料金改正直前の短期使用例:8円から10円への変わり目 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

郵便料金が変わる直前に切手が発行されますと、その切手は旧料金下では、きわめて短い期間しか適合しない使われ方をすることになります。

 

こうした使用例は一部のフィラテリストによって意識的に作られたものも存在しますが、一般の人が無意識に出した郵便物のほうが作為的でないという理由から好まれる傾向にあります。

 

画像はそのような実例のひとつで、最近、私の手許にやってきたものです。

 

文化人切手(菱田春草)8円が貼られた何の変哲もない書状ですが、昭和26(1951)年9月21日発行のこの切手が、書状料金に1枚貼で使用できたのは、わずか40日間余だけで、同年11月1日には書状料金は10円に値上げされますので、きわめて短命の使用例ということになります。

 

 

これは、この料金最終日の10月31日に静岡・韮山局から差立てられたものです。