行列ができるデイサービス | 大阪の社長 kentのブログ

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関西で介護事業と不動産オーナー業をしている社長の
日常感じた事や出来事を綴っています。

昨日は旧盛和塾大阪の委員会があり参加してきました。

 

昨日の経営体験発表者は同じ介護事業をされている方の発表でした。

 

タイトルにある様に「行列ができるデイサービス」としてネットで紹介されているとの事です。

 

広い敷地のデイサービスで、敷地内には畑があり、花壇があり、高齢者が自分の好きなように時間を過ごす事ができるデイサービスとの事です。

 

運営されている方は園芸療法に精通されており、「花や緑で人を癒す」療法を取り入れたデイサービスを運営されています。

 

実際にウチのグループホームのスタッフにも一度見学に行かせてもらった事がありますが、とても良い試みをされていると感じています。

 

ただ、盛和塾的に見るとそこには大きな課題が山積している様に感じましたし、経営者として守っていきたいものを今後も継続して守る続ける事ができるのか?疑問にも感じました。

 

既存のデイサービスを自分の祖母が「子供じゃあるまいし皆と一緒にチーチーパッパなどのお遊戯なんてしたくない」と言う意見に賛同し、高齢者が自分の好きなように時間を過ごす事ができる施設を作りたいと言うのが創業時の想いとの事です。

 

でも、創業されて20年が経ちますが業績は余り芳しくなく、今年になって漸く利益も出る様になられましたが、今のビジネスモデルで永続的な発展が望めるんでしょうか?

 

話を聞いているとデイサービスの対象者は要介護1の方が大半で、比較的元気な方が対象となっているみたいです。

 

まぁ畑や農作業をしたり、花壇を作ったりしたいと思う人は比較的元気な方でないとできないですよね?

 

でも、介護保険制度を考えた時に、これからは介護度の軽い方へのサービスはできなくなると思いますし、本当に介護サービスが必要な方だけにしか介護保険が使えなくなるのではないでしょうか?

 

そうなると対象とされている介護度が1や2の人たちが100%自費でもその施設に通われるのか???

 

それは正直厳しいと思います。

 

こんなにも高齢者が増え続け、単身世帯の増加や認知症患者の増加を受け財政的にも非常に厳しくなっていますので、介護保険制度は今後大きく変わると思います。

 

当然ですが、本当に介護が必要な方にしか保険を使ったサービスの提供はできなくなると思います。

 

つまりこの方がやられているビジネスモデルではどこかで介護保険が使えなくなるリスクが高いと言う事です。

 

ウチの会社が行っているデイサービスは、平均介護度は4程度とかなり介護度の重い方も対象になっています。

 

その方たちがデイサービスに求める事は、お風呂に入ったり、キチンと食事をしたり、人と会話をしたりと言う当たり前の社会生活を送る事を目的とされています。

 

ウチのデイサービスとその方のデイサービスでは、同じデイサービスと言う事業でも、提供しているモノ、求められているモノが全く違うと思います。

 

どちらが良いとか悪いって問題ではないですが、税金を使う介護保険制度を考えると生き残っていけるのはどちらでしょうか?

 

まぁ未来は誰にも分かりませんが、経営者として守り続けていきたいものがあるのなら、自分にとって不都合な真実であっても、そこは目を逸らしてはダメだと思います。

 

でないと、本当に守りたいものすら守れなくなるような気がしますしね。。。