2017年収穫品ランキング 5-1位 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

2017年もいよいよ大晦日を迎えました。
昨日に続いて、【2017年の収穫品ベスト10】の上位5件をご紹介して、本年のブログを締めくくることにします。
 
※このランキングは飽くまで個人的な思い入れによるもので、マテリアル自体を格付するものではありません。またランキングと取得価格とは無関係です。
 
【第5位】 UPU3色貼 東京→横浜2区間速達便カバー(1927年)
2区間便の速達はどの時代のものでも少なく貴重ですが、とくに横浜→東京と神戸⇔大阪は貴重です。これは切手の貼り合わせがよいので気に入っています。



 
【第4位】 私製葉書の書留・別配達使用例(1920年)
私製葉書の書留・別配達はいまのところ3通程度しか確認しておらず、これはそのうちの古いほうです。料金に適合するように切手が貼付されている点も美点だと思っています。大阪・北浜より名古屋市内宛て。



 
【第3位】 明治銀婚2銭他貼 1894年別配達カバー
記念貼の最古使用例かつ、明治銀婚貼唯一の別配達カバーです。コンパクトな封筒でルックスも良いので展示作品向きのアイテムです。
 


 
【第2位】 海外から到着した急速便としての最古使用例(1922年)
従来の最古使用例を5年も更新するもので、到着便の急速便は郵便史上も重要なマテリアルなので2位としました。オーストリアから福岡に到着したものです。識者によると、オーストリアでインフレが発生していた時期の使用例で、1921年12月1日~1922年4月30日の料金が以下のように適用されているものです(料金最終日)。

・50 K 外国速達+25 K 外国書留+25 K 外国書状20g+12.5K 20g毎=合計112.5K 
 



 
【第1位】 台湾における書留・別配達カバー(1897年)
現時点で台湾における最初期の別配達使用例であり、かつ全期間を通じて、台湾の別配達は他に類例が報告されていないものです。



 
というわけで、今年も収友やディーラー、オークションハウスの皆様方のお蔭により、前年比でも遜色ない、期待以上の補強ができた一年でした。
コレクションの増強のみならず、今年一年、多くの皆様に、多方面においてお世話になりましたこと、誠にありがたく存じます。
また、本ブログのご愛読にも感謝いたします。
 
皆様どうか良い新年をお迎えください。
 
池田健三郎