」が流通しないのであった。
「それでは、、有馬さん、今夜一緒に、いつものとこで会いましょう、、虎次郎さんを連れて来て下さいよ、、」ということになり、虎次郎は有馬一山とロシアマフィアの博多事務所を出たのである。
外へ出て二人になったとところで、有馬一山が呟いた。「よかったよ」
「虎次郎、、本当によかっよ、、命拾いしたな、、余程、お前を気に入ったみたいだ、、」と、、有馬一山は話してくれた。


9)上杉健太郎と網走虎次郎

ロシアマフィアの博多事務所上杉健太郎と食事をしたのであった、、有馬一山も同席をしたのである、、、
虎次郎などが食べに行けるような寿司屋ではなく、、世の中にはこんな「高級な寿司屋」があるのかと思えるような、お店であった。
虎次郎は酒を呑みながらおもったのである、、、この世のなかは悪事をしないと、、旨いものを食べて、、いい車に乗って、、高級時計をすると言うことは出来ないのかと、、、
正直言って腹が立ち、、、「くそ、、」とおもったのである。
それでも、、運転手野郎で一生懸命働いて、仲間同士で酒を呑みながら毎日、汗を流すことに生きがいを感じて活きて来たことを誇りに思っていた。お
だから、上杉健多郎にご馳走になりながら「矛盾」を感じていたのである。
仕方がないのかという「諦め」も必要だと思う時もある、、そして、「分相応」な生き方もいいとおもったのであった。
上杉健太郎は、、「虎次郎さん、、あんたの一本気な生き方は羨ましい、、私にもそんな時があったよ、、人間、時を重ねるとずるくなって駄目だね、、自分ではいつまでも心意気はあるつもりなんだが、、いつしか時代に流されてしまったようだ、、、」
そして、こうも言ってくれた。。。
「あなたと話してると楽しい、、汚れた心が洗われるような気がする、、、これからも、時々遊びに来て欲しい、、あなたの都合でいいから、一緒に食事をしながら話がしたい、、」
と、、、その晩は有馬一山も入れて、楽しいひと時を過ごした。
その晩、虎次郎は思った,、、ひとにはそれぞれの人生があり、、生き方をもっている。だから、その人生道に
精一杯生きることが大事だと、、、一生懸命に生きえ居れば、、何かに通じる、、人の幸せは必ず訪れると、、、
明日、弟分の追分の達治を訪ねようと思いながら布団に入った。


10)弟分の追分の達治と会う、、、

虎次郎は久しぶりに追分の達治に会いに行くことにして、約束を取ったのである。
追分の達治は実家が北海道であったが、、岩手県や青森県方面で運送仕事をしていた。
虎次郎は今、いる岩手県のアパートに訪ねた、、、妹さんも一緒だったのである。
「達治、、、ロシアマフィアとは話がついたから、もうどこで仕事しても大丈夫だ、、
妹さんも心配しないで、、いいよ」と、、、虎次郎は話をした。
「良かったら、、、俺がすんでる東京へ出てこい、、、そして、一緒に仕事をしようや
そして、、、虎次郎は達治と妹さんを誘って夕飯を食べに出かけた。
「達治、、ロシアマフィアの連中に何か言われたら、、虎次郎と上杉健太郎さんと話がついているので、、上杉さんに話して欲しい、」と言えば、大丈夫だから、、
そんな話をしながら久しぶりに達治たちと楽しい食事をしたのであった。
「達治、、東京へ戻って来い、、住むところが無ければ俺の寝床を空けるから、、妹さんと一緒に住んだらいいよ、、もともとは倉庫だし、住まいの2階も広からな、、それに、、タダだからな、、」
そう言って、達治と妹を引っ越しさせたのである。
「ありがとう、、兄貴、、、でもよ、、兄貴はどこで寝るんだよ、、」
「馬鹿野郎、、、俺はひとりもんだし、、全国津々浦々に女がいるじゃあないか、、、東京へ来た時には倉庫に車を止めて寝るからな、、心配するなよ、、、あはっあはっ、、、」と、、いつものように笑って済ました。
東京の倉庫は虎次郎が世話していた爺さんが亡くなったので、その世話代金でもらったものであった。
「そうだ、、、達治、、今の時代は仕事もそんなにないし、、看板を出せよ、、お前、字が旨かったな、、
引っ越し何でも引き受けますと、、」
トラック野郎仲間にも宣伝するから、二人で引っ越し専門屋をやろうということになった、
妹さんの洋子さんに電話番を頼んでと、、、「追分引っ越しセンター」とか名前を出して始めたのである。


11)トラック野郎の叫び声、、

追分の達治の引っ越しセンターの看板を挙げてから間もなく、、達治のトラック野郎の仲間の細野新次郎から連絡が入った、、「たっちゃん、、助けてくれよ、、いっちもはっちもいかなくなった、、、頼む助けて欲しい」
と、、、悲痛な叫びが届いた。
虎次郎がたまたま、、帰ってきていたので、、「どうした、、達治、、そんな苦虫潰した顔をし、、」と、、
虎次郎が心配そうに聞いたのであった。
「実はな、、虎兄いも知っている、栃木の細野新次郎が困って、、助けを求めてきてるのよ、、」と、、訳を話したので、、、「馬鹿野郎、、、仲間が助けてくれと言ってきたんだから、、話だけでも聞いてやれよ、、
出来る出来ないは二の次だ、、すぐに行ってやれ、、俺もいってやるから、、」
二人は達治のトラックで出かけた。
留守の事は妹の洋子に頼んで、、何かあったら連絡しろよと、、、
東京からなので、宇都宮には夕方に出かけたが、その晩には着いた。
細野新次郎の親が交通事故を起こして、病院に運ばれて危篤状態であったのである、、そして、事故の内容を聞いてみると細野新次郎の親の方が違反をしての正面衝突とのことであり、、細野新次郎は気が動顛していた。
虎次郎と達治がついた時に、話を聞いたら、細野新次郎はどうしたらいいか分からない、、と、、
「たっちゃん、、困ったよ、、」と、、おろおろしていた。
虎次郎も細野新次郎のことは知っていたので、、「馬鹿野郎、、お前がおろおろしてどうする、、兎に角、落ち着け、、」と、、言い聞かせた。
「まずは、新次郎、お前の親父さんを心配しろ、、」と、、虎次郎は病院側に聞いた。
一時は危篤状態であったが、様態を持ち直したとのことであり、、ゆっくり養生すれば大丈夫とのことであった。それを聞いた虎次郎と達治は安心した。
「ところで、事故の相手はどうなんだ」と、、聞くと車は破損したが、怪我の状態は思ったより軽く、同じ病院で治療は済んでいたので、、虎次郎が会って挨拶をしたのであった。
虎次郎はついてきてよかったと思った、、、日を改めて事故の相手とは話し合う約束をした。
「新次郎、、後のことは心配するな、、相談に乗るから、、今夜は親父さんの傍にいてやれよ、、言いな、、」と、言い聞かせて虎次郎と達治は引き上げた。


12)トラック野郎の男の涙

新次郎の父親の交通事故が起きてから、達治は連絡をもらった、、、
「たっちゃん、、恥ずかしい話だけど頼みがある、、、実は俺な金が無いいだよ、、、トラックを買ったばかりで、親父の入院費が払えないで困っている、、少し貸してもらえないかな、、、」
「自慢じゃないが、俺も引っ越しセンターを始めたばかりで、からっけつなんだな、、、虎兄いに相談してみるよ、、ところで新次郎、お前、保険かなんか掛けてないのか、、」と、、無駄だとは思ったが聞いてみた。
そして、、新次郎は泣きそうな声を出して、、「事故の相手の損害も払えないんだよ、、親父の奴、自動車保険を入ってなかったし、、一年前の保険料も払ってなかった上に、、車検が切れてたから困った、、」
と、、相談してきたのである。
達治も唸った、、「なんだと、、車検切れに保険なしか、、、参ったな、、ところで警察の現場検証はやってたのか、、」と、、聞いたら、親父の奴、覚えていないんだと話してくれた。
虎次郎が帰ってきてから達治は、今回の新次郎の親父の事故の内容を説明して、、相談をしたのであった。
「馬鹿野郎、、兎に角,金を集めよう、、警察の事は後回しだ、、、損害金と病院の入院費を作らないとな、、」
と、、虎次郎はすぐにトラック野郎の仲間に呼びかけた。
普段、面倒見のいい、虎次郎からの頼みなので、すぐに必要な金は集まった。
虎次郎は感謝した、、「ありがとう、、本当にすまない、、」と、、トラック野郎仲間に頭を下げたのである。
車検切れも「罰金刑」で済むように虎次郎は段取りをしたのであった。
やっちゃいけないことだけど、、普段は交通違反でばかり世話に成っている、、新次郎の親父が住んでいる警察署の交通安全課の大森課長宅を訪ねた。
虎次郎は日本全国の交通安全課とは顔を売っていたのであった、、
「こんばんわ、、、虎次郎です、、ご無沙汰しています、、いいですかお邪魔して、、」と、、大森課長に挨拶をして、部屋に入って行った。
大森課長の奥さんが出て来て、、「あら、、虎次郎さん、珍しいわね、、あなたが来たからには碌な話ではないわね、、でも、あなたは楽しい人だから、上がんなさい、、」
と、、、
「おお、、虎次郎か,最近違反がないようだな、、まあ、、上がれや。。」と、、久しぶりに尋ねた虎次郎を歓迎してくれた。
「どうも、たまには親父さんの顔を見たくなって、、旨い酒が入ったので持ってきたよ、、」
「嘘つけ、、お前が来るときは碌な話がないからな、、でも、、いいから中に入れや」
と言って酒盛りが始まった。
そして、新次郎の親父のことを話して、、穏便にしてもらえるように頼んだのである。。
虎次郎のなんとも言えない人懐っこさが、人を引き付けるのであった。


13)運転時間に規制が出来て、、、働きたくても働けない。。。

虎次郎たちトラック野郎にとって、働く時間改正は問題であった、、、
なんの保証もないトラック野郎には走ることが稼ぎになるのであるから、、、法律的な規制は死活問題であったのである、、、
中には「気にすることはない、、、今まで通りに走って稼げばいい、、掴まった時はそのときだよ、、、」という運転手もいたのであった。。
「俺たちトラック野郎は、、、会社もない、、一匹狼だから、、、申告しなければいいじゃないか、、」
とか、、いう奴もいた。
「今までのように、スピード違反をする様によ、、掴まるまでやればいい、、、」というトラック野郎もいたのである。
虎次郎は違うと思った。これからのトラック野郎は変わらないといけないのだと、、、やっぱり、税金を払って仕事をしないと、、そんな風に考える虎次郎であった。
追分の達治に「引っ越しセンター」を作って仕事をやる様に、トラック野郎も一匹狼ではなく、、グループ団体で運送業をしないと、まともな運賃がもらえないと思ったのであった。
そして、虎次郎は弟分の達治とも相談して、、旗揚げをしたのである。。。
その名も「東京トラック野郎組合」を作って、一匹狼のトラック野郎を加盟させていった。


14)トラック野郎、悪行集団に巻き込まれる。。。

虎次郎の古い仲間で、、長距離専門にしている「疾風の狼」と言われてる「黒田長治」というトラック野郎がいる、、、その男が久しぶりに虎次郎を訪ねて来た、、、一人の若いトラック仲間を連れて、、、
「虎さん、、ご無沙汰しています、、今日は頼みごとが有ってきたんだよ、、何時もいつも頼み事ばかりですまない、、、困ったときにしか来ないで悪いな、、、」
と言って、、訪ねて来た訳を話し
「一緒に来た,こいつは俺が今、面倒見ている高松道夫っていうんだが、、、二人で間違いを起こしてな、、
困っている、、、助けてほしいんだよ、、、虎さんにしか頼む人が居なくて、、」
その訳とは、、、二人で中身を知らずに、秋田から東京の芝浦まで運んだ荷物にあったのだ。
疾風の狼こと「黒田長治」は同じトラック野郎の仲間である、「大島茂」という奴から頼まれた仕事であった。
仕事の中身を確認しなかった黒田長治も悪かったんであるが、、、東京都内に入る検問で引っかかってしまったのであるが、、運んだ中身が「密輸入の拳銃やライフル」だったのであった。
その検問所で御用となり「銃の密輸入現行犯」及びに「銃刀違反の現行犯」で逮捕されたのである。。
黒田長治たちは22日間の取り調べ拘留で板橋警察署の留置所にいて、、、不起訴になって出て来たばかりであった。
しかし、、運んだ「銃類」は没収になり、、黒田長治に頼んだ「大島茂」が逮捕されてしまったのである。。
逮捕された板橋警察署で聞いた話では、、密輸グループがバックにいるようなので、、怖くなって、、虎次郎の所に相談に来たのであった。
黒田長治の警察の取り調べから想像して、、、どうも「ロシアマフィア」が絡んでいるような気がして、、直観的にまずいとおもったのである、、、最悪の場合、殺されるような気がしたのであった。
自分たちも危険な状態ではあるが、、逮捕された「大島茂」は消されてしまうような気がしたのであった。
「虎さん、、、俺たちではどうしょうもない、、何とか助けてくれ、、恐ろしくて、寝てもいられないよ、、、」
泣き出しそうな顔で虎次郎にすがった。
「困ったな、、しばらく動くな、、俺の事務所にいろよ、、何とか考えるから、、」
二人を匿った。
虎次郎は弟分の達人に訳を話して、、自分の部屋に二人を入れた。
早速、ロシアマフィアならば、、とりあえず「有馬一山」に連絡を取って、会うことにした。


15)虎次郎、、覚悟を決めて闘う

虎次郎は有馬一山に連絡を取ってもらい、ロシアマフィアの日本組織の代表と会うことになった。
そして虎次郎は有馬一山と一緒に博多事務所に行き、上杉健太郎と会った。
「先日は御馳走さまでた、、、いろいろとありがとうございました、、、今日は、また面倒なことでお邪魔しましたがよろしくお願いします」
と、、挨拶をしてのであった。
「虎次郎さん、、用件はわかっています、、組織から報告は受けているので、、しかし、私も組織の人間ですから、出来ないともあります、、」
釘を刺されていまった虎次郎でした。
「虎次郎さん、、今回の事は組織が決めたことであり、私なんかが口の挟めるものでは
ありません、、、虎次郎さんとは友達として付き合っていきたいのですが、、私の力ではどうにもならない、、勘弁してください、、」と、、言われては虎次郎も頼めるものだはなかった。
「しかし、虎次郎さん、、私のにも出来ることはあります、、知られれば消されるかも知れないが、、情報だけは入れますよ、、それで許してください、、」
傍にいた有馬一山も、、「虎次郎、、上杉さんも大きな組織の一員なのだから、無理は言うな、、」と言われて、虎次郎は何も言えなかった。
「分かりました、、上杉さん、無理なお願いですいませんでした、、俺が間違ってたよ、、」と、、上杉健次郎に礼をいったのである。
そして、教えてくれた、、、
「虎次郎さん、、組織は本気で今回逮捕された「大島茂」を狙っているから,注意してくださいよ、、ロシアマフィア組織は日本の政治の中枢にも食い込んでいますから、本当に慎重に、、行動してください、、」
と、、情報をいれてくれてことに感謝して、博多事務所を後にした。
虎次郎は腹を決めた、、、これ博多事務所に来ることは無いだろうと、、
相手が国だろうとやくざ組織だろうと、「やってやろうじゃあないか、、」
と、、助けを求めたきた「トラック野郎」を助けることにしたのであった。
「一山、、今日はありがとうな、、あんたもやくざ組織の人間だから、、俺が今からやろうとしていることには、関わらないほうがいい、、」と、、お礼を言うと、、
「馬鹿野郎、、俺は日本人だぞ、、水臭いことを言うな。。」
そして、、「虎次郎、、ここまで来たからには、、お前に付き合うよ、、最後までな、、なんかお前をほっとけない、、虎次郎、、今から俺と兄弟分の付き合いをしよう、、あははは、、、宜しくな。。」
と、、言ってくれた有馬一山に涙したのであった。


16)トラック野郎軍団とロシアマフィア組織の闘い。。。

虎次郎は覚悟を決めた。有馬一山が今日から虎次郎の事務所に寝どまりをすることんしたのであった。
あいてはロシアマフィア組織である、油断は出来なかった。
そして、
逮捕されているトラック野郎の大島茂に虎次郎は面会に行き、伝言したのであった。
差し入れされたものは絶対に食べないこと、誰彼のからでも駄目だとした、ロシアマフィア組織は証拠を消したいのである。間違いなく、殺しを企てている筈であった。
まずは差し入れされたものを食べない、そして、他にも注意して行動するように指示をした。
間違いなく、今回の逮捕では起訴はされるのであるから、判決が出るまでの留置所、拘置所の中で、どうして、トラック野郎の大島茂の身を守るかを、虎次郎は考えた。しかし、警察塀の中では方法がなかったのである。
板橋警察署の留置所では、調べたら、虎次郎の昔の遊び仲間のやくざ者が一人掴まって、留置所にいたのであった。
暴れ者で、喧嘩慣れした無法者であったので、虎次郎は面会に行って、大島茂のガードを頼んだのである。
虎次郎には命の借りがあったので、引き受けてくれた。
その無法者「若松寅吉」は拘置所に移動され、懲役刑で刑務所に服役する予定でもあったので、しばらくは留置所、拘置所に留置されているので虎次郎の頼みを聞いてくれたのであった。
後は運否天賦である。運が良けりゃ助かるだろうが、、相手は組織だから駄目かも知れない。

虎次郎はやってみようと、駆け込んできたトラック野郎の二人にも言い聞かせた。
「虎次郎さん、仕方がないですよ、、、覚悟はしてますから宜しくお願いします。自分たちの蒔いた種ですから、俺たちも頑張りますよ、、、」と、、納得して、頼み込んだトラック野郎ふたりは虎次郎に任せたのである。
ここまで来たら虎次郎に命を預ける他に道はなかった。
有馬一山も用意するものを準備して、虎次郎に掛けてみたかったのである。
「虎さん、、奴らは、逮捕された居る男以外の二人も狙って来る筈だ、、」と、、、ロシアマフィア組織のやり方を知っている有馬一山は虎次郎に告げた。
必ず、匿っている二人も始末するだろう、、、だから、襲撃してくると、、、
今までにロシアマフィア組織が生き残って来たわけは、絶対に証拠を残さなかったからであった。
必ず、襲撃してくるから注意しなとと有馬一山は言ったのである。
どういうやり方で攻めてくるかである、、、
「虎さん、、銃は、、ライフルは三丁用意してきたよ、、、後は日本刀を振り回して、相手の行き根を止めないとな、、」
という、一山であった。
「ああ、、わかった、命がけでやってやるよ、、俺たちの人生も終わるかも知れない、、一山、すまないな、、付き合わせて、、あんたにはこの世では返せない義理を借りてしまったな、、、本当にすまない、、」
と、、虎次郎は頭を下げて礼を述べ、謝った。
助けを求めた二人のトラック野郎も涙ぐんで謝った、、頼んだ追分の達治も「すまない、、すまない」と言いながら頭を下げたのである。

追分の達治は自分の仲間の為に、命を掛けてくれる虎次郎と一山に言葉では言えないが、、心の中で詫びていたのであった。
虎次郎は弟分の達治の為に、一山は虎次郎の義理の為に命を掛けてくれるた、、、
達治は心から、「いい兄貴分を持ったと感謝した、、」そして、今回は達治は仲間の為にと体を張って、命がけでロシアマフィア組織と闘うことに悔いはなかった。
自分の為に命を掛けてくれる大好き兄貴「虎次郎」と一緒にこの世の中の悪と戦えることに誇りを持って死ねるのであった。
そんな覚悟を見抜いたのか、虎次郎は、、、
「達治、、死ぬなよ、、生き延びることを考えるようにな、、」と、、言ってくれた。
覚悟が決まった虎次郎たち五人は待ったのである。今回はロシアマフィア組織が攻めてくるのを迎え撃つのであった。
絶対にこの倉庫からは外に出ないようにと指示を出した、虎次郎であった。

そして、一回目の襲撃があった。
堪らない、20名ほどの無法者が銃を乱射して、虎次郎の倉庫に突っ込んできたの
虎次郎たちは一山が用意してくれたライフル三丁と日本刀五本であった。
それと虎次郎が持っている猟銃三丁での戦いだった
しかし、この戦いを知ったトラック野郎たちが,ありったけの銃を集めて、参加してくれたのであった。
どこで手に入れたのか手榴弾もいくつかあったのである。
その上、ロシアマフィア組織が攻め込んできた時にダンプ野郎たちが、ヤクザマフィア軍団のなかにダンプで突っ込んでくれたのであった。
それも砂利を満載に積んできてくれて、取り囲んでいるマフィア軍団の中に振りまいてくれた。

このたラック野郎の応援部隊によって、ロシアマフィア組織は退散したのであった。
逃げるロシアマフィア集団から、虎次郎たちは機関銃などの銃を奪った。
今回のロシアマフィア組織の襲撃は、直ちに上杉健太郎の耳に入り、有馬一山に情報がはいった。
「やったね、、凄いよ、、、博多事務所でも噂になっている、、どうしたものかと、、」
虎次郎たちトラック野郎軍団の力は馬鹿に出来ないとの噂であった。

逮捕されたトラック野郎の大島茂にもロシアマフィア組織からの手は廻り、、差し入れは何回もあったのであった。そして、調べてもらったら「独饅頭」であった。
そして、大島茂はロシアマフィア組織の回し者が留置所に入り、、何度も夜中に命を狙われたのであるが、、、虎次郎の悪友の「若松寅吉」に助けられていた。
しかし、守り通した虎次郎たちは一層の警戒を強めた。
何が何でも守り通して、密輸犯罪を潰さないと、虎次郎はおもったのである。
そして、虎次郎は新しい情報を入手した。
二回目の襲撃が近いうちにあるという噂が聞こえてきたのである。
トラック野郎軍団が虎次郎の倉庫の周りを囲み、完全装備をしたのであった。
このころには警察も動き始めて、虎次郎の倉庫近くに銃撃戦にそなえたのである。
この警察機動隊の出撃でロシアマフィア組織の勢いも止まって、襲撃はなくなった。
そして、今回の銃撃戦がきっかけとなり、、ロシアマフィア組織への取り締まりが強化された。

虎次郎たちトラック野郎軍団の動きが国家警察を動かし、、ロシアマフィア組織への取り締まりが厳しく成り、、博多事務所への強制捜査の手が入ったのであった。
そして、逮捕されているトラック野郎「大島茂」の身の安全が警察によって保障されたのである。
トラック野郎の虎次郎たちの命がけの闘いが、国家権力の警察をうごかしたのであった。
今回の銃撃戦が引き金となり、、悪徳な権力者たち、甘い汁を吸っていた悪徳政治家の力も、、陰の暴力者たちも動くことができなかった。
そして、ロシアマフィア組織の人間たちが厳しい警察の追及を受けて,検挙されたのであった。
今まで、警察の捜査が入らなかったロシアマフィア組織にいっ気に警察暴力がはいったのである。。
裏社会の密輸軍団に対して、、日本国家の威信を掛けての闘いが始まった。
トラック野郎軍団が勝利したのであった。虎次郎も一山も命がけの闘いをしたことに、、
救われたのである。


17)手打ち式

ロシアマフィア組織との抗争のあとに、、有馬一山を通して虎次郎に連絡がはいった。ロシアマフィア組織も今回のトラック野郎軍団との
抗争で警察からの家宅捜査が入り、、逮捕者がでたのであった。
犯罪組織取り締まり法や銃刀法違反での逮捕者がロシアマフィア組織からも幹部社員を含めて多数が逮捕され、かなりの痛手を被ったのである、、、
それで今後の組織としての事業展開の都合で有馬一山を通して、「手打ち式」の申し込みがあった。
その話が出たので、、虎次郎としてはいつまでも抗争状態よりは良かれと思い、、申し込みを受けることにしたのである。
有馬一山の話によると、、ロシアマフィア組織側からは、日本代表上杉健太郎と極東ロシアマフィア組織代表の「ロブコッチ」が出席して、、トラック野郎軍団代表は「網走虎次郎」で、、有馬一山が介添え人として出席することになった。
手打ち式の日時も決まり、虎次郎と一山が出席することで話が進んだのであった。
手打ち式会場はロシアマフィア組織の博多事務所の3階フロアに設けられたのである。
そして、手打ち式当日、ロシアマフィア組織からは上杉健太郎と極東代表の「ロブコッチ」が顔をそろえた、、ロシアマフィア組織側は数人の幹部社員が列席した。
そして、、一同が揃ったところで、上杉健太郎が挨拶を始めた、、、
「それでは、、これから、ロシアマフィア組織とトラック野郎軍団との手打ち式を執り行います、、」
ということでそれらしく、厳かなにはいまった。
その時の会場の雰囲気で、虎次郎は何かが変だぞという不安感というか不審な気持ちに襲われたのである。
もしかしたら、、ロシアマフィア組織の罠かも知れないと思った虎次郎であった。
手打ち式もそろそろ終わるかなと思った、、瞬間にロシアマフィア組織の幹部社員が機関銃を撃ちながらなだれ込んできたのである、、堪らない、、虎次郎も一山も銃撃されてしまった。。
その時、、上杉健太郎が撃たれる二人の前に立ち塞がったのであった。。
「何をするんだ、、お前らは、、辞めろ、、」と叫んだ、、
そして、上杉健太郎も撃たれた、、、「汚いぞ、、約束が違うぞ、、豚野郎、、」と、叫びながら倒れた、、、
一山も体中に銃弾を浴びて、その場に倒れたのであった。
その修羅場の中から、、虎次郎が立ちあがった、、、ロシアマフィア軍団は驚いてひきさがった、、、
「馬鹿野郎、、、騙したな、、、こんなことだろうとは思っていたが、、ふざけやがって、、糞、、ロシアの外道、、覚悟しやがれ、、」と、、嫌な予感がした虎次郎は隠し持っていた短刀で切りかかった、、代表の「ロブコッチ」を刺し倒したのであった。
そして、、ロシアマフィア幹部社員から機関銃を奪い、、その場にいたロシアマフィア組織の人間を撃ち殺して、、一階に下りた、、
心配して来てくれたトラック野郎の弟分の達治や、仲間たちが虎次郎を助けたのであった。
有馬一山も上杉健太郎も絶命していた。。。
虎次郎は用心のために「自家製の防弾チョッキ」をつけていたので一命は取り留めての抵抗であった。
トラック野郎軍団がロシアマフィア博多事務所には50名ほど集まっていたので、、虎次郎の指示で有馬一山と上杉健太郎の亡骸は引き取って、引き揚げた。
虎次郎は引き上げながら考えた、、、自分の命を捨てても、二人への義理は返さないと、、死んでも死にきれない。。
虎次郎は二人の葬儀はトラック野郎軍団で行ったのである、、二人とも身寄りのない極道であったので、、、
そして、虎次郎は二人の墓前に誓った。


18)虎次郎は燃えた、、命尽きるまで、

ロシアマフィア組織との抗争のあと、虎次郎は辛うじて命拾いをした、、、
しかし、長い付き合いの「有馬一山」と何となく気の合った「上杉健太郎」を失った。有馬一山には返し切れない「義理と恩義」があった。虎次郎はこの世では返せない義理をあの世で返すと誓ったのである、、、
一山の墓前で、、、そして、、命がけで虎次郎の味方をした上杉健太郎も死んだ、、虎次郎は決めたのである、、、「上杉さん、、、仇は討つよ、、ロシアマフィアは命に代えても潰すからな。。」と、、
虎次郎は今回の事件で警察から呼ばれていた、、、取り調べで虎次郎の正当防衛は認められたが、、警察としてもロシアマフィアを殲滅したかったのであった。
それで、、ロシアマフィア組織の状況を知りたいので、虎次郎に抗争の時の狙撃時の人間たちを聞いてきたのである、、警察も必死であった。逮捕したロシアマフィアの特殊社員たちは黙秘を使い、、銃撃戦は認めたので、暴力行為での逮捕だけとなった。
そのために虎次郎から「密輸関係」のことを聞きだしたかったのであるが、、、虎次郎もはなさなかった。
警察から戻った虎次郎は仇討の準備に取り掛かった。
ろしアマフィア組織は、、ロシア本国に守られていたのでる。
虎次郎の人脈や情報では太刀打ちで来るものではなかったが、、虎次郎は諦めなかった。
虎次郎は弟分の追分の達治を呼んだ、、、
そして、、「達治、、お前の命を俺にくれ、、一緒についてきて欲、、しい、、、俺には組織もなければ、、力もない、、、だから俺の糞度胸で体当たりしか方法がない、、いいかな、、恩返しはあの世でしか出来ないが、、来てくれるか。。」
「何を言ってるだよ、、兄貴、、俺で良かったらいつでも使ってくれ、、こんな時でしか恩返し「いいか、達治、、相手はロシアマフィアだぞ、、多分バックにはロシア本国がついているはずだ、、生きては戻れない、、、それでもやらないとな、あの世で一山に笑われるよ、、、」
と言いながら虎次郎は達治に礼を言った。
襲撃するところはロシア大使館の傍の付属ビルであった。

そして、虎次郎は達治を連れてロシアマフィアの本部ビルに向かったのえある、、
虎次郎はわざわざ天気の悪い大雨の日を選んだ、、、
東京の赤坂にあるロシアマフィア本部の前に虎次郎と達治が立ったときに、、3人の男達が近寄ってきた、、、「虎次郎さん、、私たちにも義理を果たさせてください、、、」
と、、言って、細野新次郎、高松道夫と釈放されたばかりの大島茂が待っていたのであった。」

19)命作るまで、、その2

虎次郎は無茶な計画を立てて、、ロシアマフィア本部を襲撃をしたのであった、、追分の達治とそのトラック野郎たち、細野新次郎、高松道夫、大島茂の5人で捨て身で乗り込んだ。
全員、自分たちの防弾チョッキをまとい、機関銃片手に撃ちまくりながらロシアマフィア本部の中に入った、、、明け方の3時だった、、、
ロシアマフィア側は寝起きを襲われたから堪らない、、、虎次郎たちは5人ひと固まりで乗り込み、2階からは二人ひと組で乱射を始めた、、虎次郎は7階建てのビルの最上階に本部責任者が居ることを確認していたので一気に、その部屋に向かった。
無防備だった明け方なので、ロシアマフィア側は応戦がなかなかできなかったが、、途中から銃撃を開始してきた、、、しかし、戦闘準備の出来ている虎次郎たちのトラック野郎には適わなかった。
7階に乗り込んだ虎次郎は、、、
「覚悟せいや、、死にやがれ、、、一山と上杉さんのお礼参りだ、、くたばれ、、」と、,叫びながらロシアマフィアの責任者、プーチン塩田に機関銃を撃ちこんだ。。
仇は執った、、達治たちに引き上げる指示をしながら7階から降りていった。
虎次郎はロシアマフィア本部の組織の人間を一人残らず射殺したのであった。そして、、「達治、、みんなを連れて逃げろ、、いいな、、こんな奴らの為にみんなで責任を取ることは無い、、早く逃げろ。」
「いいか達治、とらっく野郎軍団は頼んだぞ、、いいな、、みんなありがとうな、、」と、、虎次郎は頭を下げて、、、
「みんな、達治を頼んだぞ、、、早く行け」と、、引き揚げさせた。
「兄貴、、分かった、、行くよ、、任せてくれ、、」と、、4人はその場を離れた。
一人残った虎次郎は警察に連絡をして、ロシアマフィア本部のビルで待った。。「一山、、仇は執ったよ、、上杉さんの恨みも晴らしたぜ、、後はあの世へ行ってから謝るな、、」と、、独り言を呟いた居た。


20)虎次郎、命果てるまで。。。

虎次郎は夜が明ける赤坂の眩しい陽を浴びながら歩いた。
血だらけの機関銃を片手にひとり歩いたのであった、、そして、、青山通りの赤坂警察署の前に立った。
人を殺してきた虎次郎であったが気持ちは清々しかった。
虎次郎が警察署の前に立つと、、警察官が取り囲んだのであった。
虎次郎は持っていた機関銃を投げだして両手を挙げた間へ進んだ、、
「何もしませんよ、、人を殺してきたので逮捕してください、、」と、、言うと数人の掲示らしき男たちが虎次郎を抑えた。
そして、顔見知りの刑事が虎次郎の前に出て、、話をした。
「虎次郎、、、お前か、、やったのか、、兎に角、中に入れ、、」と言って、手錠も掛けずに警察署内に入れてくれた。
「まずは、留置所に入って、少し休め、、寝てないんだろう、、取り調べは後からでいい、、、虎次郎、顔中血だらけだ、、顔を洗ってな、、」
そして、、朝飯を食べてからということで留置所に案内された。
虎次郎は増川警部補に感謝した、、、この人には以前からロシアマフィア組織とのいざこざを知っていたので、、今回は全てを話すつもりで、出頭してきたのであった。
虎次郎は増川警部補の計らいに感謝して、留置所で横に成った。
そして,午前中いっぱい休ませてもらった虎次郎はお昼ご飯を食べてから、取り調べになった。
取り調べは増川警部補が担当してくれた。
虎次郎は取り調べ室に入って、、、「虎次郎、、長い取り調べになるだろうから、、まずはお茶を飲めよ、、」と、薦められた。
「虎次郎、、お前の面会はしばらく出来ないので、、今からお手洗いに連れて行くから、、途中の廊下をよく見てな、、よく見ろよ、、」
と、言ってくれた。
虎次郎の目に飛び込んできた3人の男達が目に涙を浮かべていた、、増川警部補から話はしては駄目と止められていたので、、ただ、じっと見つめていた。
虎次郎には無言の言葉が聞こえた、、虎次郎も答えた「元気だな、、俺の分まで生きてくれ、、」と、、
達治が声を出しそうに成ったが止められた、、「兄貴、ありがとう、、面会が出来るようになっら、:必ず来るよ、、」と、、目で言葉を投げかけた。
そして,わずかな時間だけど別れが出来た、、
虎次郎は増川警部補に感謝しながら、頭を下げたのであった。
取調室に戻った虎次郎は改めて感謝の言葉を言ったのである。。
「良いよ、、俺にはこれぐらいしか出来ないからな、、、」
と、、話を本題に戻した。
「虎次郎、、今回は言っておくぞ、、覚悟をしておけよ、、多分刑は重いと思う、、、死刑か旨くいって無期懲役だ、、ロシア。人を20人も殺したのだからな、、」と、、言われても虎次郎は動じなかった。