放蕩の限りを尽くして勘当された若旦那が登場するところなのですが、
え~勘当される道楽ってぇと、大概ご婦人のほうと相場が決まってますな。
勘当されるほうも、そのほうが形がいいです。
「どうしたのおまえ? 勘当って・・・」
「ちょっとあの、切手を集めすぎちゃって・・・」
こういうのは、どうも塩梅が悪いですな。聞こえが良くないです。
やっぱり勘当ってぇと女のこと。相場を決めたほうがよろしいようで・・・。
勘当のネタは女性問題と噺はきまっているのですが、その「当て馬」に切手収集が登場するとは、何ともおかしいですね。
ですが切手の世界には、この「湯屋番」に登場する若旦那なんぞよりも遥かに「放蕩者」のコレクターが存在することは、落語家の皆さんはご存知ないのかもしれませんね。