昨年の9月に劇場公開された映画ですが、あべのコミュニティシネマで8月9日に上映会があったので、観に行ってきました。

 

 予告編はこちら。

 

  

 

 関東大震災の時に、朝鮮の人たちが集団で襲ってくるとか放火しているという根拠のない噂によって、罪のない朝鮮の人たちや中国の人たち、あと社会主義の人たちを殺害するという事件が起こっていました。その中、香川の行商人たちが千葉で朝鮮の人たちを誤解され、殺害されたのが福田村事件です。

 

 映画の前半は、行商人たちが被差別部落の人たちだということを含めた背景や行商の様子などと、福田村の人たちの生活や日露戦争に行っていた人、戦死した人の家族(夫婦だけでなく嫁姑も)の関係などが描かれています。

 

 自分だったらどういう反応をするのか、その場になってみないとわからない面はありますが、やっぱり集団意識って、怖いなって思います。

 行商人たちが殺されるきっかけとなった一言「朝鮮人やったら殺してもええんか」っていうの、私もずっとひっかかってたんですよね。

 駐在さんが確認に走っている間に、行商人に対して、本当に日本人か、朝鮮人じゃないのかという押し問答をしていていて、行商人の親方からこの一言が出るんです。

 

 自分たちは正義を執行してるって思いこんでるから、少数の声では止められない。

 ほんと、怖いです。

 

 情報を流す新聞社の記者の目線の描写もありましたが、被災した人たちの視線を朝鮮の人たちに向けるように仕向けたのは、行政側という感じで描かれていました。

 新聞社の記者としては、正しいことを書きたくても、書けない。

 こういう操作が行われていることも怖いです。

 

 SNSのない時代でも、こんなに簡単に操作されるんなら、SNSのニュースを簡単に信じて拡散してしまう今の時代だったら、もっとすごいことになるかもしれませんよね。

 今いろんなところで誹謗中傷が問題視されていて、しないようにという注意喚起が頻繁に行われていても、全然なくなっていないようです。

 

 自分自身の情報との向き合い方も含めて、いろいろ考えさせられる映画でした。

 いろんな人に観ていただきたいと思いますが、誹謗中傷を書き込んだりしている人たちは、結局観ないんですよね。自分は正しいと思ってるから…