『お前は豚舎から拾ってきた。産まれたての子豚の中から、一番マシなやつを拾った』


『ケンブー』


『私の隣を歩きたいなら、もっと痩せてよ』


『太ってるから、通れないねw』


『お客さま、お客さまのサイズは当店にご準備がありませんので、お引き取り下さい』


『いつ出荷されんの?w』


『今日も太ってんなぁ』


『どこの関取かと思った』


『痩せてる時期もあったのにね』


『太ってるリーダーなんて世の中には居ないぞ。その醜い腹を何とかしろ』


『重いし、暑苦しい』


『服どこで買ってんの?サイズある?』


『オシャレの前に気をつけることがあるやろ』


『太ってるのイジられるのが嫌なら、痩せたらええやん。デブは努力不足やで』


『頑張って痩せてみようか!』


無条件で腹を揉まれ、胸を揉まれ

豚、デブと吐き捨てられる。


『また、太った?ww』


『どうしたん、ご飯少ないやん。ダイエット中か?無駄やでそんなことしても』


『35になってここまで肥満やと、将来不安ですので、少し体重を落としてください。あなたは健康を舐めてませんか?』


『よしけんを肥満にしてしまったのは、食生活のせい。ごめんね、苦労させて』


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太っているから劣等者。


コンプレックスを乗り越えて、

生きなければならない。

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過去から何度も何度も何度も何度も

繰り返し繰り返し続く、

僕の容姿に対しての心ない言葉や行動。


太ってたら迷惑なのかな?

生きてて邪魔なのかな?


そんな風に思う時期もあったけど、


何クソ負けるか!と

自分が生きる意味を定義し続けて、

生き続けてきた。


この前、

『健康は向こうから歩いてこないよ』

と、声をかけられて


いよいよ、プツンと何かの糸が切れた。


そして、理解できた。

みんなストレス発散したいんだなぁと。


自分の中の醜い感情を

安全な人にぶつけることで、

消化させてるんだな、と、

本能的に悟った。


41年この体と心で生きてきた。


心ない数々の言葉に対して

返刀の種類は増え、

時に笑いに変え、時に真面目に、と

丁々発止とやり合ってきた。


それが自分を守る術だったから。


その後、

『太ってる原因は、怒りを我慢してるから』

そうアドバイスくれた人がいた。


確かに自分への怒りや、

他人からの皮肉を飲み込んでは、

毎日生きてきたな、と苦笑いしつつ、


ありのままの自分で

生きたらいいやんか。


そんな天啓が聴こえた気がした。


そういえば、と思う。


僕が大切にしてる人から

僕は容姿について批判的な意見を

もらうことがない。


子供たちに至っては、

大きいパパが好きと言う。


そして、ふと、気付く。


これまで僕に投げかけられた

嫌味な言葉の刃は


きっとそれだけ、

いやそれ以上の刃を

僕がその人々の喉元に

突き立てていたから、


投げつけられたモノなのかもな、と。


誰からも触られないようにと

自己防衛のために、

ヤマアラシのようにトゲを立てていた


世間は恐ろしいと嘆く

あの日の僕は、もういない。



投げられた嫌な言葉や行動は

それを僕が誰かに同じように

してるからだ、と反省しよう。


無意識のうちに、人は人を蹂躙する。

そしてそのしっぺ返しは、

必ず、目に見えて現れる。


言葉の刃は、諸刃だ。

とんでもなく恐ろしい。