この日もほんとにほんとにクタクタで、翌朝に記録。記憶が少し古くなってしまうのがもったいない…

 

2日目はヴェネツィア観光。8時20分発の特急に乗るため、7時50分にホテルを出発した。駅はすぐそこなので、余裕で到着した。駅の地下はショッピングモールになっていた。昨日の観光で街の雰囲気を見て、フィレンツェは日本の京都的な立ち位置なのかなと想像していた。でも京都駅と比べると、このサンタマリア・ノヴェッラ駅の規模感は大したことないなと感じた。

<駅のホーム。伝わりづらい写真だ・・・>

 

電車に乗ると、サンダーバードなんかよりずっと快適だった。特急列車というより、乗り心地は新幹線に近い感覚。

 

車窓からは田舎のイタリアを見ることができてこれまた一興。風景は日本のそれと似ていて、違いが出るのは都会なのかな?と思った(通路側の席だったので写真は撮れなかった)。

しばらく経ち、途中で乗ってきた地元民と思われる老夫婦と孫の家族と席を間違っていたことがわかった。老夫婦は、間違っていた席(私達が本来座らないといけなかった席)の方に代わりに座ってくれて、穏便に解決した。

そうしてヴェネツィア・サンタルチア駅に着き、駅のホームでヴェネツィア出身のガイド、Bさんと合流(最初姿を見つけられず、電話をした)。お国柄か、やはり陽気な方だ。観光中に話を聞くと昔JTBで働いていて、埼玉や世田谷に住んでいたこともあり、金沢にもきたことがあるんだって。

 

初めてのヴェネツィアの街は、目の前の景色がCGか?と思うほどの美しさで、キラキラと輝いて見えた(昨日見たフィレンツェのドゥオーモもそうだったけど(笑))。

 

ヴェネツィアのメイン通りの役割を果たしている運河、カナルグランデに行き交う船たち、水に浮かんでいるかような家々。ヴェネツィアでは車や自転車に乗ることが禁止されているため、移動は徒歩か船に限られる。船は郵便専用のものやクリーニングを届けるボートなどもあるそう。余談だが、ヴェネツィアの地価は東京並みに高いらしい。

 

まず見に行ったのは街のシンボル、リアルト橋。夫婦2人で写真を撮ってもらった。これはヴェネツィア最古の橋。カナルグランデには4本大きな橋が架かっていて、そのうちの一つだ。

 

ここからは路地を歩いて観光名所、サンマルコ寺院へ向かった。ヴェネツィアでは細い路地が網の目のように張り巡らせられているのだが、メインストリートだけは地面が矢印型のタイルになっていて、わかりやすい。

 

サンマルコ寺院は、フィレンツェで山ほど見た教会たちとは雰囲気が全然違っていた(こういうのなんていうのかな、メルヘン?ファンシー?ディズニーのお城っぽい感じというか)

<サンマルコ寺院>

 

ファサードの絵は、細かいガラスで作られているそうで、当時のヴェネツィアの職人たちの技術の高さを推し量ることができる。

 

 ちなみにこの広場はよく水没し、つい3年ほど前には1mほどの高さまで浸水した。これは約60年ぶりというレベルの大洪水だったそうで、Bさんの人生でも最大規模の大災害だったとか。一階に住む人たちは洗濯機などが水没してしまったという。

 

60年前にはこの線の高さまで沈んだとは驚きだ。ところどころ地面から水が噴き出しているところがあった。

<1966.4.11と刻まれている。この線の高さまで水が到達した>

<地面から水が噴き出していた>

 

 また、イタリアでは各地に守護聖人というものをおいているそうで、ヴェネツィアでは西暦800年頃にヴェネツィアの商人がエジプトから盗み出したサンマルコ(聖マルコ)さんの遺体がそれになっている。聖マルコは格式が高いお方だったらしく、イタリアの他の地区の守護聖人と比べてランクが高いほうだということ。街中には聖マルコを表すライオンのモニュメントが至る所にあり、ヴェネツィアの象徴になっている。

<左の柱の上にライオンのモニュメントがある>

 

続いて「ためいき橋」という(かつて囚人が通り、投獄寸前にヴェネツィアの街並みをこの橋から眺め、ため息をもらしたことが由来)有名観光スポットをチェック。

 

そのあとすぐゴンドラで街を観光した。2人で80ユーロ(13000円くらいか)と値段はかなりのもの。でも、これが想像のはるか上をいくクオリティだった。

この日は水位が高く、橋の下をくぐって進んでいくのは難しいと説明されていたものの、ゴンドリアーレ(船主)のおじさんが体重移動でゴンドラを傾けるなど、ゴンドラを巧みに操って低い橋をくぐり、細い水路にも連れて行ってくれた。

 

 

 

ゴンドラに乗りながら見たヴェネツィアでは、家々に洗濯物が干してあったり、誰もいないひっそりとした路地があったりして、ヴェネツィアに住む人たちの暮らしに想像をめぐらせながら楽しむことができた。

 

 ゴンドラに乗りながら、ゴンドリアーレのおじさんが話してくれたエピソードが心に残っている。

ある日、今私達が通っているような、街の喧騒から離れたひっそりとした水路へ娘をゴンドラに乗せて連れてくると、そのまますやすやと寝てしまったという話だ。光景を想像して優しい優しい気持ちになった。木漏れ日のような温かさという印象で、水彩画タッチでその光景が浮かんできた。この日のヴェネツィアは暑かったが(気温30度ほど)、日陰は少し涼しくて、昼寝できたら気持ちいいんだろうなと思った。

 

ゴンドラを降りてからは、ムラーノ島へ向かう船着場へ向かう。Bさんは地図も見ずにひょいひょいと細い路地を潜り抜けていく。さすがは地元民だ。

 

ところどころに広場のようなスペースがあり、壁に向けてサッカーボールを蹴る子供も。地元の子供たちはこうやって遊ぶそう。ヴァニアさんも子供のころ同じように遊んでいた時に、どこかのお母さんが家の窓から顔を出して、そろそろ帰らんなんよ!と注意されたことがあるんだって。

<こんな感じの広場が所々に>

<街を歩きながらみた風景>

 

ゴンドラの造船所もあった。

漫画・ワンピースのウォーターセブンの造船所「ガレーラカンパニー」を思い出した。フランキーいるかな?なんて考えてしまった。

〈ゴンドラの造船所〉

 

 

船着場に着いて、ヴァニアさんとはバイバイ。

船に乗り、ストラヴィンスキーの墓がある島を横目に見ながらムラーノ島に到着。

 <ストラヴィンスキーが眠るサンミケーレ島>

 〈ムラーノ島の風景〉

 

まずはBさんにおすすめされた店でランチ。店は見るからに繁盛していた。ウエイターのおばさんは、疲れ果てていたけど笑顔で席に案内してくれた(忙しすぎてもはや笑っていた)

そしてだ。ここで食べたイカ墨パスタ、ボンゴレパスタが尋常じゃないうまさで、度肝を抜かれた。日本で食べたことの無いレベルだった。ああ、もう一度食べたい。一口食べるたびにくらってしまった。

<イカ墨パスタ>

<ボンゴレパスタ>

 

また、イタリアで愛されるカクテル、スプリッツ(Spritz)も「ほろよい※サントリーのチューハイ」の大人バージョンといった味でかなり気に入った。ストレートティーのようなさっぱりとした味わいで、苦味と甘さのバランスがほど良い。白ワインベースで、カンパリや炭酸水が入っており、オレンジが添えられていることが多いそう(各店舗でレシピは違うみたい)これは食前酒の位置付けで、ディナーの前に一杯煽るのがイタリアの文化らしい。スプリッツの琥珀のような透き通った赤色をムラーノ島の背景に重ねて、ヴェネツィアの街の綺麗さを噛み締めながらパスタを味わった。

<スプリッツ>

 

 

 食べた後は、ほろ酔いの心地よさのままに、ムラーノ島の住宅街を散策した。沖縄・竹富島のようなひっそり&まったりと、時間の流れが遅くなったかのような雰囲気がただよっていた。帰りの電車の時間もあるので、ガラス細工の店をさくっと見て帰路に。

 

本島に戻りご当地マグネットも買うことができた。帰りの電車は車窓からの景色を楽しむつもりだったが、寝倒してしまい、気づいたらフィレンツェに近付いていた。ホテルに戻りクタクタだったので20分ほど休憩。それでもやはり観光している以上は、心と体に鞭打たなければなるまい。なんとか起き上がって、ホテルから3キロほどのミケランジェロ広場へ向かった。本当に疲れていたが、意外と歩けた。広場は高台にあるため、登り坂は辛かったけれども。到着するまでは景色を見ないように視線は常に山側へ向けた。頂上に着きようやく振り向いて目にした景色でまずは感動し、次に、ここまで歩いてきたのは間違いではなかったと安心した。

<ミケランジェロ広場から望むフィレンツェの夜景>

ここからはドゥオーモ、ヴェッキオ橋、サンタクローチェ大聖堂などのフィレンツェ観光において主要な建物の夜景を一望することができた。

 

様々なポーズをキメて写真を撮り、帰り道には夜のヴェッキオ橋も見ることができた

 

やはり観光地においては、昼に一度訪れたあと夜にも再訪しなければもったいないなと思った。昼に見るのと夜に見るのでは全く趣の異なるきれいさを味わうことができて、2度美味しい。

ようやく飯だが、ここでは代理店のKさんおすすめの店「4 Leoni」へ。

<4Leoni>

 

 

 

たしかこの時点で22時をまわっていたこともあり、店選びに苦労した。ここで食べたボロネーゼが激うまだった(平べったいパスタにポテトが入っていた)。

<ボロネーゼ>

 

パスタはもちもちしていて、ソースは濃厚。ここにポテトの粘り気のある食感と香ばしく分厚めな味が絶妙にマッチ。掛け合わさって濃厚みが増すような感覚。これは初めて食べた。牛の胃袋のトマト煮も激うまだった。これが本場のイタリアン。酸味も甘味も絶妙。女性の店員さんの接客も、気さくな感じでよかった。

<牛の胃袋のトマト煮>

 

話は逸れるが、この店含め、イタリアの飲食店にはペットが同席していることが多くて、ペットに寛容な文化なんだなと思った。

 

今日もきょうとて大満足で帰路に着いた。なんとか顔パックをして就寝。掛け布団に入らず、布団の上でそのまま寝落ちしてしまっていた。