新宿。
ネオンギラギラ。
群衆ニギニギ。
カイジとウシジマくんがいっぱいいる。
風俗店の目の前で盆踊りみたいなのを踊っている。
聞こえてくる言葉が何語かわからない。
目にも、耳にも、鼻にも、煩い。
とにかく、煩い。
コマ劇場が壊されて作られた無機的な建造物は、権力の塊のように、先端が尖り、狭い空に貪欲に伸びていた。
少しでも気を抜けば、財布の中をからっぽにされて汚物まみれの路上に放り出されそうに感じるほど、空気が鋭利だ。
原色の色どうしが幾つも乱雑に塗りたくられ、混ざり合わせられ、耐え難くなり空を見上げると、消費者金融の巨大な看板が待ってましたという顔で空にデカい網を張っていた。
気に入らねぇ街。
だけどそんな街の片隅で、あいつは闘っているのだ。たったひとつの箱の中で、命を張るのだ。
俺は過去数回、あいつの試合にいかなかった。いけなかった。ドタキャンで。
自分のことでいっぱいいっぱいな、愚かさのせいで。
その間に、あいつもいろいろあり、苦しんでいたのだが、俺はそれすら知らなかった。俺は最低だなと、思った。
それでもあいつは、また声をかけてくれた。しかも、引退が近いという。
まさかだった。いつまでもあると思っているものほど、あっという間に、なくなってしまうのかもしれない。
今日は自分に正直に、応援したくて、勝って欲しくて、いまここに来た。
嘘をつかないで、生きていきたい。
おそらくもうほとんど殴られることなどない腑抜けヅラで見つめることがおこがましくも、キミが命をかけて殴り合うのを、見に来た。
あいつはインタビューで、勝負は勝つか負けるかだと、言っていた。
確かにそうだ。負ければ、いつまでもチャンスは無いのだ。それはきっと、どの世界でも同じ。
だけどこれだけは言いたい。
キミはもう勝っている。リングの上じゃない、もっと大きな勝負に、勝っていると思います。
だから今日は、
伸び伸びと、戦ってほしい。
知ったような口をきいてごめんなさい。
自分を、誇ってほしい。
俺が言うまでも、ないか。笑
頑張れ!