どうも、竹下健人です。

昨日のLINELIVEで
僕が書いた短い台本「12人の入れ替わる男」を
せっかくなので載せようと思います。

イベント用とはいえ、
台詞を考えたりする時間は楽しくて、
それを実際に皆が声に出してくれたので嬉しかったです。

以下の台本はあくまでベース台本で
稽古で意見を出し合って、どんどん変えていきました。
個性バラバラの12人の劇団員が
ある日入れ替わってしまうというお話です。

メタな部分の要素が強めです。

初見の方は「あ、この人こんな感じなのかな?」だったり
ご存知の皆さんは「あぁ、わかるわかる」みたいな感じでお楽しみくださいませ。

温かい目でみていただけると幸いです。

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「12人の入れ替わる男」 作:竹下健人

ナレ 定期的に行われる劇団patchのミーティング。
12人みんな、それぞれの自宅からリモートで集まっている。
今日は何だかいつも様子が違って...

竹下(星璃) なぁ!ちょ、おい!だれか!おい、はよ出て! 

みんなカメラをつける

田中(松井) 星璃、これどないなってんねん?なぁ、キョロキョロするなってー! 

竹下(星璃) 呼び捨て...?ちゃう、おれこっち! 

田中(松井) けんと、ええって。そゆの今いらんて。 

星璃(竹下) え?え?呼び捨て...? 

井上(吉本) なんなんこれzoomの新機能なん? 

田中(松井) 拓哉ボケてる場合ちゃうねん。 

井上(吉本) とーるに言われたくないわ。おれ拓哉ちゃうし。どこみてるねん。 

吉本(井上) えーどゆことこれ。どうなってんの。

星璃(竹下) この流れって...

近藤(納谷) まって、何かがおかしい...? 

納谷(近藤) なんすか!これ新しいゲームですか!え、おもろいおもろい! 

近藤(納谷) テンション高い俺が...喋ってる...

田中(松井) よしどこや?おい、よし!

尾形(中山) おれここおるでぇ

田中(松井) だい...ご?

近藤(納谷) だいごそれいまふざけてる?本気? 

中山(尾形) よしさんの部屋ですか?ここ。きれいですね。ふっ...あっ、これなんやろ。 

尾形(中山) やめて、大吾やめて。 

田中(松井) ゆうひは?ゆうひ!ちょっと歌ってみて! 

三好(藤戸) いや、むりっすね。音域が違うんで。すいません。 

藤戸(三好) 俺歌うときは基本低音やからなぁ。

田中(松井) なんで2人冷静なん?

竹下(星璃) ゆーほさん全然喋らんやん。

松井(田中) ちゃいます。僕田中です。 

尾形(中山) それもゆうほやとボケてるように感じるなぁ。

田中(松井) まて大吾、なんでタメ口やねん!

中山(尾形) おれ、何もゆうてないですよぉ。

お前誰?え、なにゆうてんの? どうなってんのこれ?
みんな、混乱して騒ぎ出す。

竹下(星璃) ちょ、ちょっとまって!みんな黙って!一回だまって!! 

近藤(納谷) いや、ほんまに。一回落ち着きましょう? 

納谷(近藤) え、やば!これなに?入れ替わってるやつ??え、おもろいやん!! 

松井(田中) あの...とりあえず静かにしませんか?つかれるだけですよ? 

竹下(星璃) ゆーほさん、めっちゃ真面目やん。

松井(田中) 僕、田中です。 

藤戸(三好) いっかいさぁ、誰が誰か確認して整理した方がええんちゃう? 

中山(尾形) そうしましょう!

尾形(中山) ゆうほー

田中(松井) んー。亨ごめん。とりあえず一回どんなパンツ履いてるか確認させてな(立ち上がる) 

松井(田中) やめてください!何でなんですか!

尾形(中山) 星璃ー 

竹下(星璃) はーい。おい健人。お前俺が何年も前に貸したジャージいつまでもってんねん。

星璃(竹下) あははは。

尾形(中山) らーん 

藤戸(三好) はいはーい。何もしてないのに何で汗かいてんねんやろ...クーラーつけるか... 

尾形(中山) たくや 

吉本(井上) はーい。たかしんち、また改造した?みるたんびに変わってるな。 

尾形(中山) けんと 

星璃(竹下) あぁ。体のゴツゴツ感に全然慣れへん。急にマッチョになってしもた... 

尾形(中山) たかし

井上(吉本) (あたりを見渡して)たくやめっちゃ帽子あるやん。かーぶろ。
吉本(井上) やめろ。

尾形(中山) こんちゃん

納谷(近藤) はい!はい!はーい!へー、これが健のみてる世界かぁ。

尾形(中山) たける 

近藤(納谷) はい。え、どうしよ。天井に手届く...高い所の物がいともたやすくとれる...怖い怖い 

尾形(中山) ゆーひ

三好(藤戸) はーい。らんくん、目離れてるから...視界独特っすね。笑

藤戸(三好) おい、人の顔で遊ぶな。

尾形(中山) だいご

中山(尾形) はい。

尾形(中山) とーる

松井(田中) ...

星璃(竹下) あれ?とーる?

松井(田中) (パンツを確認しようとしている)あ、はい。すみません。
 
藤戸(三好) 信じがたいけど、入れ替わってしまったってことかなこれは。 

三好(藤戸) そういうことやと思います。

尾形(中山) なんでそこ2人は冷静なん。

田中(松井) えー、嫌や!はよ元に戻ろうや。おい、とーる!俺の身体返して! 

松井(田中) え...ぼ、僕に言われても...。わかんないですよ...。どうしたらええんか。 

星璃(竹下) んー、なんでこうなったんかを考えるのが1番得策じゃない??

近藤(納谷) 俺もそう思います。きっと何か理由があって12人全員入れ替わったんちゃうかな。とりあえず遡ってみて、整理してみましょう。 

井上(吉本) こんちゃんめっちゃ健っぽいなぁ。 

吉本(井上) いや...中身は健やって。わかるやろ。てか俺の体やと、たかしはなまらんのか。 

納谷(近藤) 逆に井上やのにたかしくんの体やと地味になまってる。おもろー! 

竹下(星璃) わーったわーった。うん。何にせよ早よ元に戻らな余計面倒なことになりそうやな。 

藤戸(三好) 気がついたら、みんな入れ替わってた...。なんかすっぽり抜けてる気がする。よしー!なんやと思う?

尾形(中山) そやなぁ。うーん。 

中山(尾形) よしさん、思い出して! 

尾形(中山) うーん。そやなぁ。 

中山(尾形) あ!もしかして...

全員    ん?

中山(尾形) いえ、なんもないです。すみません。

尾形(中山) あのさ、もしかしたらやけど...

全員  なに?なに?

尾形(中山) 喧嘩したんちゃう?昨日。

全員    え?

尾形(中山) いや、だから喧嘩。口喧嘩。 

中山(尾形) それです!おれもそれ言おうとしたんですけど、さすがにその答えはアホすぎてバカにされる思って言うのやめました笑 

尾形(中山) ...

松井(田中) だいご、ちょっと静かにしよう。 

星璃(竹下) あぁなんかそういえば喧嘩したような...気もするような...なんで覚えてへんのやろ。 

田中(松井) オッケ。じゃあ話は早いな!喧嘩しよ!!よーし、おいこら、ふざけんなよお前ら! 

吉本(井上) どういう理屈? 

近藤(納谷) もっかい喧嘩したら元に戻るってことを言いたいんじゃない? 

吉本(井上) なんでそうなんねん。 

井上(吉本) いやぁ、とーるも普段これくらい明るかったらなぁ! 

松井(田中) なんかすみません...

田中(松井) 無理!ゆるさん!

松井(田中) えぇ...

藤戸(三好) キレてる理由がめちゃくちゃや。落ち着きーや。なぁ? 
田中(松井) なんやゆーひやるんか!

三好(藤戸) いや、俺こっちですって。 

納谷(近藤) おもろいけどちょっとあきてきたなぁ。そろそろもどりましょー! 

近藤(納谷) 解決策をちゃんと話し合いましょうよ?!みんな、もうちょっと真剣に...

みんな口々に、文句言ったり だからお前は...みたいなんとか それぞれにはよ元にもどろうっていったり... わちゃわちゃしてその場が乱れる。

 竹下(星璃) はいはいはいはいはいはい!!ストップ!!みんなストップ!! 

尾形(中山) んー、喧嘩しても元に戻らんかったなぁ。 

星璃(竹下) 違う角度で考えた方がいいんかも。 

中山(尾形) あ。ちょっといいですか?? 

松井(田中) どうしたんですか...?あ、だいごか。 

中山(尾形) みなさん、なんか心の奥らへん、チクチクしてません?モヤモヤしてません? 

松井(田中) なにがいいたいん?

中山(尾形) これ、もしかしたらですけど。当たり前の事を、僕らは当たり前かのように忘れてしまってたんかもしれないです。 

藤戸(三好) ちょっとわかりにくいな。

尾形(中山) 仲直り...

全員 え?

尾形(中山) 大人になって忘れがちやけど、些細なことでも言葉ひとつ、言えんかったりすることってあるくない?

三好(藤戸) つまりどゆことですか?

尾形(中山) ごめん。

全員    ?

尾形(中山) わーわーしてるうちに思い出したんやけど、喧嘩してみんなバチバチで空気悪なって退出したよな。たぶん俺もかなりイラついてたと思う。 

竹下(星璃) あ。そういえば...なんかそんな感じやった気がする。 

近藤(納谷) 口喧嘩なんかしょうもない、思ってましたけど。解決せんままやと、皆ひっかかったまんまなんですね。シンプルなことやのに。 

田中(松井) ごめん!いや、たぶんおれや!みよが意見ゆうてくれたのに俺がガッて...

藤戸(三好) ううん、多分おれがそもそも言い方が悪かったんやとおもうわ。

星璃(竹下) どちらかの肩を持つみたいな感じで珍しくみんなヒートアップしたね。

井上(吉本) こればっかりは、みーんなが悪いな。 

吉本(井上) な。たかしもな。

井上(吉本) わかっとるよ笑

納谷(近藤) なんかいい空気なったんちゃいますー?!

それぞれに。ごめん、すまん、すみません、ごめんなさい。だったり...

星璃(竹下) 結局何が答えなんかようわからんけど昨日のモヤモヤが一個解消されてよかったね。 

尾形(中山) 今日はこの辺にして。1日ちょっと頭冷やして、明日またもっかい解決策かんがえよ。 

井上(吉本) うん。そうしよう!

納谷(近藤) もどれる!もどれる!大丈夫やって!

田中(松井) ほな!というわけで。

竹下(星璃) まって!みんな、極力お互いの生活に干渉しないようにな!ややこしいから! 

近藤(納谷) 入れ替わってるってことを忘れたらだめですよ。

全員 はーい。お疲れー。

いったんみんなカメラを切る。

ナレ 翌朝、ふたたびミーティングの時間がやってきました。

星璃 いやーよかったよかった。

三好 これほんまに喧嘩が原因やったん? 

近藤 楽しかったですね!ファンタジーファンタジー! 

納谷 しょりぴー楽観的やな...てかチャリのサドル高くした?足つかんくて怖かってんけど! 

近藤 コンビニ行くのに乗っていこーおもて!おちつかんくて高くした! 

星璃 いや、身体たけるやから上げても意味ないやん!

中山 なぁなぁ、だいご。俺の部屋...勝手に模様替えした? 

尾形 有難う御座います!拝見しました!元々お洒落でしたけど僕の好みの色添えときました! 

中山 うそやろ!?おいおいそれはあかんやろ...て言いたいところやけど、むしろありがとう。

竹下 ええんかい。

松井 とーるの家のご飯美味しかったなぁ。おかわりしまくったわ。 
田中 どういたしまして。

松井 お母さんにありがとうって言うといて。

田中 え?あ、はい。わかりました。 

藤戸 らんくんって小食なんですか?いつもの量の3分の1しか食べれんかったんですけど! 

三好 逆にゆーひ食べすぎやろ!俺あんな食べたん初めてやったわ。 
松井 なんにせよ戻れて良かったなー。 

井上 ちょっとたかしになった気分で俺もDIYできるかな思って試してみたけど    家散らかしただけやったわ。ひゃっひゃっひゃ(拓哉の笑い方で) 

松井 あれ。たかしおらんやん。

中山 まだ寝てるんかな...

納谷 あ、おれ電話してみましょうか。

星璃の携帯がなる。(考志、実際に星璃にかけて下さい。マネージャーの携帯からっていうていで)

星璃 あ、マネージャーや。ちょっと待って。もしもし。お疲れ様です。    はい?あの、ちょっと落ち着いて話してもらっていいですか?...ん?    なんでそんなナマってるんですか?はい?え?考志?どゆこと?マネージャーと喧嘩した?      それから連絡繋がらん?分かった、早く仲直りしてミーティング参加してな。はいはーい。 

中山 どしたん?

星璃 なんでかしらんけど、マネージャーと入れ替わったんやって。
 
三好 なんでやねん。

納谷 せっかく元に戻ったのに。 

竹下 連絡つかへんって、よっぽど怒らせたんやな。 

井上 アホやなー。笑

松井 ほな、次の企画の案だしあってこー。 

星璃 じゃあ次のイベントの話、すすめていきまーす。よろしくー! 

全員 はーい。

ナレ このあと無事にたかしも元に戻って、その日のミーティングを参加しなかった事をみんなにこっぴどくいじられましたとさ。
おしまい。

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劇団Patchとして
zoomを使って、台本を読むということをしたのが
何気に初めての試みだったので

これもまたいい経験になりました。

これからもトライアル&エラーで
どんどんチャレンジしていきたいです。

それでは。

シャキッといこう。