冨山和彦氏「人手不足対策の本丸は何もしないこと」 | 大阪の社長 kentのブログ

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先日あるYouTube番組を見ていると冨山和彦氏が出演されていました。

 

冨山氏と言えば産業再生機構で企業再生に関わった経営再建のプロ中のプロで、卓越した経営観をお持ちの方だと感じています。

 

その冨山氏の著書「会社は頭から腐る」「社長の条件」なども過去に読ませていただいており、「確かになぁ」って納得する事が書かれていた記憶があります。

 

その冨山氏がYouTube番組で昨今の人手不足に対する考えを述べておられたのがすごく印象に残りました。

 

要約すると「人手不足が原因で業績が悪くなった会社を救うな」って事ですが、経済が本来の調整メカニズムを発揮して、本来起こるべき雇用の移動や企業の新陳代謝を防がないようにしなければいけないって事です。

 

つまり業績が悪く、昇給ができない企業は市場から淘汰されるべきで、企業は色んな努力や工夫を重ね高収益体質になり、従業員への昇給を続けなければいけないって事です。

 

ただ、残念な事に業績が悪くなった企業の倒産を防ぐ施策が打たれ、本来は潰れている会社までが細々と生き残り、従業員への昇給や法人としての納税もできず、公共の財産である社会インフラだけをただで喰らっている状態の会社が多数存在する事が悪である。との見解でした。

 

確かにその通りだと思います。

 

人材の流動化が起きる事で本当なら勢いのある会社や社会に対して高付加価値を提供している会社に人が集まり、更なるイノベーションを起こしていくのだと思うのですが、残念ながら日本では雇用は固定化しており、衰退産業にもベッタリと人は引っ付いたままの状態です。

 

変化を恐れ、変化を疎んじる

 

そんな事で右肩上がりの成長や、社会に新しい価値の提供などできる筈がありませんし、イノベーションが起こる事もないですよね。

 

冨山氏は行政の規制だけではなく、金融円滑化法、保証協会融資、雇用調整助成金なども人材の流動化を阻害している原因だと話されていました。

 

コロナ禍では多額のコロナ融資、雇用調整助成金、補助金、協力金と言う名の税金がばら撒かれ、企業の倒産を防ぐのに一定の効果はあったと思いますが、コロナも明けて人手不足状況となった今、そうした施策は即終了すべきだと思いますし、変化に対応できない会社は淘汰されるべきだとも思います。

 

低生産性の会社を潰さなかったのは「失業者問題」があったからだと言われていますが、今は労働環境が大きく違ってきたので無理に低生産性の会社を、生き残らせなくても、生産性の高い会社が残れば成長戦略になると思います。

 

だから国や行政が「何もしないこと」が大切だと言う事です。

 

今まさに人手不足問題を抱えている業界

 

飲食、物流、介護、ホテル、タクシー、バス 等々

 

これらの業界の中で秩序ある競争によって淘汰れるべき企業は淘汰され、高付加価値を提供している企業同士で更なる競争が起き、技術的にもイノベーションが起きるのだと思います。

 

我々介護業界においても規模の小さな企業はどんどん淘汰され、大手事業者は更なる成長を目指してM&Aなどを通じて規模の拡大を図っていますが、それは効率化を進めるためには一定以上の規模が必要になるからです。

 

ただ、闇雲に規模の追求だけを行えば内部崩壊を招きかねないので、しっかりとした計画と体制作りができるようにならねばと感じています。

 

また、一定以上の規模がどの位なのかは分かりませんが、きっとこの先の介護業界の人手不足問題は昇給や福利厚生の充実だけでは解決できず、外国人の雇用にも限界があり、やはり各種規制を緩和もしくは撤廃させる事でしか対応できなくなると予想しています。

 

そうなると会社が色んなDX、IoT、ロボティックに投資ができるのか?って言う資金的な余裕や規模の利益を追求できるようになっていなければなりません。

 

それもそんなに遠くない時期に劇的に変わっていくと思っています。

 

今のウチの会社の規模では到底敵わないでしょうし、まだまだ規模を追求していかねばなりません。

 

でも、その為には制度化や仕組化が足りていませんし、心の部分での繋がりも強化していかねば成立しないと考えています。

 

確かに「会社は頭から腐る」と言われているように、社長の思考が変化しない限り会社が変わる事ってないのも事実ですよね。。。

 

まぁ分かってはいるんですが…って言う社長が多いのでしょうね。。。

 

今から訪れる変化に対応できる様に、またピンチはチャンスであり、成功は最大の試練だと言う事を頭に置き、しっかりと対応して参ります!