①知らないと本気でヤバい!「卵」の裏側 | 梵のブログ

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知らないと本気でヤバい!「卵」の裏側

すべての偽装は「卵」に通じる


「こうやって常温で売られている卵は買ってはいけない」が、「卵のプロ」河岸さんの主張。そのワケとは?
 
 
 
N君:前回の「知らないと恥をかく、そばの『3つの食べ方』」 から2カ月ほどあきましたが、このところ次回作の取材で、週1ペースで焼き鳥店を回っていて……。焼き鳥はしばらく見たくないほど、たくさん食べました(笑)。
 
河岸:ミシュランで星をとった焼き鳥店も、実に大したことなかったね。テレビで話題の人気焼き鳥店は、もっとひどかったし。次回作でメッタ斬りすることにしよう。
 
N君:で、今回は「ヤバすぎる『卵』の裏側」ですか。「ヤバすぎる外食の『卵事情』」の前 に、まずは「卵全体の裏側」を取り上げるわけですね。河岸さんは卵メーカーに10年勤めて「卵のプロ」とも呼ばれていますが、いつも「すべての偽装は 『卵』に通じる」と、外食でも卵はめったに口にしませんよね。
 
河岸:だって、卵業界の「ごまかし」はひどいからね。日本人は1人平均、年300個以上は食べる卵が大好きな国民のうえに、生卵で食べる習慣まであるのに。スーパーに買い物に行っても、卵は老若男女、必ず買う食品のひとつでしょう。
 
N君:卵の特売日には、朝から行列ができるスーパーもありますよね。
 
河岸:でも、そもそもその光景に大きな問題が潜んでいる。卵が売れる割合は、平日を「10」とすると、週末は「30」。それが卵の特売日になると「100」も売れる。一般的にスーパーは週末のほうがにぎわうけど、特売日になると平日の10倍も卵が売れる。
 
N君:それだけ聞くと、「特売日だし、当然かな」と思いますが……。
 
河岸:問題は特売日に並ぶ卵は、どれも賞味期限が新しいこと。鶏は毎日卵を産むわけだよね。特売日に合わせてたくさん産んだりはしない。毎日ほぼ同じ数だけ産まれる。だけど、特売日には同じ賞味期限のものが、平日の10倍も並んだりする。何かおかしいと思わない?
 
N君:確かに、同じ賞味期限の卵が特売日だけ10倍も並ぶのは、いかにも変ですね……。もしかして、賞味期限を“偽装”しているってことですか?
 

 


前回、創業100年を超える老舗そば屋を取材した際、「そば屋の実力は『卵焼き』に出る」 と述べました。

 

その店の卵焼きは、新鮮な卵6対ダシ4の「フワフワの卵焼き」でおいしかったのに対し、外食では「カチコチの卵焼き」に出会うことが少なくありません。それには「工場で焼いた卵焼きを仕入れている」以外に、さらなる「裏側」が潜んでいます。

 

それについて解説する前に、今回は「ニッポンの卵事情」について取り上げます。

 

卵については前作『スーパーの裏側』 でも30ページにわたって詳しく述べましたが、私に言わせると、日本の卵業界は「ごまかし」が多すぎる。「すべての偽装は『卵』に通じる」というのが私の持論です。

 

卵を日頃からよく食べる人、卵料理が好きな人は、ぜひその「裏側」を知ったうえで、食べていただきたいと思います。


店で「解凍する」「ラベルを貼る」と、その日が「製造日」になる



 

河岸:そもそも卵の賞味期限って、どうやって決まると思う?

 

N君:それは「卵を産んだ日から何日後」で決まるんじゃないですか。

 

河岸:いや、そうじゃないの。卵の賞味期限は「パックされた日から何日後」で決まるの。

 

N君:えっ? じゃあ古い卵でも、今日パックしたら、賞味期限は今日から何日後になるわけですか? つまり「同じ賞味期限」の卵でも、「産卵日が同じとは限らない」ということですか?

 

河岸: そのとおり。それは卵に限らないけどね。スーパーで売られている食品にはそんなものがたくさんある。たとえば、半年前に作って冷凍したアジの干物だって、 スーパーで今日、解凍すれば、その日が「製造日」になり、その日を基準に賞味期限が決められる。何日も前に作ったお弁当も、店でラベルを貼れば、そのラベ ルを貼った日が「製造日」になる。

 

N君:なぜ、そんなことが許されるんですか?

 

河岸:「解凍すること」「袋にラベルを貼ること」「パックに詰めること」も、法律ではすべて「最終加工」と見なされ、「製造日」になるから。その日を基準に、賞味期限が決められる。そう法律で決まっているから、法律違反でも何でもない。

 

N君:すごい理屈ですね……。『スーパーの裏側』 の帯の裏に「えっ? そんなことまで合法なの?」とコピーを載せた理由は、それなんですね。

 
 
 

河岸:ほかにも、スーパーの「合法的偽装」には、売れ残ったトンカツを「カツ丼」に“リサイクル”したり、売れ残った刺身やハムを“再パック”して今日の日付で出し直す「使い回し」もあるけどね。詳しくは『スーパーの裏側』に書いたとおり。

 

卵の賞味期限=「産卵日」ではなく「パックした日」で決まる

 

N君:卵に関しても同じで、「卵をパックに詰めた日」から、賞味期限が計算されているんですね。

 

河岸:そのとおり。特売日に平日の10倍、同じ賞味期限の卵が並ぶ理由がここにある。卵は毎日ほぼ同じだけ産まれるけど、それを保管しておいて、特売日に合わせてパックするんだ。だから賞味期限が新しい卵が、平日の10倍、店先に並ぶことになる。

 

N君:中には古い卵も混じっているわけですね。それを生で食べると考えると、ちょっと違和感がありますよね……。

 

河岸:卵の生食については、もうひとつ別の問題もあるけどね。

 

N君:「外食では極力、卵を食べない。とりわけ生の状態では絶対に食べない」というのが河岸さんのスタンスですが、外食で卵を食べない理由は何ですか?