もう10年は昔の、
僕が生まれ育った町で起きた悲劇。

蹄のある動物だけが感染する
伝染病が流行りました。

畜産の町で知られる隣町は、
その影響もあり、
窓を開けて車を走らせると
スパイシーな香りがします。

ただ、あのときは。
一切の匂いがなくなりました。
無味無臭の、匂い。

僕の親戚は、そのことをきっかけに、
事業をたたみました。

手厚く育てた彼らは、
いつかは誰かの幸せの礎になる。

その事を知りながらも、
生あるうちは、幸せに。
生を受けたからには、意味を持たせたい。

愛でて、撫でて、育てる。
激しい風雨の時も、
雷鳴轟く時も、彼らを見守るその目は
慈しみと、本気の熱が帯びている。
親が子供を見守るが如く。

そんな彼らを襲った、殺処分。
殺して、無いものにする。

親戚は、何もしてあげられなかったからと、
辛かったと言ってました。
PTSDと診断を受け、
心労でしんどい時もあったそうです。
(僕には微塵も見せなかったけど)

発生源の特定は必要かもしれません。
ただ、ある獣医さんは、
そのことに、気を病み。
自ら命を絶ったと聞きました。

岐阜から始まった今回の騒動。
愛知県の対応の悪さばかりが
指摘されてますが。

そもそも、考えて下さい。
誰が、一番病んでるのかを。

無知は時に無責任であり暴力だ。

人間には絶対感染しない。
食べても大丈夫。
豚肉の流通には問題ない。

皆さんも考えてみて下さい。
何が一番病んでるのかを。

あれから時は過ぎているのに。
何も変わらない対応。

僕は違和感を禁じ得ない。