田沢型6銭切手(Red Brown)の使用例 単貼・第1種2倍重量書状 | 郵便・切手から 時代を読み解く

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切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

田沢型・旧大正毛紙6銭切手は、大正8年に追加発行された4額面(6銭、8銭、30銭、50銭)のうちのひとつで、書状(3銭)の2倍という中途半端な額面ゆえに単独での活躍の場は、第1種2倍重量便や外信葉書くらいしかないという、非常に地味な「脇役」です。

 

そもそも田沢切手自体が、日本切手の中でも相当地味な存在であるところにきて、このシェードですから、これ以上ないほどの地味な切手という位置づけになるのかも知れません。

 

もっとも、逆に言えば、中額面のため使いみちは多様であり、混貼ならばほぼ無限にバリエーションがあるという面白さがあります。

 

事実、わたくしにとっては、以前から非常に馴染みが深い切手で、何と言っても「速達料金(市内相互間)」6銭がこの切手1枚でぴったりなのですから、それも当然というものです。

 

それゆえに以前から、大正~昭和初期の速達使用例を拾っていくうちに、何となくかなりの分量の6銭切手使用例が集まってしまったという事情もありまして、速達以外にも、気になるものがあれば、あまり意識せずにコレクションに加えていました。

 

画像はそのようなもののうちの1通です。

 

 

旧毛6銭単貼の第1種重量便書状で、消印は牛込(大正10年1月30日)で、シベリア派遣部隊あてとなっています。

 

この切手のもっともありふれた使用例ですが、コンディションが良いうえに重量便なのにコンパクトな白封筒で場所をとらず気に入っています。