愛の献血を。 | けんととかわのブログ〜AMLと闘ったけんとは心に。

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【夫が白血病に】2人で綴ってきた闘病ブログが
2011.7.9 けんとが闘い抜いた後も、かわが残す2人の確かな記録とかわの日常を綴るブログに〜まだまだ続く私達の軌跡にもうちょっとお付き合いを。

$AMLと闘った~けんととかわのブログ

これはけんとが受けていた血小板の輸血。


けんとのような、血液疾患の患者さんにとって

赤血球輸血や血小板輸血は即、命に関わるものです。

だから、献血をしてくれる皆さんの善意で生きています。


けんとも、病気の後半は定期的に輸血を受けていて

特に下血してからは毎日、赤血球輸血と血小板輸血を受けていました。

輸血しても、輸血しても.....下血は続いて止まらない。

もう時間の問題と言われてからも、

「今日も赤血球輸血と血小板輸血ありますからね。」

と看護師さんから聞くと、

よかった~輸血してもらえる(ノω・、)と心から安堵していました。

皆さんのお陰で命をつないでいたけんとでした。


私も以前、献血には行っていたのですが、

少しでもけんとのお返しができたらと

去年から久しぶりに行くようになりました。


でも、行く所が赤血球献血しか出来ないところで

成分献血という方法があることを知ったのは最近のことでした。


けんとが輸血をするようになった頃は、通院の時だったので

血小板も見た事がなかったのです。


成分献血は時間はかかりますが、身体への負担が少なく赤血球は体内にもどります。

私は有り難いことに、血小板が多いほうなんだそうです。


血小板の数は食べ物で増えるものではなく

もともとの体質のものなので、親に感謝ですね。


血管も太くて、血液検査などの時はいつも感謝されます(笑)



それで今日、久しぶりに行ってきました。

受付をして、問診と血圧測定、血液検査が終わって

呼ばれるまで本を読みながら待っていました。


「すいません」と声をかけられて顔をあげたら女性の方がいて

何かな?と思っている私に

「人違いだったらこめんなさい。
 私◯ ◯病院の ◯ ◯病棟の看護師なんですが、さっきお名前を呼ばれたのを聞いて...」

一瞬に頭の中が、病院を映し出す。


「奥さまのお顔、見覚えがあって。
でも私のことはマスクしていたのでわからないと思いますが」


病棟の看護師さんは何十人もいて、さらにその時々でチームが分かれていたりで

何度かのけんとの入院で、いろんな看護師さんにお世話になっていました。


「このたびは....」と言ってもらっているうちに

私の目がみるみる涙で溢れそうになるのを見た彼女は

「ごめんなさい。声をかけてしまって」

人もまわりにいたので、気をつかって申し訳なさそうに行ってしまったのです。


そう言えばと顔を思い出したのに、お礼も言えないまま、

声も出せなくなっていた私は気を落ち着かせるのに精一杯で。

ネームカードを下げていたから、仕事で来ていたのだろうか。

それは分からなかったけど、突然の出来事に

心が対応出来ずに涙がこぼれた。



さらに「もう少しで用意が出来ますので」

と伝えに来てくれたスタッフの方が

前回の時に血小板輸血についていろいろ教えてくれた方でした。


その時、けんとが病気である事を話したからか覚えていてくれて

「ご主人、その後いかがですか?」と。

もう声が出ません。

「じつは....」

その方もびっくりされて、不覚にも、もうボロボロでした(涙)



なんとか献血終わり。(心が)



献血の後でもあったので元気ハツラツではなかったけど

街行く大勢の人達の中を

何を見ても悲しくて、トボトボと帰ってきました。

今も、悲しくて悲しくて。




そんな日を、これからも越えていくのかな。

いんだよ、それで。

無理して進まなくていいから。

そう言ってくれて、見守ってくれてありがとう。