〇娯楽サスペンス物語「男一匹駄目な奴」 献残屋藤吉

1)警視庁の駄目な刑事「羽目田長次郎」

警視庁生活安全課の「羽目田長次郎警部補」は何をしてもドジをして、警視庁刑事仲間、仲間外れにされていた。
仕事は半人前と言われながら、、、時間が来ると帰宅の支度をして、、規則正しく帰っていった。
そして、遅刻することなく毎日、決まった時間に出所していた。
人間としてはおとなしく、、、何でも几帳面にこなす、何事にも「はい、、」と言って、上司にも逆らわずに、警察署内では便利な男、、だった。
そして、個人的な付き合いは誰もしていないので、、、私生活に関しては分からなかった。
帰宅後のプライペードな付き合いは誰もなく、、、友達関係の話も聞かなかった。
家族もなく、独身なので不思議な男だった。
そして、不思議なことに酒も飲まず、、賭け事をするわけでもなく、、、女遊びをすわけでもなく、、、
まったく不気味な男だった。
しかし、、羽目田長次郎警部補が警視庁生活安全課に着任してからけいさつに、時々、怪事件が起きていた。
それは時々,通り魔殺人事件であった。。。犯人はなかなか検挙出来なかったが、、、被害者はすぐに割り出された、、、それは、
被害者が過去の指名手配中であったり、、現在、捜査中の凶悪犯人だったりしていたからであった。
警視庁殺人課でも捜査課長直々の言い伝えもあったが、、、その捜査は一向に進まなかった。
捜査が進まないばかりが、事件が解決する前に次の通り魔殺人事件が起きているのであった。
警視庁内部でも問題になり、、、「これは警察に対する挑戦だ」と、、言い始めてきた。
警視庁上層部でも騒ぎ始めた。

 

 

2)通り魔殺人事件

今回の通り魔殺人事件は、その捜査が進まないで警視庁内部でも問題視していた。
捜査一課だけではということで、都内警察全体に捜査の手を広げていった。
その結果、、、生活安全課にまで、捜査を手伝うようにと指示が出たのであった。
生活安全課の安田課長は、、、
「まったく、、、捜査一課や殺人課は何をしているんだ、、、しみじみ捜査しろってんだ」
と、、、自分たちに回ってきた仕事にいらいらしていた。
「おい、、、羽目田警部補、、、あんた暇だろう、、、通り魔殺人事件の捜査に当たってくれや、、、毎日、報告をしてな」と、、、
生活安全課で暇な羽目田警部補に仕事を振った、、、
羽目田警部補、、、半人前と言われる男に通り魔殺人事件の捜査が振られたのである。
「はい、、、分かりました」と言って、 
通り魔事件の捜査本部が開設してある、事務所に出かけていき、、、捜査状況を聞いてきた。
そして、、生活安全課の安田課長に報告してから、、、捜査と称して出かけた。
羽目田警部補は、、、外に出てから、いつもの定食屋「八千代」に出かけ、、、早めの昼食をとった。
「馬鹿野郎ってんだ、、、俺に仕事なんか振りやがって、、、捜査なんかうるかよ、、、」
彼は初めから捜査なんかする気はなかった、、、
「いくらな、、、捜査なんかしたって、、、犯人は捕まらいよ、、、バカばっかりだものな、、
警視庁のお偉いさんは、、、本当に馬鹿だからな。。。」
と、、羽目田警部補は独り言を吐いていた。
「定食屋八千代」の縄のれんを潜ったら、、、おかみの八千代が、、、「半ちゃん、、、いつものやつだね、、さぼりかね、、、ふっふっか、、、」
と、、、熱燗を一本つけて、出してくれた。。、
いつもの羽目田警部補のお決まりな捜査コースのようだった。



3)羽目田警部補はさぼりや刑事

羽目田警部補は警視庁の業務である、、、生活安全課の仕事はほとんどしたことがなかった。
自分では市中見回りをしていれば「いいと、、」思っていた。
管轄である管内というか、、、丸の内や千代田区内の巡回だけはやっていたので、、、管内での顔だけは広かった。
ただし、、ビル街だけなので、サラリーマンだけが通り過ぎて、街の顔らしき顔は無かった。
東京駅前の一角にある飲食街だけが少しだけ「東京の顔」を覗かせていた。
昼は定食屋が一斉に開いて、、、八重洲付近のサラリーマンが賑わっていた、、、なんの変哲もない飲食街である、、、およそ、殺人事件など起きそうな場所ではなかった。
そんな飲食街の一角にある「八千代食堂」で昼間から、酒を飲んでいた。
誰一人、すれ違っても知らないといった顔で、歩いて、食べて、また、会社に戻って机に座ったいた。
そんな街で「聞き込み」をしても無駄だった、、、誰も知らないと答えるだけだった。
そんな無情な世間の風を知っていた羽目田警部補「ダメ男」は酒を飲んで時間を潰していた。
そんな昼間の街角で事件が起きた
ダメ男の羽目田警部補は慌てた、、、酒を飲んでいたので、、、
事件が起きた現場には人盛りが出来ていた、、、飲食店の客同士が喧嘩になり、一人の男が包丁で刺されて倒れていた。
人だかりはサラリーマンばかりで、右往左往していて、、、誰一人として救急車をよんだり、警察というか近くの交番に知らせることもしないで、、、
「きゃあーー」とか「大変だ、、」とか騒ぐだけだった。
駄目男の羽目田警部補は警察官の端くれだった、、、
救急車の手配と近くの交番に手配をしていた。
自分も生活安全課の刑事なので、、することはした
この昼間の東京駅前の飲食街で起きた殺人事件が後日、大きな事件に発展していった。
その喧嘩相手の殺傷した犯人が、とんでもないことを言い出したのであった。
最近起きている通り魔殺人事件の犯人は俺だと、、、




4)通り魔殺人事件の偽犯人

羽目田警部補「ダメ男」はびっくりした。
最近騒いでいる通り魔事件の犯人は「俺だ」と言い出した男を見て、、、なんて野郎だと思った。
その男が通り魔殺人の犯人であるわけがないと、、羽目田警部補は知っていたから、、
しかし、「俺が犯人だ」と叫んでいるので、、とりあえずはその男を確保した。
それだけで噂になり、、、「生活安全課の羽目田警部補が、、あのダメな男が通り魔殺人を逮捕したと」となってしまった。
警視庁が躍起なって探している、、、追跡している殺人犯を逮捕したと
いうことになり、、、大騒ぎになつた。
しかし、、実際に逮捕して取り調べをしていくうちに、、通り魔殺人事件の犯人とは違っていた。噂の話はやっぱり噂であって、、、警視庁のダメ男と言われている警察官に、犯人逮捕などが出来るかということになった。
生活安全課の人たちも、事実と違い噂だったので、、、なぜかほっとしたのであった。
「そうか、、、間違いだったか、、、そうだよね、、」
と、、できることが無いとおもっていたので、、、



5)ダメ男のいいところ、、、

警視庁生活安全課の羽目田警部補が「ダメ男」と言われる所以、、、それは、仕事が出来ないが毎日決まった時間に出勤して、部署内の清掃をすることことであった、、、そして、部署内に勤務する人たちに心を気持ちよくすることであり、、、朝のお茶が旨く飲めるために準備してやることであった。
ダメ男には違いないが、、、仕事始めの姿勢を正すためには、、いい刺激剤でもあり、、仲間から「ダメ男」には違いないが、、便利な「心の準備男」でもあったのである。
生活安全課の安田課長などは朝の体操を任せているほどであり、、同課の人たちからは愛せられて人間であった。
仕事は目立った成果は無いが、、、生活安全課にとっては、なんとなく必要な男だったのである、、、羽目田警部自身もそれでいいと思っていた。
警視庁生活安全課においては目立ちたくなかったのである。
ただ、羽目田警部補は警視庁内部または警察が取り扱っている事件情報については、よく熟知していた、、、部内の仲間が管内での事件のことを、それとなく聞くと、、いつも詳しく説明してくれる「物知り」でもあった。、
そして、担当しているわけでもなく、、事件内容を理解して知っていたのである。
時には安田課長などは、「本当はとんでもなく利口で馬鹿なふりをしているのではないかと、、」思うことがある。
一つ言えることは、周囲をというか、世の中を警視庁関係の事件を良く勉強していることであった。
特に今回の「通り魔札事件」のことになると、、、細かい事情をゆくしっている。
まるで事件を見てきたようなことをいう時があった。
今回も間違って逮捕してきた男は「通り魔殺人事件の犯人」ではないようなことを言っていたので、、安田課長は不思議だなと思ったことがある。
しかし、普段から「ダメ男」と言われているので、、気にもしていなかった。
そんな風に見た安田課長の目は正しかった。




6)ダメ男酒屋で、、、

いつも行く「八千代食堂」で、、、昼間は定食屋で、、、夜は居になるのである。
その居酒屋で八千代ママとカウンターで好きな日本酒を冷で飲んでいたら、見慣れない男が一人で入ってきて男一匹駄目男の羽目田警部補がつぶやいた、、「へー冷で飲むやつもいるんだ、、、」と、、
カウンターで飲む男に聞こえたかどうsiおうかは知らないが、、軽く会釈をしてきて
にこーって笑った、、、なんとも人なつこい顔だった。
それでダメ男も軽く頭を下げた、
それを見ていた八千代ママが、、、
「二人とも一人なんだから、、、一緒に飲んだら」と言ってくれた。それでなんとなく、二人並んで酒を飲んだ。
無口な酒のみであったが、気が合ったのかぼそりぼそりと話を始めた。
話を聞くと、その男は青山と言って、「精神科医」であると、、、ダメ男は警察関係の務めで事務官をしているといった、、、さすがに刑事とは言えなかったのである、、、名前は「羽目田」と言います、、仲間はダメ男と呼んでいますと。。「よろしくお願いします:」と挨拶をしたにである。
この「八千代食堂」にはいつもいますので、、、俺はいつでも相手が出来ますよ、、、酒のみですけどね、、、
ということになり、、、この日を境に一緒に飲むようになった。



7)ダメ男、八千代食堂で青山精神科医と飲む時が楽しい、、、

羽目田警部には人と時間を過ごして、、酒を飲みながら過ごすという楽しみがなかった。
いつも一人で「八千代食堂」で冷のコップ酒を飲んでは家に帰るという日課であったのである。
週に一度くらいは飲みに来なかった、
不思議な生き方のような気がしていたのである、、、、八千代食堂の八千代ママに言わせればしみに生きているんだろうと思っていた。無口でカウンターで黙ってコップ酒を5杯飲んだら帰るのだった、、、家に帰っても一人なので、、、何をしているのだろうと。。。
それで青山精神科医が来た時には幾分か顔がほころんでいたのである。八千代ママから見てわかるのであった。来ないとわかるとなんとなく沈みがちで酒が進まないようだった。羽目田警部補には秘密があったのである、、、、
別れた妻の一人娘が会いに来てくれるのだった。
土曜日の晩に、、、泊りがけで食事をするので、、いつも土曜日には早く帰って羽目田警部補は用意をするのだった、、、
羽目田警部補の娘さんは祖母の家で厄介になっていたのである。
羽目田警部補の妻はある事件で殺されてしまったのだった。、、、その事件には羽目田警部補もからんでいたんで、、、それから、警察の仕事には熱がはいらなくなくなり、、、ダメ男になってしまったのである。
しかし、、、娘さにはいい父親であり、、、好かれていた。
娘の名前は「すみれ」といった。




8)ダメ男の本意は。。。。

羽目田警備補はもともとは警視庁の敏腕けいじであり、、将来を期待されていたのである。
しかし、ある事件がきっかけとなり、、、ダメ男になったしまった。
それでも一人娘の「すみれ」には優しく、、素敵な父親だったのである。
土曜日の夜は娘「すみれ」の為に,彼女が好きな、ハンバーグやオムライスを一生懸命に作って、来るのを待っていrのであった。
そして、、、そん挽は楽しく二人ですごすのである。
「お父さん、、お父さんの作るハンバーグかすごくおいしいよ、、、ありがとう」
という娘が愛おしかった。
「お父さん。。。いつまでも私のお父さんでいてね、、、うふっふと」笑うのである。
「当り前だよ、、、お父さんにはお前しかいないからな、、」という親子の会話がいつまでも響いていた、、、ダメ男の羽目田警部補には願っていたのである。
大事な妻のさゆりを失った日のことを思い出すのだった。
羽目田警備補には後悔しても後悔しきれない時間があったのである。
羽目田警部補が犯人を追い詰めたいた時に、、、その場所に、妻のさゆりが来たのであった。本当に偶然であったので、、、彼女を助けることが出来なかった。
追いかけた犯人が妻さゆりのいる方角に走り、、、かちあってしまったのだった。
そして、拳銃を持った犯人の人質になってしまい。。羽目田警部はその場に立ちすくんでしまったのである。
その時に後方から追いかけえ来た警視庁同僚の刑事が、犯人めがけて拳銃を撃ち放った、、、撃った拳銃の銃弾は犯人に命中したが、、、犯人は倒れずに、人質を離さなかった。
そのために犯人は羽目田警部補の妻さゆりを撃ったのであるから、、堪らない、、胸を撃ち抜かれて、その場に倒れた。
羽目田警部補は、、「ああ、、、」叫びながら、夢中で妻さゆりに駆け寄って抱き上げた。
彼は犯人から撃たれるなどという心配はかけらも見せずに、、ただ、妻さゆりを抱きしめたのである。。。打った犯人は同僚の刑事たちに取り押さえられたが、、、妻さゆりは即死状態で息が絶えた。
羽目田警部補は吠えた、、、しかし、同僚の刑事たちを責めることは出来なかったのである。
あくまでも過失であり、、偶然の出来事であり、、、防ぐことが出来なかったからだ。
自分が刑事であったために、大事な妻さゆりを守ることが出来なかったことに、、憤慨したのであった。
刑事という仕事に、自分の至らなさに悔しさを覚えたのである。。
その事件から、、、妻さゆりの葬儀を済ませて、彼は警視庁殺人課部署から移動を願い、、、現在の生活安全課に配置になった。
羽目田警部補は本当は警察を辞めようとまで思ったんであるが、彼は刑事より何もできない自分を知っていた。
そして、一人娘の為に、まだ、小学5年生「すみれ」の為に生きなくては、妻さゆりにすまないと思い。。給料泥棒をしているのだった。



9)妻さゆりの思い出

羽目田警部補は時々思い出すのであった。夜、寝苦しいときなどはあの時の事件現場が浮かんでくる、、、
そして、いつも後悔そているのだ、、、どうしてあの時にと、、、戻れるものなら戻して欲しい。。。、、、
羽目田警部補とあの事件にいた、、、同僚刑事の黒田警部は出世をして、警視庁刑事課第一係長になっていた。
黒田警部は時間がある時には、生活安全課の羽目田警部補を訪れた。、、、
そして、羽目田警部補を誘い、食事に出かけたのである。
「羽目田、、、二人の時には黒田でいいからな、、、たまには酒でも飲みに行こうや、、、いつもの八千代食堂へは言ってるのか、、、懐かしい」
と、、、語り掛けて。。。。
「いつも反省してるよ、、、、本当にすまなかった、、、謝って済むことではないけどな、、、」
と、、頭を下げて謝った黒田であった。
そして、、「何を今更言うんだよ、、、仕方がない。。。あの場合、、、逆だったら俺だってそうしてたよ、、、もういいから、謝るな」
と、、言ってくれた羽目田警部補に心から黒田は頭を下げた。
今までに何度も、、、会うたびに黒田は頭を下げていたのである。
久しぶりに黒田警部と食事をした後で、、八千代食堂で飲む約束して別れた。
羽目田警部補はいつもすまないと思っていた、、、それは、同僚の刑事である黒田警部に負い目を追わえていることだった。
彼とは警察学校も同期で、、、将来を共に誓っていたむいちど仲間であるから、、、
彼に精神的な負担をかけてしまったことに済まないと反省しているのであった。
そして、、、自分の不甲斐なさに、羽目田警部補は腹が立っていた。
どうして、、、仕事に打ち込めないのかと、、、いつまで,亡き妻さゆりの亡霊に拘っているのかと、、、
きっと、亡き妻は怒っていると思うのである。
「この意気地なし、、しっかりしないか、、、」と怒鳴られそうだ、、、
そう思って、、、思うこともある。
娘「すみれ」の寝顔見ていると、、、己の不甲斐なさがしみじみするのだった。




10)八千代食堂での事件

羽目田警部補と警視庁刑事課第一係長の黒田警部は先日約束した通りに、八千代食堂であった。
「ご無沙汰しております、今夜は宜しくです、」と、挨拶をしながら、、黒田警部が入ってきた、、、そのあとに羽目田警部補が、ガラス戸を、、、ガラガラと開けながら暖簾をくぐって来たのである。
「あ、、、ごめんごめん、、遅れるかとおもったよ、、、何とかまにあったな」と言いながら、、、いつものカウンター席に着いた。
「いらっしゃい、、、本当に久しぶりだね、、、黒田んは、、偉く成ったら、ご無沙汰だね、、、」
と、、八千代ママが冷やかした、、、
「いやいや、、、そんなことは無いんだよ、野暮用が多くてな」
と話しながら、、二人は冷のコップ酒を飲み始めた。
そんなところへ、最近飲み友達になったばかりの青山精神科医が入ってきたのである。
青山精神科医と羽目田警部補が挨拶をした、、、どちらからともなく「やあ、、」と、、、
そして、羽目田警部補が、く黒田警部を紹介した。
カウンターで一緒でもあり、、同じ冷のコップ酒だったので、、なんとなくきがあったので話もあった。
三人で気分よく、男同士で酒盛りが始まっているとこで,、テーブル席の客が、女客のグループに絡み始めたのである。
羽目田警部補は内心、、「いやな奴らだな、、、楽しく飲めないのか」と思いながら、関わるのが嫌だったので無視していた。
黒田警部も、酒の上でのトラブルでもあり、、、あまり気しないでいたのであるが、、、
青山精神科医はまだ、若かったのか、、、余計な注意をしたのである。本当はいいことなのに、、酔っている人たちにはうるさいことなのだった。
絡んでいる男たちに、
「あんたらいい加減に摺れば、、、嫌がっている人たちにお酒を進めても駄目でしょう」
と、、言ったから堪らない。
「何ーーーお前はなんだ、、、俺たちのことをやめろとか、、、」
「この野郎、、ふざけれな、、俺たちが何をしようと勝手だろう」と言いながら、
体を青山精神科医に寄せてきて、胸蔵を捕まえた。
「何をするんですか、、やめてください」と、その酔っらいを突き放したが、、運悪く酔っぱらっていたので倒れてしまったのである。
勘違いした酔っ払いは、、、
「この野郎、、、俺に喧嘩売るのか、、」と言って殴りかかってきたのである、、、そして、一緒にいたほかの3人も酒の勢いで
青山精神科医に襲い掛かったきた。
これはまずいと思い、、羽目田警部補と黒田警部は間に入って止めた。
それで喧嘩は収まった、、、やはり専門の警視庁刑事であると、、、八千代ママは関心してみていた。
つまらない酒の上での喧嘩なので、その酔っぱらった男たちも、黒田警部と羽目田警部補に宥められ、みんなで酒を飲みなおした。



11)羽目田警部補と黒田警部は二人で、、、飲みながら、、

八千代食堂で、喧嘩のあとに刑事二人はみんなが帰った後に話をしたのだった。
「羽目田、、、そろそろじゃないかな、、、いつまでも一人で悩んでいても仕方がない、、刑事に戻れよ」
と、、、黒田は刑事として優秀な羽目田を諭し始めていた。
「まだまだ、、、間に合うよ、、、お前みたいなやつを警視庁では埋もれさせたくない、、もう一度、やってみないか」
そんな誘いをかけられたのである。
今夜の羽目田警部補のトラブルの解決の仕方を見てて、、黒田警部は思った。そして、言ったのである。
「羽目田、、、すもれさんのことも考えろよ、、、子供の成長は早いもの、、今が潮時じゃないかな、、、
いつまでも人生拗ねているなよ、、、」
と、、飲みながら、何度も何度も黒田に説得されたのである。
羽目田は思った、、、こんなに、心配してくれる奴はいないなと、、、
そして、羽目田には悩みが、もうひとつあったのであった。
「わかった、、、考えるよ、、、心配かけてすまない」と、、、その晩は別れた。
家に帰りひとりになって、、、羽目田は考えたのである。
今、抱えている悩みを考えた。
そして、土曜日に娘すみれと食事をした次の日に、、、羽目田はつくば市の実家を訪ねたのである。
前から聴かされ、相談をされていたことを、、、
「兄貴、、、前から言われていたことだけどな、、、子供の問題はむずかしい、、、
俺も人生間違ったけど兄貴の育て方にも間違いがいっぱいあるよ、、、」
と、言い出して羽目田は兄貴の総一郎に話し始めた。
「兄貴よ、、、あんたの長男坊主がいってたよ、、、兄貴は商売が旨くいってる頃には、、何でも金をくれて解決してたって、、、
あれは間違いだったな、、、」
総一郎も反省して過去を回顧した。
「確かに俺は間違ってたよ、、、かみさん不幸と子供不幸をしてたな、、、仕事に夢中になり家に帰ることも少なかった、
本当に仕事にかまけてたよ、、、金は稼いだけど、遊びもした、、、」
「そうだな、、、確かに仕事はしたと思う、、、しかし、家族をほっておいたな、、かまいなさ過ぎたな。。。」
と、羽目田も思った。
そして、75歳の時に病気を発症した、、、兄貴の総一郎は病気など知らずに、毎日、動いていたのであった。
総一郎も言っていた、、、「罰が当たったな、、、家族をほっておいて、、、金を稼げばいいと、、、そして、金を与えればいいと、、、
」と考えていたことへの罰だと、、、
病気は酷かった、、、糖尿病から始まり、、パーキンス病と、、、以前に肝硬変、前立腺の手術と行い、、、今では末期の腎臓炎、
肝機能の悪化、、高血圧、心不全とまるで病だらけであった。
兄貴の相談はそんな体になり、、病気より困ったことがあったのである。

 

12)兄貴総一郎の誤算

兄貴の総一郎はよしとして、、、仕事をやめる5年前にかみさんと子供たちに家を建てて残した。
土地は300坪用意してあったので、3階立ての鉄骨木造つくりを作ったのである。
かみさんが喘息なので1階、2階葉床、壁、天井まで総ヒノキつくりしたのであった、、、3階は子供の希望で内装を変えた、、、総床面積「100坪(3300平方メートル」の豪華な建築を施した。
そのために固定資産税が「年間27万円」となったのである。
兄貴総一郎は商売をやめたが、、、一人商いはするつもりだった。そのくらいの税金は払えると思っていたが、、、体が不自由になり、稼ぎがなくなってしまい、、、年金生活になり、、、生活がやっとになってしまい、、、固定資産税を払うことが出来なくなってしまった。
この5年間は持っていた資産を売りながら食いつないでいたが、、、それも出来なくなり、、、弟の羽目田長次郎に相談してきたのであった。
兄貴総一郎の計算では、長男の息子が3階に住んでくれると思っていたら、嫁さんと二人で出て行ってしまったのである。
それは兄貴総一郎が悪いのであった、、兄貴の商売を手伝い始めた長男を保証人にしての取引で失敗をしてしまったためである、、「法律的には守ったが、、」最終的には「法律的な
判決で財産を持てなくなった」のであった。
本当にすまないことをしたと思っている、、、取り返しがつかなかっのである。
その結果長男から「縁を切られたのであった」、、、
当たり前のことであり、、間違いをしたのは兄貴総一郎であった。
もし、戻るとしたら、兄貴総一郎が死んだときだろうとおもうのであるが、、、、
そして、長女を頼りにしてたが、家を出てアパート暮らしをしている。
土曜日、日曜日祭日には家に帰り、食事の支度をしたり、、、病気の母親を看病しているのであった。
次女は同じ屋敷内の一戸建てにすんでいて、、母親の看病をしながらアルバイトをしている。
そんなわけで、生活をするためには何とかなっているが、、固定資産税を払うことが出来ないでいた、
そこで兄貴の総一郎は考えた、、、時間とくがないのである。
子供たちを説得するには時間がかかるというか、、、結果はみえていた。
羽目田長次郎には、、、兄貴総一郎がいる限りは解決しないと、、、
それではということになったのである。
兄貴総一郎は子供の育て方が完全に間違っていたと長次郎は思うのであった。
三人の子供たちには「5000万円からのマンションをつくば市学園都市に現金で買い求め」、、渡してあった。
しかし、兄貴総一郎の失敗した商売での為に、三つのマンションをうしなったのである、、、
よくよく考えると、兄貴総一郎は騙されたのだった。
それでも、子供たちは文句を言わずに、兄貴総一郎に従ったのである。
羽目田長次郎からすれば、、いい子供たちだと思うのであった。


 

 

 

13)兄弟愛が、、、

そんな訳で兄貴総一郎から、、、長次郎が相談を受けたのであった。
「長次郎、、、頼むや、、俺が死んで、子供たちが戻るまで、、この家を、、実家を守ってくれないか。。。」
と、、、不自由になった体を引きずりながら頼んで来たのである。
この家は広いし、、、部屋もあるので、、、
「長次郎、、、ここに下宿して面倒をみて欲しい。。。頼めるかな。。。
東京の警視庁まで通うのは大変だろうが、、何とか助けて欲しい」
困った兄貴の頼みだった。
自分もいろいろ悩みはあったが、、、娘「すみれ」のこともあり、考えることにした。
そして、、、数日後に返事をしたのである。。
今は独り身だし、、何とかなるかと、、
「兄貴、分かった、、、行くよ」と、、、
羽目田警部補はつくば市から桜田門の警視庁まで通うことにした。
娘すみれも賛成してくれた、、、つくばまで行くことも楽しいと考えていたのであった。」
次の日曜日に引っ越しをしたのである、、、ほとんど身一つであったので
簡単であり、当日は娘すみれも一緒だった。
羽目田警部補にしても生活環境を変えて、出直したいと考えていたんである。。。
彼は思った、、、なにか一つでもいいから、、、人のためにすることが再出発のきっかけになると、、、
そんな気持ちでつくばからの出直しだった。



14)羽目田警部補復帰、、、警視庁刑事として


羽目田、警部補がつくばから通勤することは、生活安全課の署員はみんな知っていた。
朝の彼の顔つきが少しだけ違って見えたのである。
何かやる気が出たような、、、そんな気がした。
正直言って羽目田警部補も今回は仕事をやるぞという気構えを示しており、、、なんとなく行動にメリハリがでていることがわかるのである。
何故か安田課長が心配そうに見ていた、、、「羽目田君、いつものペースでな、、、安全課の仕事を乱さないように頼むよ、、、」と、、、言い足した。
しかし、、、彼はやる気エンジンがかかっていたのである。
昔、張り切っていた頃の、殺人課にいた羽目田警部補に戻ったように動き出した。
「はい、、、分かりました、、今までは少々、手を抜いていましたので、、、その分、頑張らないと」
と、、、何か目が輝きだしたような、、、
そして、、、生活安全課の未解決事件を拾いだしていた。
そのあとで、一人ぶつぶつ言いだしたのである、、、、、
しかし、、多いな、、、高齢者騙しの詐欺事件が、、、携帯電話での募集強盗事件が多すぎるようなきがする。
今までは無視していた事件などを口に出して、独り言を言い出した。
「課長、、、生活安全課の未解決事件が多すぎるようですね、、、解決していかなと、、、」
そして、彼は言ったのである。
「今日から、私を未解決事件を捜査担当にしてください、、、いいですか、、、是非やらせてください」
まるっきり、昔の羽目田警部補に戻ったようだった、、、思ったら、勝手に、突っ走る刑事に、、、事件一遍刀の「猪刑事」になったようだった。
楽しみと言えばよかったが、、、暴走もするので、周りは怖かった。
その話を聞いた刑事課の第一捜査係りのく黒田警部などは喜んだのである。。。
「そうか、、、やっと、やる気になったか楽しみだな、、」と、、、
「警視庁の猪刑事の復活か、、、アハアハハだな」とはしゃいでいた。




15)携帯募集に絡んだ強盗事件が起きた。

朝から生活安全課に電話が入った、刑事課第一係の黒田警部からで、、、羽目田警部補に呼び出しの電話が鳴った。「もしもし、羽目田警部補に刑事課に来るように伝えて」と、、、至急である。
羽目田警部補は生活安全課でも出勤は一番早いので、、刑事課に飛んでいった。
「おはようございます、、、」と、羽目田警部補が刑事課に行くと、、、黒田警部が、、「事件だ、、、手を貸してくれ」と言ってきたのである。
「銀座の宝石時計店がやれたよ、、、朝っぱらから強盗だ、、、まったく、ふざけやがって、、、」
「すぐに出動だよ、、、いけるかな、、、」と言われ。
羽目田警部補は「はい、、、いけますよ」と黒田警部と飛び出していったのである。
待機していたパトカーに乗り銀座の襲われた店に急行したのだが、店を襲った強盗達は逃走していた。
携帯電話での高額アルバイト募集の連中による強盗は始末が悪い、、、宝石店や時計店を襲った連中は逃げ足が速く,途中で仲間が待っていて、、盗品をリレーしており、、時たま抑えた時は、強盗をした奴ら
何も持っていないということで、、、まったく、旨く逃げられてしまっている。
強盗事件はバタバタとたたきのようであるが、、、用意周到に計画されているのだった。
そして、捕まえた強盗達は何も知らずに、、、盗品は持ち逃げされている。
この手の事件は、捕まるのは雑魚ばかりで、計画している真の強盗犯人は捕まらずに逃げているのだった。
雑魚を捕まえた黒田警部たちは、、「また、、やれたな、、、まったく、ずるがしい奴らだ」と、、ボヤくだけだった。
なんとしても雑魚からたどっては行くけど、、、何かいい方法は無いものかと思うのであった。
警察官として悪事を働くやつをみのがせないのである、、、



16)携帯電話で募集の強盗事件、、、

携帯電話で募集し高額アルバイトと称して集めた人員で「強盗、泥棒」してた強奪グループは、、無計画な強盗集団に見えるが、、その実態は用意周到であった。
まず、店舗に押し入る第一陣が暴力的な行為をして、、、宝石や高級時計などの物品を強奪して逃げる、、、表に止めてある車で逃走、、、そして、途中で待ち構えてた仲間に「物品」を渡して、別々に逃げるのであった。
従って、、、最初の強盗集団は捕まっても、、、盗んだ「物品」は持っていない。。。。
途中で受け取った強盗仲間が物品を運んで言うので、、、警察当局の追跡を複雑にしていたのである。
警察が逮捕できるのは、最速で現場に急行しても、、、最初の押し込み連中と、繋ぎの強盗仲間までであった。
「暴力的な強盗」の計画立案者までは、なかなかたどり着かなく、、、最終計画者逮捕までには時間がかかっており、警察もその捜査は思うようにはいかなかったのである。
この携帯電話募集による「集団強盗」を未然に防ぐことは、今の警察力、組織システムでは不可能に近かった。
発生してから、いかに早く、事件現場に急行するかであり、、そして、機敏に行動するかであった。
「集団強盗」を予知して、、、その強盗を防ぐ準備は無く、、早く現場に行き、対応をするしか方法ない。。。
更に「強盗対応方法」を各店舗で準備して、常に注意をしながら、待つより仕方が無いような。。。そして、警察広報で注意をうながし、、巡回捜査をする事だろうと思われた。

また、携帯電話の規制が出来れば、、と、、警察関係は思っている。


17)携帯電話で募集の人質強盗事件、、、

携帯電話で募集し高額アルバイトと称して集めた人員で「強盗、泥棒」してた強奪グループは、、無計画な強盗集団に見えるが、、その実態は用意周到であった。
まず、店舗に押し入る第一陣が暴力的な行為をして、、、宝石や高級時計などの物品を強奪して逃げる、、、表に止めてある車で逃走、、、そして、途中で待ち構えてた仲間に「物品」を渡して、別々に逃げるのであった。
従って、、、最初の強盗集団は捕まっても、、、盗んだ「物品」は持っていない。。。。
途中で受け取った強盗仲間が物品を運んで言うので、、、警察当局の追跡を複雑にしていたのである。
警察が逮捕できるのは、最ける速で現場に急行しても、、、最初の押し込み連中と、繋ぎの強盗仲間までであった。
「暴力的な強盗」の計画立案者までは、なかなかたどり着かなく、、、最終計画者逮捕までには時間がかかっており、警察もその捜査は思うようにはいかなかったのである。
この携帯電話募集による「集団強盗」を未然に防ぐことは、今の警察力、組織システムでは不可能に近かった。
発生してから、いかに早く、事件現場に急行するかでれば、機敏に行動するかであった。
「集団強盗」を予知して、、、その強盗を防ぐ準備は無く、、早く現場に行き、対応をするしか方法ない。。。
更に「強盗対応方法」を各店舗で準備して、常に注意をしながら、待つより仕方が無いような。。。そして、警察は
外に待機していた警察官に、、、逃げた強盗犯人と車に待機していた強盗犯人も逮捕出来た。

今回、事件現場委に到着したときには、犯人は暴れて商品ケースを壊したりして、宝石や高級時計を嚢に詰めていた、

そして、羽目田警部補が犯人に向かって、、、

「やめなさい、、、暴れるのを、、」と、呼びかけたら

「ふざけるな、、、強盗してて、止められるか」と、、叫びながら、木刀や刃物を振り回していた。

警察官に拳銃を向けられていたので、、、その覆面をした犯人はそばにいた女子店員をはがいじめにして、人質にとったのである。

其の女子店員の首筋に刃物を立てて、さらに喚き散らした。

「馬鹿野郎、、、俺たちは切羽詰まっているんだよ、、、止められ課、、、」と首筋に立てた刃物の刃を引いたのである。

周りを取り囲んでいた警察官たちも、、、この状態ではとりあえずは手を引こうということになった。

その瞬間である、、、拳銃の音がした、

「バアーン」と、、そして、女子を抑えていた犯人が倒れたのである。

羽目田警部補が拳銃を撃った、、、彼は拳銃の名手であり、犯人との距離が近かったので,犯人の頭を撃ち抜いた二である。
今回の集団強盗事件は後始末が大変だったのである。
世間というものはふざけており、、、犯人を逮捕して、人質を助けたのにやりすぎだ、、、人殺しだ、、
過剰防衛だ、、、」とか騒いで、、、特にマスコミ連中が取り上げるのであった。
まったく、、、悪い人間が庇護される世の中のようだ。
警察内部でも批判されるのだから、、、、
羽目田警部補は呟いた、、、「ふざけるな、、、やってられねえーよ」
一緒にいた黒田警部が慰めてくれた、、、「気にするな、、、」と、、、



18)羽目田警部補外されて、詐欺事件捜査に。。。

今回の発砲事件がマスコミで取り上げられて、世間でも警察官内でも大げさに騒がれてしまい、、、羽目田警部補に捜査移動指示が出たのである。やっと、張り切って仕事についていた矢先であった。
黒田警部が言ってきた、、、「羽目田、、、辛抱だ、我慢だよ」と、、、
「何が捜査移動だ、、、何が我慢だ、、、ふざけやがって、、、」とぼやいて、早めに引き上げてしまった。
そして、、、八千代食堂に行き、、、「ママ、、、悪いけど、冷酒をくれよ、、、」と言って、飲まない昼酒を飲んだ。
ひとつも旨くなかったけど,たて続きに飲んだ。
早めに来た、、青山精神科医と合流して、、、酒を飲んだのである。
青山精神科医だけはある、、、いつもと違う羽目田警部補を静かに飲ませていた。
いつのころから羽目警部補が警視庁刑事とバレての付き合いであるから、、何かあったなと思ったのである。
さすがに精神科医だけはあった。
羽目田警部補も警察官だけは有り、警察官としての誇りは持ったいたので、愚痴はこぼさなかったのである。
八千代食堂のママも、慣れたもので、黙って作った摘まみを二人の前に出していた、
今夜は筑前煮を出してくれたが美味しかった、彼女は九州福岡の生まれだったので煮物が得意だった、、、そして、珍しいところでは「つくしんぼ」の佃煮を作ってくれたのである。
黙って用意してくれる彼女のやさしが嬉しかった。
その晩は二人とも黙って酒を飲み、帰っていったのである。
「おやすみ」の一言を残して、、、、




19)気を取り直して、、、

羽目田警部補は前日、少々、飲みすぎた感があったが、気分はすっきりしていた。
八千代食堂のママが作ってくれた「つくしんぼ」の佃煮が、幌似にがく残ったいた。
いつも思って感謝しているのだ、、、八千代ママのやさしさが、、、
口には出して言えないが、、「ありがとう、、」と。
今朝はすっきりした気分で、筑波下ろしの冷たい風もさわやかだった。警視庁生活安全課に出勤しても、新たな仕事「詐欺事件」に向き合えるとおもったのである。
世の中には仕事がなく、、何をしていいかわからずに、、、携帯電話の募集事件に陥ってしまう人たちがいることを思うと、毎日、仕事があることに喜びに感謝しないと、、、
そう思うのであった。
ましてや、、人の幸せを願って、人々の安全を守ることの仕事に従事していることに。。。
「ありがとう、、、」の気持ちだ。
与えられた仕事に文句をいったり、、不平を言ったりしたら、、、罰が当たるよ、、と言われるような。
羽目田警部補は考えた、、、仕事のできう喜びを、、、
自分の身内にもいる兄貴の存在、、、働きたくても働けない、、動きたくても動けない、、、思ってみても思うようにならない、人間関係が。
そんな環境よりは自分は恵まれているのだから、、、愚痴を言わず、動いて、働かないと、、、自分のためにも、人のためにも、世の中のためにも、、
何かをしないとと思うのである。
警視庁生活安全課の仕事、、、自分がやるべきことを見つけて、成し遂げなければ、、、
そんなことを思う自分であった。



20)公僕として、、、

羽目田警部補は最近自分を見つめ直すことが多かった。
普段は忘れている「公僕」としての自分を、、、余りにも人間的になってきているのでは」、、すなわち、利己的な自分主義になってきているような気がするのである。
警察官でありながら、自我を通しすぎるような、まずは公の立場から、物を、物事を観察しないといけないのではないのか、、、
どうも、警察官として現場に立つと、自分勝手な判断をして、、、「それが正しい」と思いこみ、他人の判断に異を唱えるような。
もっともっと、人の意見を聞かなけれと思うのであった。
更に言えば、、、自分が一番正しいという考えも、わきに置く余裕が欲しいものだ、、、
上からの意見は、何か「文句、、苦情」と取りがちであり、人間としては「冷静になり、、話は聞くもの」が大事なことであると。。。
今回の羽目田警部補の言動はお粗末だった気がする。
警視庁内部では、羽目田警部補の行動が間違っているとは誰も言ってはいなかった。中には勇気ある判断だとおもっている上層部の人間もいるのであった。そのために「罰」はなかったのである。



21)暴露、、、

羽目田警部補はとんでの無い話を聞いたのであった。
黒田警部と犯人逮捕の時に、羽目田警部補の妻さゆりが間違って撃たれて、亡くなった事件であるが、、、噂ではあるが、当時出世争いをしていた黒田警部が撃ったといわれている、
当時、二人はどちらが先に出世するかと言われるほど,犯人逮捕歴が凄かったほど、、やり手刑事だった。
そして、「警部候補」の話が出ていたのだった。
確かに今になって考えてみれば不自然なところがある。黒田警部も羽目田警部補と同じくらい拳銃の名手であった。
警察内での射撃大会で優勝を競っていたのである。
よくよく考えてみれば可笑しい、、不思議であるのだった。
あの近距離で的を間違えることは無いはずだと、、、
羽目田警備補は噂を聞いてから、考えた、、、あの時の場面を思い出した。
「そうか、、、そうだったのか、、、」と臍をかんだ。
「俺はお人好しか、、、同僚と思い、、、同じ警察学校の同期と考えて、、、バカだったかも知れない」と、、、
羽目田警部補は何度も何度も、、思い出していた。
しかし、今となっては確かめるすべがない、、、まさか本人に確めることもできない。
そういえば、この前の集団強盗の時も不自然さが残った、、、羽目田警部補よりも黒田警部の方が強盗犯人を銃撃するには、なんともいい場所だったのである。今さらに、そんな馬鹿な話は出来ないが、、、
羽目田警部補の立つ位置が悪かったはずである、、、それをあえて自分に撃たせたのであった。
やっぱり、おかしい。。。羽目田警部補は悩んだ。
人には相談できずに、、、噂を聞いてから、ずっと悩んだのである。
これが事実だとすれば「殺人」ではないか、、、「立派な人殺し」ではないか、、、
「許せない、、、絶対に許せない。。」と、叫びたかった。
そして、の噂を聞いた次の日に羽目田警部補は生活安全課を無断で休んで、妻さゆりの墓参りに来たのであった。
彼は妻さゆりの墓前で、冥福を祈り、、涙を流した。
この事実を確認するために、、あの時の事件簿控を何度も何度も読み直したのである。
そして、、あの時のことを知っている警察官にきいてあるいた。現場にもなんども行き、再確認をしたのだった。
確かに、妻さゆりは撃たれたのだと、間違いでは無く、故意に撃たれたと確信を持った。
羽目田警部補は今までの黒田警部の自分に対する接し方に異常をかんじたのである。
一人で考えた、、、妻さゆりが愛しい、、、そんな妻を撃ち殺しておいて、平然と墓前に手を合わせた黒田警部を許せなかった。
羽目田警部補は誓ったのである、、、
「さゆり、、、ごめんな、、、何も気が付かずに許してくれ、、」
と、、、そして、復讐をすることを。。。



22)羽目田警部補は変わった。 

自分自身が変わっただけで、、他人からはわかなかった。
仲間同士の話でも、、、黒田警部の名前が出るだけで、聞き耳を立てていた。
どんな話でも漏らさまいとしていたのである。
確かな証拠が欲しく、確証が欲しかっの、であった、、、復讐をするのであり、人一人を殺すのであるから、、間違いは許されなかった。
今までのような「ダメな奴」ではだめなのだと、、、自分に言い聞かせた。
羽目田警部補は今までのようには黒田警部を見られなくなったのである。
本当は挨拶もしたくなかった。
「おはよう、、、」と、いわれても、、そっぽを向きたかったのである。
「この野郎、、、今に、、見てろ、」と、思うだけだった。
羽目田警部補は腹の中でいつも黒田警部をねらっていたのである。
機会あるごとに犯人逮捕の時には、現場についていった。
殺しも正当防衛か、誤射での殺しにしたかったのである。
同じような殺し方をして、、「どうだ、、悔しいだろう、、ざまーみたことか」と、叫びたかった。
そして、、、愛おしい妻さゆりに手向けたかったにである。
時間はかかるが、必ずやってやると思う毎日であった。



23)居酒屋八千代食堂で青山精神科医と飲む

羽目田警部補はなんとなく冷酒が飲みたくなって、、、八千代食堂へやってきた。
「ちょっと,間が空いたな、、、野暮用が多くて、、、ママの筑前煮と漬物が恋しくなったよ、、あはあはあは、、、」
あまり元気のない言葉と笑いが出た。
「どうしたの、、、元気がないね、、、どこかわるいのかしら、、大丈夫」と、、、
言いながら冷酒が出てきたのであった。
いつものカウンター席で、八千代ママの作ってくれた「筑前煮」と「ぬかみそ臭い漬物」を食べながら飲んでいたのである。
そこへ、ガラガラと音がする引きながら、、、青山精神科医がいつもの下駄ばきで入ってきた。
「いいねえー、、先生の下駄の音は、、カランカランと昔を思い出すよ、、」
と、、羽目田警部補が懐かしんでいた。
昔は履物は下駄だった、、、そして、冬は半纏を着ていたな、、と、田舎育ちの羽目田警部補はしみじみと語りながら、
少々、昔話をはじめたのである。
「なんか今はせせこましいよ、、、のんびり行きたいな、、」と、昔話をやめた。
羽目田警部じゅあ補は青山精神科医に訪ねた、、、、
「先生は人を恨んだことはあるかね、、、」と、尋ねるというより、教ええ欲しいときいたのである。
「それはあるよ、、、私も人の子だからね、、、何度もあるな」と、答えてくれた。
「そんな時に、先生は相手の人間を恨みますか、、、どうします」と羽目田警部補は聞いたのだった。
青山精神科医は、、、「それは私も神様仏様ではないので、、恨みますよ、、人は誰しも同じだと思いますね、、、それは仕方のないことです。」
そんな風に答えてくれたのである。
青山精神科医は言ってくれた、、、「人は万能じゃあない、、、間違いも起こすし、、、人に恨みを残すようなこともしてしまう。だから、お互いに許しあう心が必要なんだな、、」と、、、
羽目田警部補は分かる気持ちもあったが、、、自分に降りかかった恨みを払いのける力量はなかった。
青山精神科医の話を聞きながら、コップ酒を飲んでいた。
八千代ママが羽目田警部補の心を察して、、「はめちゃん、、今夜は寒いから、、鍋でもつくるか、、」と言って、
珍しく入った「猪の肉」を用意したのである。
熱く煮えだった「猪鍋」は旨かった。「猪刑事」と言われてきた羽目田警部補には八千代ママの思いやりが、たまらく嬉しかった、、、悩みがある羽目田警部補には優しい気づかいであり、冷酒が目に染みたのである。
「やっぱり、、、いいなあ、、ここは、、、泣けて来やがるよ」と、、、、


24)娘「すみれ」と食事会を、、、

羽目田警部補はつくばに引っ越してからも、娘「すみれ」と毎週土曜日とはいかないが、、月に2,3回はあって、つくばで食事を作り共に過ごしていた。
その食事会には長次郎の兄貴も参加して楽しく笑いの時を過ごしたのである。
兄貴の総一郎も一緒に楽しんでくれた。
そして,その夜は広い屋敷で、娘「すみれ」もやすんでくれたのである、、
「お父さん、、、思い出させてごめんね、、、あ母さんも一緒だったらいという娘を不憫だと思ったのであった。
娘「すみれ」が寝た後に、、、久しぶりに兄貴の総一郎と遅くまで話をしていた、、、「長次郎、、、子供を育てるのは難しいな、、、つくづく思うよ」
「お前の娘すみれはいい子に育ったよ、、、本当によく育ったな」
と言いながら
自分の子供たちの育て方は違ったような気がする、、、反省ばかりだよと、
本当に後悔して、はんせいしていたのである。
それでも最近は次女がよくやっくれていると思っていた。
東京の職業訓練所に、朝の4時に起きて通い始めているのであった。
資格を取って、頑張るといっているので、、、是非頑張って欲しい。
長女も休みごとに食事を作りにきてくれている、、、出来れば,希望であるが、家に戻って住んで欲しいと思うのであった。
そんな四方山話を、年老いた兄弟がしていたのである。
夜も更けたので、どちらからともなく、、、「おやすみ」を言って寝てしまった。



25)さゆりの恨みをこれでもかと、、、

つくば駅から学園都市縁で秋葉原まで、娘「すみれ」と一緒だった。
窓の外は冬景色で雪が降っていたのである。
娘「すみれ」には初めての経験かも知れない。雪を見ながらはしゃいでいた娘が愛おしく、、、妻さゆリが懐かしかった。
秋葉原駅からそれぞれに電車を乗り換えて、娘「すみれ」は学校に、、、羽目田警部補は桜田門の警視庁にと別れて行った。
羽目田警部補は兄貴の総一郎にもはなさなかった、、、妻さゆりが警察官の誤射で殺されたことを、、、ましてや娘「すみれ」にも、母親が撃ち殺されたことを話せなかったのであ
妻さゆりが殺されたことは自分の心にしまっておこうときめたので、、、
生活安全課に出勤したら、、安田課長が話しかけてきた。
「羽目田、、、刑事課の黒田警部が来てくれと言ってきてるから、、、行ってくれ」
「はい、、、分かりました」と、、刑事課へ向かった。
「来たか、、、羽目田君、、、詐欺軍団のアジトに奇襲するから手伝って欲しい、、、宜しく頼むよ、、、それから拳銃を携帯するように。。」
と言われて準備をしたのである。
襲撃する詐欺軍団のビルは三階立てであり、、、入り口が表と裏の二か所であった。
裏口から侵入した羽目田警部補たちは一階のヤクザたちを制圧し、二階の事務所入り口まで攻めこんでいた。そして、、、羽目田警部補は倒してやくざの一人から拳銃を奪い、自分の懐に隠したのでのである。
立てこもるヤクザたちを表と裏から挟み撃ちにしての攻防だった。
ヤクザたちを裏口から攻めて行くと、、反対側に黒田警部たちが攻めてきたのである。そして、、、羽目田警部補は今がチャンスだと、、、ヤクザたちを撃つふりをして、、、黒田警部を狙った、、
「さゆり、、、見てろよ、、今こそお前の恨みを晴らしてやるからと、、」
黒田警部を狙い銃弾を放った、、、銃はやくざから奪ったものを使って、、、
羽目田警部補は警察きっての拳銃の名手であったので、、、放った銃弾は命中したのである、、、黒田警部の額に、、、即死状態で倒れた。



26)さゆりの墓前に報告

詐欺軍団のアジト襲撃では警察側にも被害が出たのである。
刑事課の黒田警部他2名の殉職者がでた、、、羽目田警部補の思った通りになった、、、
筋書きは狙い通りである。
羽目田警部補は思った、、「死人に口なし」だった。
復讐は出来たが、、、後に残ったものは「虚しさ」だけだった。
何かをやり遂げた、達成感は微塵も感じなかったのである。
復讐とはこんなに味気ない、空虚感だけなのか、、、羽目田警部補は力抜けしてしまった。
妻さゆりの墓前に報告に行ったが、、、なぜか涙が零れてしまったのである。
「さゆり、、、これでいいのかな、、、お前の仇は取ったが、、、なぜか空しいよ、」と、、墓前でつぶやいた。
明日からの生活はどうすればいいのかな、、、と、不安だったのである。
何か目的がなくなり、、何のために生きてくのかがわからないような気がするのだった。
「しっかりしろ、、、まだまだだよ、、、俺にはやることがあるんだった」
と、、、自分に言い聞かせたのである。