2018年もいよいよ大晦日を迎えました。
昨日に続いて、【2018年の収穫品ベスト10】の上位5件をご紹介して、本年のブログを締めくくることにします。
※このランキングは飽くまで個人的な思い入れによるもので、「入手して嬉しかった順」となっており、マテリアル自体を格付するものではありません。またランキングと取得価格は無関係です。
【第5位】 南方占領地マライ(ペナン)における戦後使用速達カバー(1945年)
南方占領地マライのペラー州加刷切手5ドルの逆加刷を貼った、速達書留書状です。ペナン局差立てで同市内あて、日付は戦後にかかる2605(昭和20)年8月18日です。馬来軍政監部郵政局の検閲テープと検閲印がある、しっかりした使用例です。5ドルは最高額切手であり、かつ逆加刷バラエティは珍しいので入手しました。
【第4位】 速達制度全国実施前における台湾島内の速達書状:書状料金4銭時代の唯一知られる使用例(1937年)
全国化以前の台湾島内速達はこれまで2例しか知られておらず、うち1通は書状3銭時代(昭和10年)の使用例ですが、もう1通はこの書状4銭時代(昭和12年)のカバーです。台北12.7.21の櫛型印で抹消され、基隆12.7.21(同日)の到着印も捺された佳品でございます。
【第3位】 明治8年の別配達カバー
洋桜4銭ブッチ2枚貼、長崎から大阪あての別配達書状です。長崎の白抜記番印は。明治8円11月4日から使用されましたが、これはその初日の使用例です。
【第2位】 明治7年 小田原から相模・吉野あて書留・別仕立書状
和桜4銭紅と洋桜2銭黄を貼り、小田原郵便役所の二重丸型不統一印が押捺された、書留・別仕立書状です。素晴らしいコンディションで、相模の国の消印コレクターから引き継がせていただきました。 明治7年11月17日の差立てです。
【第1位】 2.26事件による「戒厳令ニ依リ開緘」印押捺の速達書状(1936年)
現時点で2.26事件の検閲印が押捺された速達使用例として唯一知られるものです。年末押し迫ってからオークションに登場し、無事に落掌できました。昭和11年4月4日 世田谷局の差立てです。
というわけで、今年も多くのチャンスを逃して悔しい思いも致しましたが、幸い収友やディーラー、オークションハウスの皆様方のお蔭により、総じてみれば前年比でも遜色ない、期待以上の補強ができた一年でした。
コレクションの増強のみならず、今年一年、多くの皆様に、多方面においてお世話になりましたこと、誠にありがたく存じます。
また、本ブログのご愛読にも感謝いたします。
皆様どうか良い新年をお迎えください。
池田健三郎