コートジボワールあて航空便書状 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

戦後の航空郵便史は料金体系が複雑なため、なかなか困難な研究テーマですが、人気があり多くの人が収集・研究しています。

先日、偶然にもこんな使用例をみつけて入手しました。



これは、1950年5月26日に大阪局(消印は櫛型ゴム印 OSAKA 26.5.50 JAPAN)から差し立てられた、外信航空書状です。

貼付切手は、産業図案の機関車500円、新昭和100円梅花、10円らでん、4円初雁で、計614円分となっています。

このカバーの特徴としてはまず、この時代の普通切手の最高額面である500円機関車の外信実逓使用という点に目が行きますが、それ以上に重要なのは、宛て先地が極めて珍しい、西アフリカのコートジボワールであることでしょう。

念のためこの分野に詳しい専門コレクターに訊ねてみましたが、やはりこのあて先はみかけないとのことでした。

因みに料金の内訳は、
外信書状(4倍重量便)38円+航空増料金(第5地帯あて)144円×4倍重量便=614円
となり、過不足ありません。