【教養としての音楽史】
オーケストラと楽器の変遷
ギリシア悲劇が上演された円形劇場の舞台と客席のあいだにあるスペースで、合唱隊が楽器を持ち、歌や踊りを披露していました。
この場所のことを、オルケストラと呼び、これが、オーケストラの起源だと言われています。
クラシック音楽音楽の発展段階を3つに分けると、バロック時代、古典派、ロマン派となり、
17世紀〜18世紀半ばまでをバロック時代
18世紀後半以降に活躍した古典派
19世紀以降のロマン派
といった感じです。
バロック時代では、弦楽とオーボエとファゴットからなるオーケストラが確立され、たまにフルートやチェンバロがオーケストラに加わることがありました。
その時代には、多くの楽器が発明され、これまでの楽器の改良や工夫がなされ、
使われる楽器に関しても、まだまだ定着していませんでした。
18世紀後半以降の古典派が活躍した時代から、クラリネットが新しくオーケストラに加えられました。
また、ホルンやフルートなどの金管楽器は、それぞれ2人ずつで編成されるようになり、
これを2管編成と呼びます。
古典派の終盤には、ベートーヴェンが登場し、さらに楽器の種類が多くなっていったのです。
例えば、ベートーヴェンは、交響曲第5番『運命』では、トロンボーンやピッコロを加え、
さらに、交響曲第9番では、トライアングル、シンバル、大太鼓などの打楽器を加えたのです。
その後、19世紀以降のロマン派の時代になると、オーケストラで使用される楽器の数はさらに多様になり、オーケストラの数も100人を超えたと言われています。
規模の拡大に伴い、コンサート会場が大きくなり、聴衆もさらに大きく、壮大な音を求めるようになったのです。
また、当時の指揮者の立ち位置は、現在とは大きく異なるものでした。
今では、観客を背にして、オーケストラに向かって指揮をしていますが、
その当時は、オーケストラに囲まれるようにして、指揮をしていたと言われています。
オーケストラと楽器どちらも時代とともに、大きな変化を遂げてきたのですね。
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《参考文献》
クラシック音楽全史 ビジネスに効く世界の教養
著者:松田 亜有子
出版社:ダイヤモンド社