東京に来て、3年目に今の会社が出来ました。
そこで出会った、新たな相棒。
(って僕が言うと嫌な顔しそうなやつ)
その相棒の先輩が、大変な美食家さんで。

ドイツ語で言うグルマン。

その人のご紹介で、
感性と胃袋を磨く会が
不定期に開催されます。

今回は僕が異動する前から決まってた、
予約の取れない江戸前天ぷらのお店へ。


お店や料理の写真も撮影できるのですが、
クロ現で店主の早乙女さんが、
『写真は構わないが、
    そんなお客さんはそれ相応の
    扱いをします』

と仰ってたらしく。
今回はスマホは全て預けて、
全身全霊を料理に傾けました。

まず。前菜。
茹でそら豆とおぼろどうふ。
そして、マグロの漬けを炙ったもの。

もうね、
ズキューーーンです。
食べたことないの。こんな味。

繊細で優しい
でも、芯が強くて。
ちゃんと優しさが
最後まで口の中で残る。

そこから僕ら3人は
圧倒されます。

早乙女さんの手が動き、
一品目がお出まし。

車海老。
二尾頂いたのですが、
一尾目がレア、
弾力と磯の香りが
香ばしく仕上がり。

二尾目がウェルダン、
エビそのものの甘さが、
ぎゅーーーーっと凝縮されてました。

頭から尻尾まで、
塩でいただく。。

まぁ美味い。

天つゆに大根おろしの
セットももちろんありまして。

そこの大根をお口直しに、
二品目の、キスを。

となりの相棒が、
むはっ!と声を上げるくらい、
キスの概念を超えてました。

こんなキス始めて。
まさに恋に落ちる勢い。

次は、イカ。

何ですかね。
衣の服を着た、
濃厚な刺身を頂いているかのような。
食べたことのない味わいでした。

序盤からお弟子さんが丁寧に作っていた、
雲丹の大葉巻きがここで登場。

大葉のサクサク感と、
雲丹のどっしり感。
そして、ほのかな潮の香り。

山と海、おんなじ自然にあるものだから、
ベストマッチなんだなぁと感じます。

次は、白魚。
達人の手が細やかに動き、
一尾一尾、丁寧に素早く、
タネを通し、油に浸す。

サササッと仕上がった白魚が、
ザザザッと皿に盛られる。

これがね。
塩で食べても、ツユで食べても
美味すぎまして。。

交互に食べると、お互いの良さが
また際立って。

この辺から日本酒片手に、
グビリとやっては、
パクリと食べる。

段々と無言になっていく3人。


次は、何だこれ。
見たことのない植物。

『タラの芽です。塩で召し上がり下さい』

ガリリとかじり、
もぐもぐもぐと三口動かしたら。

まぁなんと
香ばしいこと香ばしいこと。
胡麻油と大自然のマリアージュ。
味皇なら、涙流してるところです。

この辺りで、
野菜を二品選びます。

悩みに悩んで、
茄子とアスパラを選択。

『メゴチです。』

まさに美味しんぼでいつか見た、
小さくても濃い魚。

半身ずつ、ツユと、塩でいただく。
白身のくせに、力強い。
あぁもう一尾欲しいところ。

日本酒が進んで困ります。

そうこうしてるうちに、
穴子が出来上がりまして。

一尾が大きいのですが、
名人がこれを菜箸で見事に両断!

ザクっ!
切り口から、湯気がブハーーっ。

色めくカウンターの皆さん。
僕も年甲斐なくおおお!と漏らす。

油の多い腹はツユで
さっぱりとした尻尾は塩で。

言われるがままに、
パクリと食べる。

腹身のほろ苦さと、
油と大根おろしのせめぎ合いを楽しみ

尻尾の実直な身の美味さを
塩がぐーーっと伸ばす関係を楽しみます。


茄子が揚がったころに、
締めのご飯を聞かれまして。

小柱かき揚げの天丼か天茶。
僕は天茶を注文。

季節外れなのに、
大地の恵みをたくさん
その身に残した茄子の
ジューシーさに驚き。

春待つ厳冬を超えた
アスパラの生命力に
舌鼓を打つ。

玉露と漬物が
そのタイミングでやってきて、
胃の中で起きる、
加速度的な味の戦争を
和らげてくれる。

天茶は、お出汁たっぷりのお茶漬け。
三つ葉の香りがぷんと漂い、
小柱のホクホク感と、
出汁を吸ったご飯が、
僕の胃にお疲れ様を告げてくれました。

食べ終わってしばし
3人放心状態。

天ぷらって、こういう料理だったのね。
とんでもなかったです。


最後に巨匠のサインをもらい、
大満足で退店。

プロって、本当に凄い。
料理って、本当に素晴らしい。

美味いものを食べると、
もう何もいらなくなります。
1件で、その日は終了。

この体験、本当にオススメですよ。

早乙女さんの天ぷらは、
もはや芸術品なんですね。

食むとは、何か。
改めて考えさせられた、2時間の旅でした。