久しぶりに1次昭和5円藤原鎌足の整理を少しいたしました。
実は、この切手に関しては、以前から引っかかっている疑問があるのです。
この切手を『日本普通切手専門カタログ 戦前編』(JPS刊)でみると、169ページには以下のようにリストされていて、シェード(刷色)は製造時期から次の3種類あるとされています。
a. 暗いオリーブ緑 初期印刷
b. オリーブ緑 後期印刷
c. 灰味オリーブ緑 最後期印刷
これを実際の切手に当て嵌めてみたのが次の画像です。
上から下に向かって、
a. 暗いオリーブ緑 初期印刷
b. オリーブ緑 後期印刷
c. 灰味オリーブ緑 最後期印刷
という順序で並べてあります。
これは未使用のシートを複数入手し、束モノもいくつも購入した上で分類しているので、まず間違いないとは思いますが、以前に競争展に出した際に「分類が違うのではないか・・・」といわれて減点されたことがあるのです。
以来、大量の切手を買い込んで、使用済でも間違いなく分類できるほど仕分け作業をしましたので、自信をもっているのですが、そこでふと浮かんだ疑問が「カタログに採用されている分類が、必ずしも共有されていないのではないか」というものです。
実際、ここ数年の間、この疑問を秘めながら、競争展や他のコレクターのコレクションなどを少なからずみてきましたが、私の結論は「人によって分類はまちまち」というものです。
また、専門カタログでは「初期・後期・最後期」と分類しているにも関わらず、国際展上位入賞のベテラン・コレクターの作品をみると、カタログとは異なる「初期・中期・後期」という3分類になっていて、それがカタログの3分類と比較して、どこがどのように異なるのか、よくわからない状況になっています(初期印刷については恐らく両者共通なのでしょう)。
そこで、昭和切手コレクターの皆様に、あらためて上記の分類に違和感がないのかどうかをうかがってみたくなりました。
わたくしの作品のほうは、国際展へと駒を進めてしまいましたので、国内展の審査上の取扱いがその後どうなったのかもわかりません。
ですが、少なくとも、直前までの様々な国際展や国内展における昭和切手作品を観て調べたところ、「日本人のトップコレクターの分類が専門カタログとは異なるものになっている」という状況に変わりないことは、確認しています。
というわけで、久しぶりにこの切手を整理した機会を捉えて、この疑問にそろそろ決着をつけたいものだと改めて思い起こしましたので、本ブログで皆さんにご提示してみた次第です。
ご意見をお寄せいただければ幸いです。
※比較しやすいように、横並びの画像も以下に掲載しておきます。左からa→b→cの順です。