おはようございます。


三男坊が突然頭を丸めてて

驚いたよしけんです。

#センター分け卒業

#目指せ甲子園


さて、今朝は。

あかすり放浪記の続きです。

では、どうぞ。

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浴室よりも湿度が高いその部屋は

外から想像した通りの薄暗さで

ベッドが三脚並んでいました。


奥の二つには既に横たわる

お仲間のおじさまがおられ、

すでに施術が始まってました。


『コチラニオネガシマス』

妙齢、国籍不詳のお姉さんが

指し示すベットに横たわります。


裸で寝かされるのは、

よく考えたら虫垂炎の手術以来。

あの時ですら簡易的な服は着ていましたから

こんなフルネイキッドスタイルは

自身の初体験。


恥ずかしいわけじゃないですが

紙パンツ的なものがないんかなぁと

ぼんやり考えてると、


ペシャ、と下腹部にタオルをかけられます。

イメージで言えば、大学を卒業する時に

黒衣姿と一緒にかぶる小さな帽子。


そんな感じでちょこんと乗せられました。


変態仮面かよ、とツッコミそうに

なるやいなや、お腹を2回ポポンと叩かれます。


『オニサン…ネ笑』

え?なんて言ったの?

わからない僕はYESでもNOでもない

顔を浮かべて頷きました。


もしかしたらサムギョプサルと

言ってたのかもしれません。

誰が食材だよ。


先ほどちょこんと被せられたタオルと

同じサイズのタオルを目に被せられ

暗闇の中で、念願の施術開始。


荒目の何かで身体中を

ガッシガシ擦られていきます。


マッサージがうどんの気持ちなら

垢すりは、大根おろし

とでも言いましょうか。


頑固な汚れを落とすかのように

日頃のストレスを晴らすかのように


妙姉は一切の躊躇なく

僕を削っていきます。


感想は

痛気持ちいい、ですかね。

痒いところに手が届いたーって感じ。


妙姉はさすが熟練者、

手際よく、抜かりなく

施術を進めて行きます。


ザシュザシュという音と共に

下腹部に申し訳程度にかかったタオルを

巧みに操り、


股関節あたりまで丁寧に磨き上げます。

最後の方ではほぼ岡本夏生ばりの

ハイレグになっていて

正真正銘の変態仮面。


そんな事を考えていると、

自分の手元に何やら

触ったことのある物体の感覚が。


消しゴムのカスみたいなものが

大量に飛び立っているようで、


あぁこれが、僕のかけらなのか、

こんなに削り取るほど

沢山あったのね、垢さん。


足の指の間まで徹底的に削られ

庭の草木にやるように

丁寧に水を巻かれた上で、


『ウツプセ、ネガイシマス』と声がかかります。




先ほど目においていた濡れタオルを

顔の前に引かれて、


なんか臭いそうだなぁと思いつつ

背中の施術も開始。


隠す部分、母する部分が無いからか

妙姉はさらにパワーアップ。


ザッシュザッシュザッシュ、

雪国でも歩いてるんやろうか

という音を立てて、

施術が進んでいきます。


途中、お稲荷さん近傍まで

そのピーリングが迫りましたが


西本アタックばりに

ギリギリにかわしていく手技に

心では拍手喝采。すげーな。


と、ふとそこで

他人にこんなに丁寧に体を洗われたのは

いつ以来だろう?と考えます。

しかも寝たまま。


流石に記憶は無いけれど

赤ん坊の時依頼なんだらうなぁ。


息子たちを沐浴した時の事を

ふと思い出すんです。


お風呂に入った刺激で、

目を大きく開き

『なんやこれーーーー』という顔。


小さい頭、小さい手。

首の下に手を入れて、

ガーゼで丁寧に丁寧に洗う。


怖かったなぁ、落としそうで。

そんな子供ももう大きくなったなぁ、


早いモンだよ人生は。

大切に生きなきゃねぇ。


あぁ喉乾いた、水飲んだはずなのにな。

今日のご飯はなんだろう、、、


わわ、なんで突然こんなとこに?

救命道具は?着てる?

あれ?いつの間に?


行ってらっしゃいじゃないよ、

押すな押すな、これダチョウじゃなくて

ホンマのやつ、怖いって怖いって、


あぁぁぁぁ…


『オハヨコザイマス、オニサン』

 

寝てたのか、この状態で。


渓谷をボルダリングするところで

夢の中から覚醒。


タオルに沢山含まれてた水を

多少吸ったり鼻にも入ったりしてましたが


元気に退室しました。

 

『オッキネ,ツカレタヨ』

だろうね、ありがとね。

そんなこと会話して、一度サウナに。


ツルツルになったからか、いつもより

じゃんじゃか汗をかいてました。


その時ふと思ったのです。


あのカタコトの話し方

演出ちゃうか?

仮に昔から日本に住んでたら

あの年齢ではもっと話せないと不自然。


プロって凄いなぁ、と感じながら

もう少し茹でられたのでした。