これはけんとが受けていた血小板の輸血。
けんとのような、血液疾患の患者さんにとって
赤血球輸血や血小板輸血は即、命に関わるものです。
だから、献血をしてくれる皆さんの善意で生きています。
けんとも、病気の後半は定期的に輸血を受けていて
特に下血してからは毎日、赤血球輸血と血小板輸血を受けていました。
輸血しても、輸血しても.....下血は続いて止まらない。
もう時間の問題と言われてからも、
「今日も赤血球輸血と血小板輸血ありますからね。」
と看護師さんから聞くと、
よかった~輸血してもらえる(ノω・、)と心から安堵していました。
皆さんのお陰で命をつないでいたけんとでした。
私も以前、献血には行っていたのですが、
少しでもけんとのお返しができたらと
去年から久しぶりに行くようになりました。
でも、行く所が赤血球献血しか出来ないところで
成分献血という方法があることを知ったのは最近のことでした。
けんとが輸血をするようになった頃は、通院の時だったので
血小板も見た事がなかったのです。
成分献血は時間はかかりますが、身体への負担が少なく赤血球は体内にもどります。
私は有り難いことに、血小板が多いほうなんだそうです。
血小板の数は食べ物で増えるものではなく
もともとの体質のものなので、親に感謝ですね。
血管も太くて、血液検査などの時はいつも感謝されます(笑)
それで今日、久しぶりに行ってきました。
受付をして、問診と血圧測定、血液検査が終わって
呼ばれるまで本を読みながら待っていました。
「すいません」と声をかけられて顔をあげたら女性の方がいて
何かな?と思っている私に
「人違いだったらこめんなさい。
私◯ ◯病院の ◯ ◯病棟の看護師なんですが、さっきお名前を呼ばれたのを聞いて...」
一瞬に頭の中が、病院を映し出す。
「奥さまのお顔、見覚えがあって。
でも私のことはマスクしていたのでわからないと思いますが」
病棟の看護師さんは何十人もいて、さらにその時々でチームが分かれていたりで
何度かのけんとの入院で、いろんな看護師さんにお世話になっていました。
「このたびは....」と言ってもらっているうちに
私の目がみるみる涙で溢れそうになるのを見た彼女は
「ごめんなさい。声をかけてしまって」
人もまわりにいたので、気をつかって申し訳なさそうに行ってしまったのです。
そう言えばと顔を思い出したのに、お礼も言えないまま、
声も出せなくなっていた私は気を落ち着かせるのに精一杯で。
ネームカードを下げていたから、仕事で来ていたのだろうか。
それは分からなかったけど、突然の出来事に
心が対応出来ずに涙がこぼれた。
さらに「もう少しで用意が出来ますので」
と伝えに来てくれたスタッフの方が
前回の時に血小板輸血についていろいろ教えてくれた方でした。
その時、けんとが病気である事を話したからか覚えていてくれて
「ご主人、その後いかがですか?」と。
もう声が出ません。
「じつは....」
その方もびっくりされて、不覚にも、もうボロボロでした(涙)
なんとか献血終わり。(心が)
献血の後でもあったので元気ハツラツではなかったけど
街行く大勢の人達の中を
何を見ても悲しくて、トボトボと帰ってきました。
今も、悲しくて悲しくて。
そんな日を、これからも越えていくのかな。
いんだよ、それで。
無理して進まなくていいから。
そう言ってくれて、見守ってくれてありがとう。