ひき逃げ事故にあったマンモス半田の支援イベント開催 | KEN筆.txt

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鈴木健.txtブログ――プロレス、音楽、演劇、映画等の表現ジャンルについて伝えたいこと

1月より毎月続けて参りました「スポルティーバ×鈴木健.txtトークバトルシリーズ~名古屋のプロレスがもっと好きになる」も、今月が一応の最終回。ラストにして“トーク”と“バトル”の間に“&”が入ることになりました。つまり今回は、トークイベントだけでなくプロレスの試合もおこなわれます。

5月10日22時45分頃、名古屋市西区牛島町タワーズ北交差点にてスポルティーバ・エンターテイメント所属のマンモス半田が、知り合いの店を出て自転車に乗り帰宅途中、背後から来た白いワンボックスタイプの車に衝突されました。車はそのまま走り去り、被害者はすぐに病院へ搬送。

診断の結果、左足脾骨&脛骨を骨折していることが判明。警察はひき逃げ事件として捜査を始めます。その夜中に、スポルティーバ・斉藤涼会長のもとへマンモス本人から連絡が入りました。

「あの…ひき逃げされまして」「何!? ひき逃げって…どういうことだ?」「いやー、骨が折れちゃいまして…今、病院です」

切羽詰まった様子はまるでなく、あまりにいつもと変わらぬのん気な口調だったため半信半疑で斉藤会長は、とりあえず夜が明けた翌日に病院へと向かいました。すると本当にマンモスはベッドへ横たわっており、左足はガッチリ固定され手術を受けなければならないと説明されたのです。

 

▲ひき逃げされたとは思えない様子の「アルバイトの男性(35)」

その日の昼にはテレビのニュースでも報じられたのですが、なぜか「プロレスラーが引き逃げされる」ではなく「同市北区に住むアルバイトの男性(35)」という発表に。それと前後し、スポルティーバでも正式にリリースを流します。

本人もツィッターで報告したのですが、その文言の中に「左足2本骨折してしまい」とあったため、マンモスを知る者たちがいっせいに突っ込みのリプライ。骨折箇所以外はケガがなかったのは不幸中の幸いであり、いつも通りの天然っぷりをいかんなく発揮したため「どうやら頭は打っていなかったようだね」と一同、胸を撫で下ろしました。

20日と25日の2度に分けて骨折箇所の手術を受ける中、24日に容疑者は逮捕。現場近隣会社の防犯カメラに映っていたため、警察の捜査も早かったようです。事故後、マンモス本人に落ち込んだ様子はなかったものの、斉藤会長はその悔しさを見抜きます。

当初、マンモスはDDT5・15名古屋国際会議場大会へ出場する予定でした。しかも社長である高木三四郎とのタッグで、スーパー・ササダンゴ・マシン&赤井沙希と対戦するという、メイン級のビッグカード。

そもそも名古屋で埋もれていた無名のマンモスを考古学者ばりに発掘したのが高木社長で、自身の主宰する興行「マッスル」にてフィーチャリングし、面白がったのがササダンゴの中の人。また、プロのアイドル追っかけという顔を持つだけに、女優でもある赤井沙希との邂逅はその道を極めたひとつの形といっても過言ではないわけです。

最近、追っかけ活動にうつつを抜かし客席側の人間を決め込んでいたマンモスが、久々に上がる檜舞台。にもかかわらず、試合5日前に不慮の事故に巻き込まれ、棒に振ってしまった…。

おそらくマンモスの中で一番大きかったのは、恩人である高木社長とのタッグが流れたことと思われます。「それでもあいつは強がって口にしないんですよ。入院中も泣きごとはほとんど言わなかった。2回ほど…お茶が切れたっていうのと、パンツを持ってきてほしいって連絡がきたぐらいで」

斉藤会長だけでなく、名古屋の選手たちも替わるがわるマンモスの入院先を訪れては励まし、いじりました。そして、誰から言うともなく「マンモスAIDをやりましょう!」となったのです。

ただ、何ぶん急なことだったので参加者のスケジューリングに難航。結局、当初はイベントを開催する予定だった6月18日が一番集まりやすいということになり、斉藤会長から「第1部はマンモス本人と健さんによるトークショーで、第2部は有志の選手たちによる試合という形でもよろしいでしょうか?」と打診がありました。

もちろん快諾です。むしろ、そういう形で自分も支援できるわけですから。現在は無事退院しているマンモスですが、入院中は退屈し人恋しかったことでしょう。久々にファンの前へ出て、語ることでストレスを払いのけてもらえたら私も嬉しいです(ただし、なぜプロレスラーではなくアルバイターと報じられたかはキッチリと追求します)。

事故について語るといっても、重いものにはならないと思われます。「こういう時に、誰にも嫌われないあいつの性格が形になって出ますよね。これがほかの人間が事故ったとなれば深刻になりますけど、マンモスだとそれを笑いにできる。高木社長が以前『マンモスのプロレスは、人々をしあわせにさせる』と言っていたんですけど、存在そのものがそうなんだなと」(斉藤会長)

マンモスとデビュー日、会場、年齢が同じという名古屋の仲間、柴山貴哉はツィッター上で(@lockontime)全世界のプロレスラーに協力を呼びかけています。当日は売上金全額を本人に渡す「マンモスフリーマーケット」を店外にて開催。入場料+当日販売するマンモスちゃんこ(マンモスの肉が入ったちゃんこではない)の売上とともに寄付されます。

皆様が足を運んでくださることが、支援となります。絶滅危機のマンモスを救うのは、名古屋のプロレスファンです!