製造現場で仕事をしていると、「昔からこうやっています」とか「理由は分かりませんが、この方法でやることになっています」と言う風に一見無駄に見える作業方法が残っていることがある。

 

訳の分からない風習として一蹴することは簡単であるが、時に痛い目にあう。

痛い目にあったから取り敢えず理由を探すが、早々簡単には分からない。

 

設計(製品や生産設備)に関しては記録が残っていることが多いが、製造方法になると難しい。過去を調べると昔は製造条件が違っていたりする。条件変更時には記録を残していてもその理由までは残っていないことがある。

 

今後のことを考えれば、(職歴の最後には)条件変更をFMEAに落とし込むことにした。しかし現実の問題としては、過去の資料がない場合には困った。

 

痛い目にあった場合分けをすると、大きく2つに分けられる。

一つはたまに発生する不具合対応の場合である。

 このケースでは、作業方法を変えても当面は大丈夫であるが、その内痛い目にあう。

もう一つは特定の製品対応で作業方法を変えた後遺症の場合である。

 このケースは無駄と思われることを取り除いても問題はない。

 

厄介なのはどちらのケースかがとんと分からない事である。

関係部署と話をしても埒が開かないことが多い。

最後の手段として取れるのは、無駄と思われる作業方法は止めるが付随して発生しそうな不具合の検査を当面厳しくするくらいである。

 

何故こういう事態になるかと言うと、製品自体は変わっても基本が一緒の場合、前例を踏襲することでいろいろと節約しているからである。

種々の社内監査も「前と一緒です」でOKとなる。

なにかのチャンスにDRを(後付でも)じっくりとやるべきと反省している。

 

 一度は発端を探したら書類が出てきて、ハンコをみたら作成者が既に役員になっていたことがあった。それほど長い時間受け継がれてきたものであった。

 

製造現場を伏魔殿にしないためにも、やっていることの棚卸しを(大変だが)やったほうが良いと思う。(自分が出来なかったことを言うので心苦しいが。。。)