改善を進める時に気にしていたポイントは自動化である。

自動化を狙っていたのではない、自動化するとしたらどうすれば良いかと言う観点から作業を見直すと改善ポイントが見つかると言う意味である。

 

 小話:自動化と自働化の違いはトヨタ生産方式の本を見てほしい。ここでは自動化の観点で充分である。

 

先に記載したボルト整列機を思い立った時を事例とする。

ボルトの締結はトルク管理が必要でありセンサー付きドライバーで実施していた。このドライバーを見ていて分かったのは、ボルトの位相は気にしなくて良いという事であった。ならば人が作業をしているのは何かと言うと、箱の中からボルトを1本だけ手に取り、方向を確認して穴に入れると言うことである。

自動化するならば、多分パーツフィーダーで定点に定姿勢でボルトを置き、搬送アームで穴の中に入れると言う事になると考えた。

自動化せずに手作業で行うことのメリットは、①費用②モデルチェンジ対応③チョコ停対策④サイクル短縮の容易さと思う。

一方手作業のデメリットは箱からボルトを1本探し出す時間のバラツキである。

これらから、ボルトを定位置、定姿勢で供給出来ればそれがベストと考えたのである。

 

正直自動化は(自働化でも)あまり好きではない。設備費用が嵩むだけではなく、稼働中に調整が必要になった場合の停止時間の長さがネックと考えていた。

半自動化(自働化を含む)がトータルとして良いのではないかと考えていた。

完全自動化と半自動化の間が改善ポイントであると考える。出来ればライン設計時点から作業者が楽に正しい作業を繰り返すことが出来る事を考えるべきと思う。

 

完璧ではないが、最後のラインとなった欧州ではこの考え方がかなり実現できたと思っている。この時の生技担当者と設備メーカーには感謝しか無い。