〇大衆娯楽小説「探偵物語」

(1)探偵事務所を開く

東京の片隅で、探偵事務所を開い
た、、、伊達政男35歳の物語。
男気のある正直者だが、金はない。。。そして、探偵事務所といっても何でも屋だった。
新宿区早稲田1丁目にある木造アパートの1室であり、、、学生時代からの住まいに電話を1っ本
引いただけの事務所兼住居であった。アルバイトしてためた金で中古の軽トラックを1台用意したで
ある。
そして、携帯1個の商いであり、、、広告は携帯で宣伝していた。
彼の容姿は身長1
80cm、体重75kgといった頑丈そうであり、、、「探偵事務所」と言っても、
資格も何もない。
そこで始めは「片付け手伝いから、引っ越しまでをお手伝いします」と言って、、、注文を待った。
事務所を開いてから、、、1か月くらいはあるので、、一間の事務所兼住まいで電話が鳴るのを待った。
彼は金がなくても貧乏とは思わなかった、、、、学生時代もアルバイトしながら、大学を卒業したので、、、
そして、なぜ探偵事務所を開いたからというと、、、規則正しい会社勤めが嫌いだったのであり、、、誰にも
束縛されずに生きたかったのであった。
東京の空は春らしく青空を見せていた。広告はだした、、、、

伊達政男は電話が鳴るのを待っていた。。。。部屋で待つより仕方がなかった。
何の組織力もなく、後ろ盾もなく、ましてや「コネ」があるわけじゃない、、、ただ、ひたすら電話が鳴るのを
待つよりほかになかった、、、、独り身であり、食べることに困っているわけじゃないで、、、それでよかった。
待つこと7日間かな、、、待望の電話が鳴った。
伊達政男は笑みを浮かべながら、電話に出た。
「はい、、、伊達探偵事務所です、、、ご用件はなんでしょう、、、」と、、、
「もしもし、、、そちらは探偵事務所ですか、、、何でも引き受けますという、、、片付け、引っ越しでも」
「はい、、そうです、、、仕事はどんなことでしょうか」と、、、
聞き返すと、、、、
「東京でなくても、、、地方でも来てくれますか、、、」
伊達政男が用件を詳しく聞いた。
仕事内容は東京の世田谷区から石川県七尾市までの引っ越しで、荷物は年寄り一人分で、引っ越した先での
片付け整理もしてもらえるかという依頼であった。
先方が言うには小型トラック一台分ぐらいだとのことであり、、、初めての仕事なので引き受けた。
お客様は、神田道子と言って、、、引っ越し先の住所、引き取り先まで連絡してきた、、、そして、
荷物量も正確でなく、運搬距離も分からないので、、、とりあえず、手付金として10万円を振り込んできた。
そして、運搬日を決めて、電話で仕事を引き受けた。



(2)初めての仕事、、、引っ越し片付け
伊達政男は最初の仕事の準備をした。
小型トラックのレンタルの手配、、、次に労働力の手伝い助手を、、、、
運搬のための労働力をいつも手伝ってくれるホームレス広場にたむろしてる「五郎」を探した。
そして、その日も昼飯をおごって、承諾させた。
「五郎、、、石川県の七尾市まで引っ越しを引きうけたので手伝ってくれ、、」
暇な五郎は引き受けてくれた、、、、
五郎はホームレスをしてるけど、、、伊達政男とは気ごころあって、学生時代から付き合っていた。
ホームレス広場にビニールハウスを作り、気ままに暮らしていた、、、そんなある時に町のごろつきに
絡まれていたのを伊達政男が助けたのであった。
伊達政男は空手有段者であり、、そんな伊達を五郎は何となく尊敬していた。
五郎も正業に就くことなく、気ままにホームレスをしているのが好きだった。
そして、今回も伊達政男の初仕事でもあるので、手伝ってくれることになったのである。




(3)引っ越し運搬当日

伊達政男は五郎を連れて、世田谷区成城の家に向かった。
世田谷区成城は立派な戸建ての屋敷が多かったが、、、向かった先は古い屋敷だった、、、、そして、
思ったよりは瀟洒な平屋建てで、老人が一人で住んでいそうな所だった。
目的地についた伊達政男は、、、、まだ、人が住んでいるらしかったので、、、玄関先に立って、
「ごめんください、、、引っ越しに来ました伊達ですが、、、誰かいますか、、」と、、、
中から、一人の初老のおばあ出てきて、、、
「ご苦労様、、、娘から話は聞いていますので、、、よろしくお願いします、、、どうぞ、
中へ入ってください、、」
と、言われて、伊達政男は家の中に入った。
部屋の中はきちんと整理されていて、、、引っ越す荷物もまとめてあった。
伊達政男は五郎を使って、運搬する荷物をトラックに積み込んでいった。荷物も少なかったので前中で済んだ。
積み込みが終わると、立ち合ったくれたおばあさんが、、、「ご苦労様でした、、、」と、、、
お茶を入れてくれた、、、汗をかいた後の熱いお茶は旨かった。
積み込みがおわり、、、部屋の中も片づき、、、伊達政男が引き上げようとしたら、、、
おばあさんが、、、、「すいませんが、、、丹波まで乗せて言って、もらえないでしょうか。。。なんとかお願いします」
「私は今までにひとりで遠出をしたことがないので、、、心ぼそいんですよ、、、」
そんなことで、伊達政男は、、、腹の中では
偉いことになったなと思いながら、、、きついトラックに3人で乗ることにした。
京都丹波市までの珍道中がはじまった。



(4)80歳のおばさんとの車旅
世田谷区成城から京都府丹波市迄のトラック旅であるから、目的地の到着は夜になるようだった。
東名高速で京都まで走り、丹後有料道路を丹後まで向かう。。。
年寄りが一人便乗しているので、インターへの寄り道が多かった。トイレの使用で、、、、
午後6時ごろに浜松のインターにより、、、夕食をとった。
おばあさんがウナギをご馳走してくれるというので、甘えて食べた、、、二人とも久しぶりのご馳走であった。
おばあさんの名前は、浅田きみえで、、、、東京の世田谷で夫である浅田武夫と二人暮らしをしていたそうだ、
きみえは夫が亡くなってから、、、3年ぐらい独り暮らしであったが、京都府丹波市に住む娘から、一緒に住むように
誘われて、、今回引っ越すことになったのである。
最近の物騒な世の中で、、、白昼強盗などもあり、、、さらには年寄りで病気などのことも心配で、
娘が呼び寄せたのであった。。。。
きみえは一人暮らしが気ままでよかったのであるが、、、娘の強い要望もあり、、、早い話が
「おしがましい親孝行」に押し切られてしまったのであった。
きみえは伊達に言った、、、、
「運転手さん、、、年寄りは子供が思うほど、、、やわではないよ、、、あはあはあはー」
そして、、、「余りにも心配するからね、、、老いては子にしたがえ、、の心だよ」
「伊達さん、、、一番美味しいウナギを食べなさい。。。」
と、言ってくれた。
浜松のインターでうなぎを食べて、、、丹波へ向かった。
車中、きみえおばあさんはいろいろな話をしてくれた、、、おかげで眠くなることはなかった。



(5)丹波市に到着
東京からのトラック長旅も,もうすぐ終わりになる、、、
丹波市に入る手前、と言っても随分手前だけど京都で遅めの夕食をすることにした。
京都市内、祇園にある寿司屋で、、きみえおばさんが知っている「祇園寿司」に連れていかれた。。。
「ここは昔から知っているお寿司屋さんで、ハブ料理が美味しいの、、、ご馳走すらから」と、、、
寿司屋の暖簾をくくった。
伊達は感心した、、、このおばさんは通なんだ、、、遊び人だなと、、、
「どう、、、美味ししでしょう、伊達さん、、」
「はあーーー食べたことありませんよ、、、こんな高級な寿司などは、、、なあ、五郎」
と、相槌を相棒の五郎に求めた。
そんな美味しいし食事をご馳走になりながら、、、夜の丹波路を生きなおばさんと目的地に向かった。
東京を出たのが遅かったから、、、、丹波市の引っ越し先着いたのが午後10時を過ぎていた。
「きみえおばあちゃん、、、夜も遅いので荷物は明日下ろしますよ、、、今夜、俺たちは車のなかで寝ますから
、、、娘さに挨拶だけしてきますよ、、」
と、言って伊達は車から降りた。
そして、、、「こんばんわ、、、神田さん、、、遅くなりましたけど、、、頼まれた荷物を運んできましたけど、、
きみえおばあちゃんも連れれ来ましたよ。」
着いた家の神田さんはびっくりしてた。
「ええーお母さんも一緒ですか、、、まったく、相変わらず無茶をするんだから、、、」と、、、
挨拶をしながら、びっくりで、、、「本当にすいません、、、無理を言ってごめんなさいね」
それから、伊達は説明をして、、、荷物は明日下ろすことにした。
その夜は神田さんの計らいで、泊めてもらうことにした。



(6)伊達政男ときみえおばあちゃん意気投合
神田道子さんの家に泊めてもらうことになった、伊達達ふたり、、、、
食事は済んでいたので、寝るだけだったが、、、すみえおばあちゃんが伊達を気に入ったのか、
世間話やら、家族の話を始めた。。。
更に、伊達のことをいろいろ聞き始めた。今は6畳一間のアパート住まいで、大学もアルバイトをしながら4年のところを6年かけて卒業したことを話した。。。
伊達は聞かれたので、、、家族は母一人で、どちらかというと貧乏暮らしであった。子供のころから母が苦労していたので、金の有難み、大事さは知っていた。
それでも貧乏は何とも思わなかったし、、、金が無いのも苦にはしていなかった。
生来が楽天家でもあり、、金は働けば稼げると思っていた。
仲間の五郎もホームレスであり、若くて、健康なので、働くことに生きがいをみい出していたのであった。
アルバイトをしながら早稲田大学法学部を出て、、、弁護士を目指していたのであった。
時間はかかるけど、頑張るつもりだと、すみえおばあちゃんに話した。
「そうか、、、伊達、、、お前は男だな、、、なかなかいいよ、、、頑張れ。。
ところで、わしが住んでいた世田谷の家を売るから買え、、、」
と、突然言い出したのである。
理由は誰も住まないし、空き家にしておくのはもったいないからというのであった。
「何を言うのですか、、、とても、俺には買えませんよ」
「いいから、、、買え、、、あの家をお前に売るよ、、、どうだ、10万円で」と言われた。
わしがもっていても、後を継いいで住んでくれるものが居ないというのだった。
娘の神田道子は結婚して、その旦那と丹波市に家を作って済んでいるからと、、、
そんな訳で話が進み。。。伊達政男は家持ちになったのである。
偶然だが、、、神田道子の旦那は弁護士だった。
「よし、決まった、、、伊達政男はわしの孫みたいなものだ、、、頑張れよ、、、
それからわしが当分の間はお前のスポンサーになってやるからな。。」
話はトントン拍子で進んだ。
丹波市でお引っ越し片付けが終わり、、、伊達達は丹波を引き上げた
人とは面白い不思議だ、、、親切に対応すると、飛んでもないいいことがあるもんだと、
伊達政男は思った。
思いがけなく家が手に入ったのであった。
今後の人世で伊達政男は覚えた、、、、人には親切にやさしくすることを。




(7)丹波からの帰り道
伊達政男は気分がよかった、、、偶然というか、、奇跡的に、幸運にも家が手に入ったのである。
内心思った、、、ついていると。
これが運がいいというのだ。これからの人世道で、さいさきがいいというような気がしてきた。
相棒の五郎と何とかなるまでは、二人で引っ越し片付け専門で頑張ろうと思った。
世の中のいろんな人と巡り合い、、人間関係を勉強していこうと、、、
きっと、弁護士の道にも通じると思った。
多くの人々と知り合い、人の情け、冷たさを知ることが、、、人の心を知ることが必要だと。
学問上の勉強も知識も、、社会の人が生きる知識もいいのだと、、、
伊達政男は社会学を世の中を知ることが大事なことと。
「五郎、、、お前も俺のところへ来いよ、、、そして、共同生活をしよう」
と誘った。
ホームレスをしている五郎は喜んで参加することにして、、、二人の共同生活が始まった。
東京への帰り道、、、二人は色々と夢を語り合った。
まずは二人は譲り受けた家を見に行って、、、改めて、その家を見て心が弾んだ。
「五郎、、、二人で稼いで、まずは中古でもいいから運搬車、そうだな2トン車を買って、
頑張ろうぜ、、、庭も広いし、、車庫が付いているようだしな」
「五郎、、、自分たちの引っ越しだな、、、」
「兄貴、宜しく頼むぜ、、、何があってもついていくから。。」
と、、それぞれの荷物を運びこんだ。
二人の荷物を運びこんでも部屋は広く、、、余裕であった。
引っ越しが終わった、その晩は新しいこれからの家で伊達政男たちは寝た。
これからの夢を見ながら、、最高の夜を過ごした。



(8)伊達政男、五郎を連れて中古トラックを探しに

世田谷の住まい兼住宅の一戸建てで、目を覚ました伊達政男はこの新居で、仕事が出来ることが嬉しかった。。。。生れて始めてかも知れない、幸せだと心から思ったことは、、、
今回のことでは「すみえばあちゃん」には感謝しなくてはならないと、、つくづく思っていた。
その為にも、頑張らないと、何が何でもやり遂げて、すみえばあちゃんにお礼をしないと、、、、
新居で目が覚めた、伊達政男は。。。五郎と新居で初めての朝食をとり、、軽トラックで出かけた。
世田谷通り、8号線を見て歩いた。
何せ、予算は40万円しか用意出来なかった、、今までに貯めていた虎の子と今回のすみえばあちゃんの引っ越し代金だけであったので、、、
「五郎、、安くて、いいトラックを見つけないとな、、、とにかく、いくつかの中古センターを見て回ろうか。。。」と話しながら、トラック探しを始めた。
「そうだよな、、、兄貴のなけなしの金だものな、、、よく見て回ろう」
と、、、二人で中古トラックを探した。
なかなか、いいものが見つからなかった、、、
「五郎、、腹減ったな、、、ラーメンでも食うか」
環状8号線通りにあるラーメン屋に入った、、、伊達政男は好きな餃子と醤油ラーメンを頼んだ。。。五郎も同じものを頼んだ。
そのラーメン屋の店内に張り紙があった、、、五郎が見つけて。。
「兄貴、、、トラック譲ります、、って、書いてあるよ。」
「おお、、ラーメン食べたら見に行くか。。」ということになり、、、二人で腹ごしらえをして見に行くことにした。
伊達政男がラーメン屋の店主に聞いてからということで、、、
「そのトラックを売るやつは、俺の友達だから紹介してやるよ。。」
となり、場所も教えてもらい行くことにした。
先方に連絡もしてくれて、その場所にある会社に出かけた。




(9中古トラックが縁で、運送会社の下請けを始める。

伊達政男は五郎と、ラーメン屋に紹介された自動車修理をしている町工場を訪ねた。
「こんにちわ、街道ラーメン屋で紹介されて来ました、伊達と言います、、売りに出てる
トラックを見に来たんですが、見せてもらいますか、、、」
「おう、ラーメン屋から話は聞いている、、、その売り物のトラックはこれだよ、」と言って、
見せたくれた、、、、
そして、運送屋もやっいるので、荷台にはシートが付いていた、、、、シートといってもほろ付きであった。。
伊達政男はトラックは色あせて古いようだったが、、、値段が合えばいいかなと思い、
「いくらですか、、、」と尋ねた。
「兄ちゃん、、、何に使うんだい、、、気にいたら安くするよ」とその自動車屋の人が言ってくれた。、、、
「はい、、、引っ越し屋をやるんですが、、、ほろも付いているのでいいですね、、」
「そうかい、引っ越し屋か、、、仕事はあるのか、、」と、、聞くので、仕事は探しながらだと答えた、、、
自動車修理屋のおやじは、、、
「どうだ、、、うちの下請けをしないか、、、運送屋もやっているので、」と言われて、
伊達政男は乗り気になった。
その自動車修理屋の話に興味をも持って、、話を聞いて、伊達政男はその車を買う気になった。
そして、下請けをしてくれるなら、、20万円で譲ってくれるというので、商談はまとまった。
伊達政男はその自動車修理屋、商店名は「坂東修理紹介」というところから買うことにした。
奇策な店主で、車検も残っているので、代金支払いが済んだら、、、
「今日、車を持って行ってもいいよ。」ということになった。
中古トラックの売買契約もすませた。
名義は変えておくので、必要な書類は届けて置く様にとなり、、、そのあとで下請け契約も
してくれた。
そして、車の修理は面倒を見てくれるということになり、、、伊達政男は五郎と引き上げた。
伊達政男は五郎と買ったトラックと、、軽自動車を運転して帰った。
伊達政男はつくづく思った、、、ついていると、、、自分にも人世運が向いてきたようなと。。。
人生はまじめに、真剣に前を向いて歩いていると、、、努力をすれば、少しづつではあるが、前進するのだと、、、
世田谷の自宅に戻り、、五郎と話をした。。。予算より安く手に入ったので、色あせた、古い車の塗装の相談を、、、自分たちで広告を書き込んで行くことにした。
「五郎、、ちょつとだけ、、、俺たちの夢が前に進んだな、、、頑張ろうな」
と、、、塗装のペンキを買いに出かけた。
その夜は将来の夢を語りながら夜が更けた。




(10)伊達政男と五郎は購入したトラックと軽自動車に名前を書き込んだ。

伊達政男と五郎は購入したトラックに「伊達探偵&運搬コンサル」と名前を書き込み、自分たちでトラックに色付けをした。
同時に宣伝文句を入れた。
「引っ越し専門、、何でも相談、探偵業務を引き受けます、、、そして連絡先電話を書き込んだ」
一日がかりで仕上、その日は二人ともペンキ塗れになり疲れたが、夜はなけなしの金で、外食をして、仕事始めのお祝いの真似事をした。
翌日から、トラックを買った「坂東修理商会」へ行ってこれからの仕事の打ち合わせをした。
坂東社長から運送業務、1週間分の予定表を渡され、指示に従った。
「おはよう、、、仕事は1週間分ずつに分けて予定票を渡すから、自宅から直接にやってくれ、、」
そして、毎日電話連絡をしろよ」
伊達政男と五郎は仕事を始めた。
最初の仕事は、東京板橋から茨城県守谷市までの引っ越し荷物であった。そして、そのあとは守谷市から水戸市、仙台市と泊まり込みの運搬だった。
守谷市の引っ越し仕事は単身赴任の仕事だったが、水戸市の引っ越し仕事は女性の引っ越しで、その女性の仕事は水商売らしく、、、荷物も洋服等が多かった。
そして、その女性の話だと、、、「兄ちゃん、、、ゴミ一つ残さないようにね、、兎に角、引っ越し先が分からないように、、、旦那から逃げるんだから」と、,
荷物の持ち出しに神経を使っていた。
荷物を積んだら、、自分の車の後をついてきてくれと言うのだった。
伊達政男は人世いろいろだと思いながら、その女の車の後をついていった。
行く先は石岡市で、、、途中で食事をしながら、目的地のアパートに着いた。
予定より時間、距離が増えた分は超過料金を貰うことにしたが、料金より多く払ってくれた。
仕事が終わり、、次の目的地、仙台に向かった。
「兄貴、、あんないい女の旦那って、何してるんだろうな、、、金もかかるし、、一人も女がいない奴から見たらうらやましいな、、、」
と、、五郎は話しかけてきた。
世の中、矛盾してる、、、金があれば自分の女房以外に女を作ったり、、、贅沢が出来る。
この世の中、金次第だ、、、なんといっても金を稼がないと思った。
「いや、、、俺は馬鹿なことはしないよ、、、結婚したら、、一緒になった女を大事にして、
家族を守るから
と、、、五郎は言っていた。


(11)伊達政男と五郎は東北へ出かける。
今回の伊達探偵事務所の仕事は、東京板橋から仙台松島の観光明媚な松島のホテル街の一つである、松島観光第一ホ陽テルの跡取り息子たちのおぼちゃま大学である名前も知らない遊び大学を卒業しての帰郷であった。
引っ越し荷物は贅沢なものばかりで、勉学には不必要のなものが多い。
伊達は、うらやましく無いが無駄なような気がした.
伊達の場合は6畳一間の風呂なし、トイレなしの木造アパートであり、実家から布団だけを持ってきた学生生活だった。
引っ越し相手が学生の場合には、どうしても比較してしまうのである。
引っ越しが終わっ後で、その学生の親であるホテル社長の海音寺東寺と会って、挨拶をしながら清算をしてもらった。
その時に頼まれた、、、
「あんた、、探偵もしているのか、、、一つ相談にのってもらえないかな」
と言いながら、身上調査を頼まれた。
伊達は東京に戻らず、資料を受け取り、五郎と二人で始めることにした。
非調査人は「海音寺一郎、、、ホテルの跡取り息子である、本来の調査依頼人は父親の
海音寺東寺であるが、息子の結婚相手の調査をするとともに、息子の大学時代の素行調査も
頼まれたのであった。

「五郎、嫁さんと、息子の調査はどっちからやるかな、、、」
五郎が応えた。。。。
「兄貴、調査対象の嫁さん、、大河内朱美は住まいも親もとも東京目黒だから、調査が早いし、海音寺一郎も大学も下宿も東京板橋だったので、、伊達と五郎は運搬車のトラックで東京へ戻った。
運送会社の元受け、坂東運送の社長へ報告をしてから、二人はいったん成城自宅へ戻り,その夜はゆっくり寝た。
次の日に二人は軽トラックで依頼された二人の人物の調査をはじめた。



(11)伊達政男と五郎は東北へ出かける。
今回の伊達探偵事務所の仕事は、東京板橋から仙台松島の観光明媚な松島のホテル街の一つである、松島観光第一ホ陽テルの跡取り息子たちのおぼちゃま大学である名前も知らない遊び大学を卒業しての帰郷であった。
引っ越し荷物は贅沢なものばかりで、勉学には不必要のなものが多い。
伊達は、うらやましく無いが無駄なような気がした.
伊達の場合は6畳一間の風呂なし、トイレなしの木造アパートであり、実家から布団だけを持ってきた学生生活だった。
引っ越し相手が学生の場合には、どうしても比較してしまうのである。
引っ越しが終わっ後で、その学生の親であるホテル社長の海音寺東寺と会って、挨拶をしながら清算をしてもらった。
その時に頼まれた、、、
「あんた、、探偵もしているのか、、、一つ相談にのってもらえないかな」
と言いながら、身上調査を頼まれた。
伊達は東京に戻らず、資料を受け取り、五郎と二人で始めることにした。
非調査人は「海音寺一郎、、、ホテルの跡取り息子である、本来の調査依頼人は父親の
海音寺東寺であるが、息子の結婚相手の調査をするとともに、息子の大学時代の素行調査も
頼まれたのであった。
「五郎、嫁さんと、息子の調査はどっちからやるかな、、、」
五郎が応えた。。。。
「兄貴、調査対象の、、、嫁さん、、大河内朱美は住まいもよであった親もとも東京目黒だから、調査して行くか、、」ということで調査を始めた。
大河内朱美は慶応大学の卒業で、現在は財務省勤務の妻女であった。
その河内朱美の素行は、調査をしてみると決していいとは言えなかった、、、
身長165㎝の長身でスタイル抜群であり、、、いわゆる容姿端麗である。
男がホッテハ置かない女だ、、、、



12)探偵調査始まる
定時に出勤して、、、定時に退社してた。
しかし、彼女は遊び人だった、、、
白銀台のマンションで独り住まいであり、、、時間は自由であった。
従って、帰宅も自由であり、好きなように遊べた、、、、
伊達と五郎はびっくりした、、、こんな自由な女がいるものかと、、、、
考えてみるとおそろしい、、、
まるで、昼と夜との顔が違うのである。



(12)探偵調査始まる
大河内朱美は、、、、
定時に出勤して、、、定時に退社してた。
しかし、彼女は遊び人だった、、、
白銀台のマンションで独り住まいであり、、、時間は自由であった。
従って、帰宅も自由であり、好きなように遊べた、、、、
伊達と五郎はびっくりした、、、こんな自由な女がいるものかと、、、、
考えてみるとおそろしい、、、
まるで、昼と夜との顔が違うのである。
伊達政男は大河内朱美の素行調査をして、、、調査結果を報告するのが怖かった。
また、、海音寺東寺の息子の一郎の素行調査も散々だった。。。
海音寺一郎も大学はほとんど行かず、昼間はマンションでお昼ごろまでごろごろして、、、午後は遊び仲間とマージャンをしたりして遊んでいた。
夜になると、ディスコ遊びと、バカ息子をしていた、、、、
ゴージャスなマンションに住み、、、スポーツカーを乗り回す、、道楽息子だった。
海音寺一郎には危険な友達がいた、、、やくざの息子で、財善治五郎という男だった。
彼は普段から豪語していた、、、大学を卒業したらやくざ稼業を継ぐと、、、
危ないともだちであった。
従って、この息子の身辺報告も提出するのが嫌だった。
しかし、、、伊達政男は調査が終わると、、、仙台松島の海音寺東寺のもとに報告に言会った、、、、
報告書を提出すると。。。。
海音寺東寺は唸った、、、「やっぱり,そうか、、、ご苦労様」と言って、
謝礼金を渡してくれた。
「伊達君、、、君たちとは大分違うな、、、これを縁によろしくな。。。
いつでもいいから、、、遊びに来てくれた前、、、あはあはーーー」
別れた、、、最後に海音寺東寺は娘のさくらを紹介してくれた。



(13)伊達探偵事務所も運送業始めてから1年が、、、
伊達政男と五郎は、、探偵仕事「身上調査」をしながら、、、運送仕事をしてきた。
そんなある日、以前、依頼された仙台松島の海音寺東寺氏から、、、訪ねて欲しいと連絡があり、訪問した,

一郎の大学時代の友達で、財前五郎とのことであった、、、やくざの息子ということもあって、
注意はしていたのであったが、、、やはり、深入りしていた。
覚せい剤に手を出しのていたのであった、、、そして、ヤクザの息子の財前五郎が逮捕されて、、海音寺東寺の息子一郎は、現在、逃亡中であり、、、
海音寺東寺に助けを求めてきたのであった。
そこで、相談があり、、、どうした
ものかと、、、
伊達政男は早稲田大学法学部卒業で、弁護士を目指している話を、海音寺東寺聞いていたので、相談をしてきた。
相談を受けた伊達は、
「少し、時間をください、、、友達に検事がいるので、調べてみます」
と言って、、時間をもらった、
伊達政男の調査では、、まだ、警察までの話は出ていなかった。
伊達は海音寺東寺に報告した。
そして、息子の一郎を連れ戻し、、、親もとで、しっかり、監督してくださいと、、、今なら間に合うと、、、
伊達は告げた、、、家業をしっかり、継がせて、外に出さないようにと、
覚せい剤に手を出しているので、、、難しいかもしれないが、、、
「海音寺社長、、、よかったら、私が預かりましょうか、、、私のやり方で、
汗を流させましょうか、、、」
ということで、伊達政男が海音寺一郎を預かることになった。



(14)海音寺一郎を預かる、、、
伊達政男は、海音寺東寺の息子を預かり、、海音寺一郎をが運送業の運送手伝いとして、働くことになった。「一郎さん、、、これからは一郎と呼び捨てで呼びますから、、、辛抱してください、、」
そして、運送の仕事はきついですが、頑張ってください、、、と告げてから、、、
海音寺一郎、おぼちゃまを使うことにした、、、まだ、覚せい剤には侵されていなかったので、、
しばらく、労働して、いい汗を流せば、、いい青年になるだろうと。。。
伊達政男は同じ家で、寝起きをして、労働がどんなものかを分かってもらおうとしていた、、、
「一郎、、、仲間の五郎だけど、、、慣れるまでは、見よう見まねで、いっしょにな。。。」
「それから、、、一郎,逃げ出すなよ、、、」
と、伊達は念を押しておいた。
今まで、何もせず、、、遊びばかりしていた、、、一郎にはからだを動かすことだけでも、きついはずであった、、、それでも、伊達政男も動かした。
自分たちも動いての労働なので、、、泣きそうになりながら一郎も踏ん張った。
仕事が終わって、家に帰ると、一郎はダウンしていたが、、、五郎が励まして、一緒にご飯の用意をしていた、、、
次の日も次の日も、、、運送の労働だった。
伊達から見ても辛いと思った、、、しかし、今までの付けがきたのだと、、、一郎に言いながら、
励ました、、、、
一郎も汗まみれになって働いた、、、、
運送の仕事も1年が過ぎたころには、、一郎の遊ぶ癖も取れた、、、




(15)突然、訪れた過去の付け
伊達政男のもとで、汗まみれになって働いていた海音寺一郎に降ってわいたような、、偶然が起きた。
東京都内で引っ越しの仕事をしている時だった、、、、
「おい、、、一郎じゃあないか、、、久しぶりだな、、」と声をかけてきた男がいた。
かつて、ヤクザの息子、財前五郎のところで覚せい剤の売人をしていた、、、太田三郎というチンピラやくざだった、、、
海音寺一郎は、、、内心、嫌なやつと会ってしまったな、、と、思ったが、、、
その時、伊達政男が助け船を出した。
「いえ、、、違いますよ、、、人違いでしょう、、、」と言いながら、
伊達政男は「ぼやぼや、、するなよ、、、真剣に荷物を運べよ、、」と怒鳴りつけて、、、一郎を五郎のもとに行かせた。
伊達政男は出来るだけ一郎が、、、、過去の知り合いとはちかずけないようにしていた。
相棒の五郎も気が利いていて、、、そんな場合はには素早く,一郎を別の仕事に振り分けて、遠ざけた。
その仕事場を離れてから、、、一郎に、、、、
「出来るだけ、、過去とは触れ合わないように、、、特に、悪友には近 づかない」ということ、、、念を押していった。
避けられることは出来るだけ避ける、、、災いに近付かないとい叩き込んでいった。
しかし、、、どこで調べたか、、、それから数日が経ってから、、財前五郎が海音寺一郎を尋ねてきた。
伊達政男の自宅に、、、前触れもなく、海音寺一郎のもとに、、、
「しばらくでした、、、一郎さん、、、元気でしたか、、、いろいろ、迷惑を掛けました、、、本当にすいませんでした」
と、、、挨拶をしながら、、、近付いてきて、、、、
「一郎さん、、、私の関係者があなたに迷惑をかけることは決してありませんから、、、心配しないでください」
と、、、約束をしてくれた。
そのあとで、、堅苦しい話はやめて、、、
「なあ、、一郎、本当に久しぶりだな、、、友達として、また、つきあってほしいよ。。いいだろう」
一郎も「あーあーそうだな、、、宜しくな」と、二人は肩を抱き合っていた。
それを見ていた伊達政男も頷いていた、、、
仕事ばかりの一郎に、明るい日がさしたようだった。



(16)仕事が修行の一郎だった

仙台松島の海音寺東寺から息子の一郎を預かって一年が過ぎた、、、大分、一郎も肉体労働に慣れ、、汗を流すことが苦にならなくなってきた。。。
「一郎、、、久しぶりに休みを取って、、親父さんに会いに行ってくるか。。」と、、伊達政男が声をかけた、、、
しかし、一郎は首を縦には降らなかった、、、
「兄貴、、、まだまだだよ、、、俺の体に染みついた遊び癖は取れてないよ、、」と、一郎は兄貴分の伊達に頷かなかった。。。このころから、、、一郎は伊達政男を兄事と呼ぶようになっていた、、、
そして、五郎とは兄弟分のような仲になっていた。
仙台の親もと、、、海音寺東寺からは度々、連絡が入っており、、伊達政男は報告をしていた、、、しかし、、一郎は自分が納得していなかったのである。
人とは変わるものだった、、、ましてや、、人間本来の持つ本質的な人間性は、たたけばたたくほど、、光を戻すものであった。
もしかしたら、、、一郎にはそれがあったような、、、何か「光る」ものがあるようだった、、、
そこで、伊達政男は海音寺東寺に頼んだのであった。
一郎をあと2年間預からせてほしいと、、、「男にして返します」と、、、
約束をして、、、一郎を預かることにした。



(17)悪友現れる、、、一郎の前に立ちふさがる
伊達政男が請け負った引っ越し仕事の中で、、、水商売の女の引っ越しがあった、、、引っ越すわけを聞くと、、、今のパトロンから逃げ出すというこただった、、、、伊 達達にはひつこす理由はどうでもよかった、、、、しかし、訳を聞くとそうも言っていられなかった。
彼女の話だと、、、不動産会社の経営者であり、、、現在住んでいるマンションの持ち主でもあったので、、、信用して付き合ったのであった。
しかし、一緒に住んでいるうちにわかったことがあった、、、中身はやくざの親分だった、、、
そして、人の出入りが多く、、、彼の身内の子分たちも出入りが多くて、、、食事の支度などもさせられていた、、、、最初と話が違うと思い、、、逃げ出す計画を立てたのであった。
その引っ越しの相談を受けたのが、、一郎であり、、情にほだされて、、、その計画を手伝うことにしたのであった。
引っ越す日時も決めて、、、男の旅行中に段取りをしていた、、、
そして、引っ越しは旨く行った。
しかし、、、男が帰った後からがひどかったというか、、、問題が起きた。
その男の子分に、過去の一郎を知っているものが居たのであった、、、覚せい剤を扱っていて頃の悪友であったのが、、、彼の子分にいたので、、引っ越し業者がバレたのであった。
そこから、探し当てられて、その男たちに乗り込まれたのである、、、
一郎には大学時代の友人で財前五郎というやくざの息子がいたが、、、彼の父親も関東連合桜会の組員であった。
しかし、、同じ関東連合桜会であっても、末端組織は別だった、、、、それでも、大林大三が女に逃げられた噂は出ていた、、、、その噂を聞いた財前五郎は心配になって、、、一郎のもとを訪ねた。
財前五郎が心配していた通りに、、、大林大三の子分たちが、一郎のもとに来ていた。
対応に出た伊達政男は毅然として、、、ヤクザたちに敢然と言い切っていた、、、お客の引っ越し先は教えられないと。。。。
そこで、問題が起きた、、、大林大三が乗り込んできて、ヤクザを表ざたにしてきたのであったが、、、
伊達政男も引き下がらなかった、、、、
「やくざが怖くて、、、引越し家業はしてられないよ、、、どうぞ、、、何でもしてください、、、
俺たちも、ただ、、、黙ってはいられないから、、、」と啖呵を吐いた。
そんな押し問答をしているところへ、、、財前五郎が尋ねてきたのであった。
「あれ、、、五郎か、、、なんでこんなところへ来たんだ」
と、、、大林大三が聞いてきた、、、
「実は、、ここのひっ越屋は知り合いなんでねーー」と割り込んできた。
「そうか、、、都合がいいや、、、中に入って、、、話をまとめてくや」と言い出した。
困った財前五郎は切り出した、、、、
「今回のことは、、俺に預けて欲しい。。。それで、今日はひいてほしんだけどな」
と、、、いったん話をあずかって、纏めた。



(18)丹波の浅田きみえが上京してくるという、、、
久しぶりに丹波の浅田きみえから連絡が入った、、、、
「もしもし、、、政男か、、、元気でやってるか、、、来週そっちへ行くから、、、駅まで迎えを頼むよ」
と、、、約束をさせられた。
問答無用であった、、、、仕方がないか、、、世話になってるおばさんだからな、、、
今回の上京の用件は、、、「墓参」だった、、、浅田きみえの亭主の浅田武夫の墓参りだった。
亡くなって10年目のことだった、、、余りにもご無沙汰をしてしまい、、、少々気にはなっていたためである。
亡くなった浅田武夫は極道であり、、関東連合会の会長をしていた、、、そのために、、、関東連合の子分たちが墓参りや墓掃除などは常に心掛けていたので、、、きれいに整えられていた。
墓参りに連れ添った、、、伊達政男は改めて驚いた、、、浅田きみえばあさんの亭主がやくざだっということに、、、
伊達政男は思った、、、「道理で肝っ玉が太いと、、、自分の家をぱっとくれたりしてと、、」
やっと、、得心が偉られた。
「わしはな、、、仰々しいのが嫌いなんだよ、、、一人で墓参りがしたいだけなんだ、、、と」きみえばあさんは伊達政男に漏らした。
「今日はみんなに、、、美味しいものでもご馳走するから、、、何でもたべてくれよ、、、」と言って
赤坂の高級寿司屋に連れて行った。
「ここはな、、、爺さんが好きで、、、よく食べに来たんだよ、、、懐かしくなってな」
「いらっしゃいまし、、、浅田の姉さん、ご無沙汰していました、、」と寿司屋のおやじが挨拶をしてきた、、、
「浅田のねえさん、、奥に大林組の組長さんがみえてますよ、、」というと、、、
浅田きみえは、、、「しーー」と言って口止めをした。
いかし、、浅田ねえさんが来ていることは伝わってしまっていた。
奥から大林大三がでてきて。。。「姉さん、、、人が悪いですね、、、ご無沙汰いています、、元気なようで
何よりです、、、今夜のこの席は持たせてもらいますから、、ごゆっくりしてください」
と挨拶をしてから、、、大林大三も気が付いた。
「姉さん、、、お連れの方は知り合いですか。。。」と。。。
浅田きみえは答えた、、、
「わしの息子みたいなもんだよ、、、なんか文句でもあるのかな」
「いえ、、、とんでもないです、、、少しだけ知っているだけですから」
と、、ぼかして、、奥の座敷に消えていった。
大林大三は内心、これはまずいと思った。
案の状、、、後から問題が起きた。


(19)大姉御「きみえばあさん」
伊達政男たちが気軽に、「ばあちゃん、、、」と呼んでる浅田きみえさんが、関東連合桜会の初代会長、浅田武夫の奥さんだったのである。そんな世界の人とは知らないで、、、今まで付き合ってきたのであった。
伊達政男たちが関東連合桜会の大姉御の知り合いとは知らなかったので、、、これは「まずい、、」と、大林大三は舌打ちをした。
大林大三は、たかが女のことで問題を起こすわけにはいかなかった。
ひとまず、、、初代会長の大姉御の知り合いなので、、、逃げられて女のことは諦めたのであった。
伊達政男たちが逃がした女のことに関して、海音寺一郎がしでかした勇み足は、、、浅田きみえばあちゃんが、、とんでもない大姉御だと分かった時点で、、、ご和算になってしまった。
浅田きみえばあちゃんに事情を話したら、、、理解してくれた、、、そして、、大林大三の女の件は忘れてもいいと、、言ってくれた。
「ばあちゃん、、、すごい人なんだね、、、今まで、生意気な事ばかり言ってしまって、ごめんなさいな、、、」
伊達政男はばあちゃんに言った。
「もっともっと、、、大事にしないとな、、、親孝行じゃあないけど、、、ばあちゃん孝行するからね、、、」
その日のお寿司は格別旨かった、、、
「ばあちゃん、、、今日はごちそうさまでした」
浅田きみえばあちゃんを囲んで、楽しい、美味しい食事をしたのだった。
伊達政男は思った、、、本当についている人生だと、、、そして、、、一郎の父親の海音寺東寺との出会いも運のいい、出会いだった。
浅田きみえはその夜から1週間ほど滞在していた。
そして、、、折角東京へ出てきたのだから、、、どこか、温泉旅行でも行きたいと言い出した。
ついでのこともあり、、、海音寺一郎に里帰りをさせながら、、、仙台松島へ案内させることにした。
その温泉旅行の話をしたら、、、松島の海音寺東寺が、、久しぶりに休みを取って、みんなで社員旅行に来ればということになった。
伊達政男は海音寺東寺の言葉に甘えることにした。

 

(20)探偵事務所伊達政男たちが、、久しぶりの休みを取って松島への社員旅行へ、、、
「大事件勃発、、、東日本大震災が起きた、、、3月11日」

伊達政男たちが松島への社員旅行を計画していた、、その時に「東日本大震災」が起きた、、、その日のテレビニュースは大騒ぎでた、、、
海音寺一郎の実家のホテルも被害にあっていた、、、名勝地である松島も、、、260ある島々もがけ崩れなどの被害にあい、名勝の一つである長寿穴が無くなっていた。
また、伊達政宗の瑞巌寺の一部も破損が生じていた、、、海音寺一郎の実家のホテルは破損はあるが建物自体にさほどの被害はなかった、、、
海音寺一郎は家族の無事を確認してから、、、急遽帰宅することになった。
伊達政男も驚いたが、、、「一郎、、とりあえず帰って来い、、、」
「いろいろ手伝うこともあると思う、、、俺たちもあとから行くから、、」
と言って、、、一郎を急いで帰らせた。
浅田きみえばあちゃんを温泉旅行に連れて行くところではなくなってしまった。
「政男、、、これからは人手がいるだろう、、、丁度いいよ、、、あの大林大三は建設業と廃棄物処理業をしているはずだから、、、使うといいよ」
と、、きみえばあさんは、自分で決めていた。
「政男、、、なんか忙しくなりそうだ、、、しばらく東京にいることにするよ。。あははあはは、、、」楽しそうであった。
伊達政男も一郎を松島へ行かせて、、、五郎と松島へ行く準備をした。
今回の東日本大震災の後始末は忙しくなるなと感じていた。
きみえばあさんの言う通り、、、人ではいくらいても足りないだろう、、、まずはボランティアから始まることにした。
そして、、先に行かせた一郎と連絡を取り、、、寝どまりするところを確保して
松島や福島へ乗り込もうと考えた。
松島へ行く前に、、、きみえばあさんの力を借りて、、、関東連合会の大林大三に会うことにした。



(21)伊達政男、、ボランティア活動に動く

きみえばあさんの立ち合いで、関東連合会の大林大三に会った、、、しかし、すでに東日本大震災のことは知っており、、情報は早く伝わり、、後処理の段取りは始まっていた。
日本全国のやくざ社会の産業廃棄物処理の廃棄物の争奪戦はすでに動いていた、、、
従って、関東連合会も活発に大林大三が指揮を執っていた。
きみえばあさんの紹介が無くても、、、協力できるところは協力しようということになった、、、
伊達政男は一郎と連絡を取り、、、現地での宿泊所をホテルの一室にして、松島へ乗り込んだ。
一般のボランティア活動は、いろいろな規制があって、3月ごろからのあとかたずけが始まることになった。
伊達政男たちはホテルに関わる片付けを始めた。。。
海音東寺社長が、今回の伊達政男たちの行動に感謝をした。
「伊達さん、、、今回は本当にありがとう、、、一郎も見違えるように変ったようなきがする、、、家に帰ってからの、行動に見え針があって、、よく動いてくれるよ、、、本当にありがとう」
心から喜んでくれる海音寺社長の笑顔が嬉しかった、、、伊達政男だった。
まずはホテル内の片づけをして、、、ホテル周辺の片づけをしていった、、、そんな片付け、清掃に一生懸命な息子の一郎を満足そうに眺めていた海音寺東寺社長も、、、自分で動き始めた。
きみえばあさんも東京で一人ではいられずに、松島まで出てきた。



(22)再開、、、偶然の再開、、、不思議な人の巡りあわせ

きみえばあさんが東京から松島まで出てきた、、、少し、東日本大震災の
後片付けが落ち着いてきたころだった。。。
まだまだ、、東北の各地の街には瓦礫が、、家財道具が散乱はしていたが、、、ボランティア活動により、、、さらにはごみ処理業者たちによって片づいてはきた。。。
世界各地から日本全国からのボランティアの人々によって、東北の各地は復興が始まった、、、新しい街づくりである。
そんな松島へ来た、、、きみえばあさんは驚いた。
海音寺ホテルの社長に紹介された、、、きみえばあさんは、海音寺東寺社長に会って、、過去において知り合いだったことに驚いた。
余の懐かしさに、、さらに驚いた。
昔と言っても、、まだ、二人とも独身時代のことだった。
本当に偶然の再開だった、、、きみえばあさんが東京でクラブを経営してた頃の話だが、、、馴染み客だったのであった。
それも親しい間柄であった、、、
「びっくりしたわ、、、東寺さんだったとは、、、世間は狭いわね、、」
40年前の知り合いとは、、、不思議な巡り合わせだったと、、二人とも昔を懐かしく、、話に花が咲いた。
きみえばあさんが来た夜は、、、東寺社長の家族と、伊達政男の仲間がひさしぶりに笑顔で食事会が出来た。
伊達政男たちと海音寺一郎の働きで、、ホテルも再開できたのであった。



(23)東日本大震災(3.11)も落ち着いて、、東北に復興の光が、、

東日本大震災【3.11】から10年が過ぎた。
海音寺ホテルも復興の波に乗って、、、元の海音寺ホテルに戻った。
海音寺一郎もホテルに復帰して、、一人前のホテルマンとして働き始めていた。。。
海音寺東寺は以前から、伊達政男に興味を持ち、、その人柄に惚れこんでいたので、、、今回の
きみえばあさんに頼んで、、娘「さくら」の婿養子になって欲しいと頼み込んでいた。
「きみえさん、、頼みがあるんだが、、、昔よしみで伊達さんに頼んで欲しいんだよ、、、」
と、、娘さくらの婿養子にと、、、
きみえばあさんもその話には満更でもなく、、、ひと役買って出たのであった。
松島に滞在している間に、、、
「政男、、お前、、海音寺東寺の娘、さくらをどう思う。。。と聞かれ、、、
「それはいい娘さんですよ、、、どうかしました、、」と、
問い返されて、、、きみえばあさんも困った。
「面倒くさいな、、、早い話がだ、、、嫁さんにどうかということじゃあ。。」
「ええ、、、どうかと言われても、、、俺にはもったいないよ、、、」
と、、、照れくさがっての返事だった。
「わかった、、、良いんだな、、」と、きみえばあさんは伊達政男の気性を知っていたので、、
話をトントン拍子で纏めてしまった。
海音寺一郎は勿論、、、兄貴のような政男が妹さくらの婿養子になることにもろ手を挙げて賛成した、、、弟分の五郎も喜んだ、、、
そして、、きみえばあさんの仲立ちで、、伊達政男と海音寺さくらは結婚することになった。


24)伊達政男、、、復興も始まり、東北の地方行政が再建に本腰を入れた。。

地震もおさまり、、津波の後片づけも進んで、いよいよ再建計画の街づくりが動き出した。
伊達政男もボランティア活動をしていたので、片付けの為のトラックなどを用意していた、、、
そして、今回の関東連合会の大林大三も再開発事業に乗り出したのである、、特に土木事業を得意としていたので、福島に会社を設立して本格的に町の区画整理などの工事を入札で請け負いはじめた。
そんな時に松島の土木工事に来ていた、大林大三にさいかいしたのである。。。
たまたま、、「海音寺ホテル」に泊まった大林大三ときみえばあさんが出会い、、、
「おい、、大三、、お前なんで、このホテルにいるんだ、」と、なって、その晩は海音寺ホテルで食事をしたのであった。
そして、、伊達政男もその席に呼ばれて、、食べながら,飲みながら話が弾んだ。
大林泰三はやくざではあったが商売人であり、、今回の東北復興の土木事業を広範囲に請け負っていたのである、、、関東連合会の会長としての地位を利用してのことであった。
それが縁で、伊達政男は土木事業の一部を、、きみえ婆さんの顔で請け負ったのである。
そして、、そのきっかけで土木仕事を覚えた伊達政男であった。
大林大三とは始めからの出会いで、、なんとなく気が合うものがあり、、きみえ婆さんの縁結びで、
その付き合いが深くなったのである。
また、大林大三も伊達政男が嫌いではなかった。



25)土木や伊達政男誕生、、、

ヤクザではあるが土木工事にプロである、、、大林大三について土木仕事を学び、、現場に立って生コンを打ったり、コンクリートブロックを組み立てたり、穴を掘ったりした。そして、建設機械の講習を受けて免許を取得して、現場作業を覚えた、、、また、大型トラックや特殊車両の免許もとり、、作業員との人間関係も旨くいき、、弟分の五郎も伊達政男と一緒に作業に必要な免許関係を取得して附いてきた。
天気の良い日は外で,ねじり鉢巻きで肉体労働をしていたので、二人とも真っ黒に日焼けをしたが、、元気に動いていた。
現場によっては「現場宿(飯場)」に泊まり込みの時もあった。
伊達政男も五郎も力仕事が嫌いではなかった、、、そして、現場で働くうちに仕事の流れを覚えて、、政伊達流システムを考案したのであった。
そうすることにより、現場作業員を効率よく動かせて、作業員にも会社側にも利益還元でもよかったので、、、大林大三には歓迎された。
大林大三と伊達政男は年も離れてないので、仕事の出来る伊達政男が好きだった。
「政男、、、お前、各現場の総監督してくれ、、、」と、、大三が頼むと、、、
「まだまだだよ、、、もっと、経験を積まないと人を使いこなせない、、もう少し時間が欲しい」
と、、伊達政男が言うと、、
「いや、、大丈夫だ、、やっているうちに慣れるから、、やってみろ、、それと五郎を助手、に使ってな、、その方がお前もやり易いだろう、、」と、、五郎を付けてくれた。
そんなことで、伊達政男は大林大三の会社「大林土木工業(株)」の現場総監督に就任したんである。
伊達政男もこの土木仕事「復興事業」が好きだった、、そして、ヤクザであるが、大林大三が好きだった。