今夜は花火大会だった。
夏といえば花火
いいお天気で最高の花火が見れたことでしょう。
けんとのいない花火は寂しいので、今日は見なかったですが。
イベントが大好きなけんとは、花火大会も大好き。
わが家から、花火が見れるのだけど
やっぱり、近くで見るのは迫力も違うし
大きな音と共に頭の上いっぱいに広がる様子は
「あ~、またこの季節がやってきたね♪」と感動する。
だからお家から、敷物と小さな座布団と、
冷たいビール、おつまみを持ってテクテク歩いて
よく見に行っていた。
ところが去年は、なんとお弁当付きの招待席が当たって
特等席で見れるはずが、けんとが熱が出て体調不良で行けず
2人で家から眺めたのだった。
だから、花火大会は1人で見る気にはなれなかった....の。
「納棺の儀」は家族が見守るなか、
納棺師の方によって静かに厳粛に行なわれた。
納棺師の方が到着された時、
弟が「おくりびとの人ですか?」と聞いたらしい。
私はその時ちょっと席を外していて、後からそれを聞いて笑えた。
「納棺の儀」は父の時、23年前に経験しているが
初めて立ち会う気分だった。
地域やその時々でやり方も違うのかもしれないけれど
「湯灌の儀」(ゆかんのぎ)と呼ばれる儀式も。
とても丁寧にやさしくけんとの体を拭いて着替えをさせてゆく。
それは悲しい儀式ではなく
旅立つ為の、そして残された私達が納得するためのもの。
そんな気がした。
不思議と、私は涙が出なかった。
でも、姪っ子が泣いていた....。弟も。
髭も剃って、髪も綺麗にしてもらってちょっとお化粧もして。
亡くなる前の日に
髭をそってあげようと、シェーバーを使い
半分終わったところでけんとに後にして~と言われ、
そのままで終わっていたのだ。
ただそれは、看護師さんが最後の時に
綺麗にしてくれていたのでよかったけどね。
そして、着替えて綺麗になったけんとをみんなで棺に入れる。
浮腫んですっかり膨らんで重くなってしまったので、棺も大きめのものに変更。
どちらかというと小柄のほうで、決して大きい人じゃないのにね。
あとは、棺に一緒に入れるものを何にしようかと考えて、
車の運転の時や、乗り物に乗って休む時に必ずかけていた
愛用のレイバンのサングラスを入れる事にした。
特別な器に入れるので大丈夫だという。
これは、出会った時に私がプレゼントしたもので
大きなレンズで若干重たくて、今どき流行らない感じで。
何度も新しいの買おうと言ってもかけ心地がいいからと
レンズがたまに外れるのに、とうとう20年以上使い続けたものだったから。
あとは、何を入れてあげたらいいのかな~。
浮かばないまま、この前の一時退院の時に買った帽子。
とりあえず、そこまで考えたところで
棺の蓋がされて、とうとう私のけんとは、
明日まで小さな窓からのご対面になってしまった。
けんとは、どこで見てるのかな?
何か言いたいことはないのかな?
何か伝えたかったことがあったのだろうか.....。