destination | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

destinationという語は、フィラテリーの世界では一般に「宛て先(地)」をあらわす言葉として使われます。

ありふれた地域間を運ばれた郵便物よりも、滅多にお目にかかれない、珍しい宛て先を持っている郵便物はより魅力的という考え方です。

こうした着想は、欧米のフィラテリーにはかなり浸透しており、珍しいdestinationをもつ郵便物はそうでないものに比べて遥かに高値で取引されるのが通常です。

これに対して日本はまだまだその水準には到達していませんが、近年、とみにその着想が浸透しつつあると感じているのは私だけではないと思います。

画像は、昭和8(1933)年5月に名古屋から神戸を経て海外に逓送された書留郵便物です。



宛て先地はなんと、ポルトガル領西アフリカのアンゴラです。とても珍しい使用例ですが、日本人のマーケットよりも海外のマーケットのほうが現状では評価が高いでしょうね。