送る②〜納棺の儀 | けんととかわのブログ〜AMLと闘ったけんとは心に。

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【夫が白血病に】2人で綴ってきた闘病ブログが
2011.7.9 けんとが闘い抜いた後も、かわが残す2人の確かな記録とかわの日常を綴るブログに〜まだまだ続く私達の軌跡にもうちょっとお付き合いを。


今夜は花火大会だった。

夏といえば花火打ち上げ花火

いいお天気で最高の花火が見れたことでしょう。

けんとのいない花火は寂しいので、今日は見なかったですが。


イベントが大好きなけんとは、花火大会も大好き。

わが家から、花火が見れるのだけど

やっぱり、近くで見るのは迫力も違うし

大きな音と共に頭の上いっぱいに広がる様子は

「あ~、またこの季節がやってきたね♪」と感動する。

だからお家から、敷物と小さな座布団と、

冷たいビール、おつまみを持ってテクテク歩いて

よく見に行っていた。

ところが去年は、なんとお弁当付きの招待席が当たって

特等席で見れるはずが、けんとが熱が出て体調不良で行けず

2人で家から眺めたのだった。

だから、花火大会は1人で見る気にはなれなかった....の。


「納棺の儀」は家族が見守るなか、

納棺師の方によって静かに厳粛に行なわれた。

納棺師の方が到着された時、

弟が「おくりびとの人ですか?」と聞いたらしい。

私はその時ちょっと席を外していて、後からそれを聞いて笑えた。


「納棺の儀」は父の時、23年前に経験しているが

初めて立ち会う気分だった。


地域やその時々でやり方も違うのかもしれないけれど

「湯灌の儀」(ゆかんのぎ)と呼ばれる儀式も。

とても丁寧にやさしくけんとの体を拭いて着替えをさせてゆく。

それは悲しい儀式ではなく

旅立つ為の、そして残された私達が納得するためのもの。

そんな気がした。


不思議と、私は涙が出なかった。

でも、姪っ子が泣いていた....。弟も。


髭も剃って、髪も綺麗にしてもらってちょっとお化粧もして。



亡くなる前の日に

髭をそってあげようと、シェーバーを使い

半分終わったところでけんとに後にして~と言われ、

そのままで終わっていたのだ。

ただそれは、看護師さんが最後の時に

綺麗にしてくれていたのでよかったけどね。


そして、着替えて綺麗になったけんとをみんなで棺に入れる。

浮腫んですっかり膨らんで重くなってしまったので、棺も大きめのものに変更。

どちらかというと小柄のほうで、決して大きい人じゃないのにね。


あとは、棺に一緒に入れるものを何にしようかと考えて、

車の運転の時や、乗り物に乗って休む時に必ずかけていた

愛用のレイバンのサングラスを入れる事にした。

特別な器に入れるので大丈夫だという。

これは、出会った時に私がプレゼントしたもので

大きなレンズで若干重たくて、今どき流行らない感じで。

何度も新しいの買おうと言ってもかけ心地がいいからと

レンズがたまに外れるのに、とうとう20年以上使い続けたものだったから。


あとは、何を入れてあげたらいいのかな~。

浮かばないまま、この前の一時退院の時に買った帽子。

とりあえず、そこまで考えたところで

棺の蓋がされて、とうとう私のけんとは、

明日まで小さな窓からのご対面になってしまった。


けんとは、どこで見てるのかな?

何か言いたいことはないのかな?

何か伝えたかったことがあったのだろうか.....。