田沢型6銭切手(Red Brown)の使用例 混貼・外信5倍重量便書状 | 郵便・切手から 時代を読み解く

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切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

田沢型6銭切手(Red Brown)の外国郵便使用例をご紹介します。
 

画像は外信書状(英国あて)です。旧毛6銭切手のほかに、7種もの切手が使用され合計で36銭分貼られており、なかなか賑やかなカバーです。

 

 

引受局は関東州のDAIREN(大連)局で、日付は昭和7(1932)年12月14日です。中継印などはありませんが、シベリア経由で英国まで逓送されています。

 

料金の内訳は、5倍重量なので、最低料金に超過料金4倍を加算したものになっています。

 

すなわち、書状基本料金10銭+超過重量便6銭×4倍=合計34銭(2銭過剰)です。

 

このカバーは6銭切手の使用例として購入しましたが、既に大正15(1926)年7月5日には、この切手の後継である風景6銭切手が発行されていますので、この使用例はかなり後期のものです。

 

それでもこのカバーを入手した理由は、実は右上の旧版改色富士鹿8銭切手の使用例としても貴重なものだったからです。この切手は使用例じたいが少なく、関東州など外地のものはさらに珍重されているのです。

 

上述のような事情に加えて、余りに賑やかなカバーなので、6銭切手の使用例として提示するには、些か躊躇する面がないではありませんが、いずれ日の目をみる機会をつくってやりたいアイテムです。