TAIPEI2023 出品作品返却 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

昨日から今日にかけてTAIPEI2023の出品作品及び賞状・メダル類の返却準備作業を行いました。

 

 

基本的には出品者から送られた封筒・箱にそのまま収納して、送り返します。

 

文献出品者にはレターパックプラスで賞状・メダル・ブルテンを送ります。

 

これで発送準備は整い、先ほど郵便局の集荷がありましたので発送しました。

 

これでコミッショナー業務はすべて完遂となりました。

 

4年ぶりの海外出張となったTAIPEI2023では多くの気づきを得ました。あらためてお世話になった皆様に感謝いたします。

 

 

 

【追記】

今後、コミッショナーを担当される方の参考のために、コミッショナー活動収支の概算メモ(備忘用)を以下に掲出しておきます(厳密なものではありません、あくまで非公式な概算メモです)

 

 

(注記)

・今回はフレーム作品が4作品と少ないため、収入は展覧会としてはかなり少な目です。作品数が多ければ出品アクセプト料と運搬料が増えるので、計算上の収支は改善します。

・ビジネスクラスはスーツケース2個まで追加料金なしで持ち込めますので、出品者負担が軽減され喜ばれます。

・今回は賞状・メダル・ブルテン類を会期終了後に送付する、現地→日本のEMS送料が無料(台湾郵政の好意により無償)であったため、通常は数万円かかるであろう送料が無料となりましたが、いつでも無料というわけではありません。

・現地での費用は含みません(4つ星級のオフィシャルホテル6泊[朝食付]は現地組織委員会負担により無償)。
・8月11日夜のウェルカム・レセプションと、8月14日夜のパルマレス(受賞祝賀会)は現地組織委員会の招待により無償。

 

これまでの活動記録をお読みいただければわかる通り、コミッショナー業務は特別な知識やノウハウが求められるものではありません。どの展覧会であれ、会期中にやるべき業務は決まっており、その流れに沿っていれば誰でも問題なく対応可能な業務です。

 

ただし、多くの希少コレクションを無事に現地に運び、展示したうえでこれを撤収して帰国しなければなりませんので、精神的負担があることは否定できませんし、加えて物理的にかなりの重量の荷物を運搬するので、できるだけ若い方が担当された方が肉体的に無理が少ないと思います。私は前回ニューヨーク展コミッショナーを担当しましたが、これは2016年のことで(当時47歳)、当時に比べ、7年の時を経て明らかに体力の衰えを感じた次第です。

 

なお、近年のコミッショナー業務の変化点を1つ挙げると、従来は現地到着後にビンルームに行き、展示作品のインベントリーを1リーフずつ行った後に展示作業チームに引き渡すことをしていましたが、最近は、そもそもビンルームがなく、コミッショナーは直接フレームの前に行って自国の作品を自分で並べる(撤収はその逆)という仕組みに変更されつつあるようです。つまりは、椅子に座ってインベントリーをすることはやめて、自分で展示・撤去を行うという省力化へのシフトなので、尚更、若いコミッショナーのほうがスタミナ切れせず効率的に作業できる可能性が高いと感じました。

 

上記の通り、作品数が一定以上になると収支がプラスになることや、現地での宿泊費がかからないことから、コミッショナー業務に魅力を感じていただける部分もないわけではないかもしれませんが、日本全体でみると、結局、一定集団のメンバー間で担当を繰り回している形になっていることから、新たな人材(とくに若い方)の参入の必要性を強く感じています。65歳以上の方に遠隔地のコミッショナーをお願いしなくてもよい状況を早期に実現したいところですね。

 

また、近年、コミッショナー派遣に関するルールが整備され、制度運用の透明化・明確化が進むのはよいことですが、ルールメイキングに従事する人は、必ず自身がコミッショナー経験を踏み現場を知ったうえで行うべきであると感じた次第です(机の上で簡単に制度設計できるようなものではありません)。