10月6日の虫の羽バラバラ殺虫じけん。 | KENSUKE・A オフィシャルブログ 「SISTER JET」 Powered by Ameba

10月6日の虫の羽バラバラ殺虫じけん。

もういい加減夏も過ぎ去ってそれと一緒に暑さも思い出も忘れていくんだろうななんて思って、
そろそろ長袖のシャツでパキッときめて行こうぜ、
今朝なんかはけっこう冷え込んだよな、なんて気分で油断していると、
突然暑さが戻ってきて、消えたハズの暑さと一緒に急に思い出も戻ってきたりして
「もう10月だっていうのに半袖かよ!?」
なんて決まりきったセリフを言ってしまったりもする。

そんな訳で俺の中では毎年9月31日をもって「蚊」は完全に絶滅するはずだと思っていたので、
昨晩、真っ暗な夜の闇の俺の耳元で「ブーン」という音が聞こえた時は正直、焦った。
眠りにつこうという俺の枕のその耳元を

「ふぁーーーん」
と何者かが飛び回っていたのだった。

この音は「蚊」なのか?それとも「蚊」意外の虫なのか、
それとも3%の可能性だが虫の音がするオバケちゃんなのか?
仮に虫の音がするオバケだとしたら今すぐ荷物をまとめ何処かに引っ越したい所だがその可能性は限りなく低く、もう10月だというのにこの耳元をまとわりつく音の感じからしてかなりの確率で蚊である可能性が高いと思っていたが、もう眠気も95%に達したタイミングだったのでわざわざ明かりを付けて、しまいかけの蚊取り線香なぞを引っぱりだす気持ちにもなれず、俺はそのまま腕をその音をかき消すように、その音がする方向に向け、闇を切り裂くように振り回し、
「ビュン」「びゅーん」
と腕を振り回していたのだった。
しかしそんな事を思いながらも眠気に満ち満ちた俺は、
きっと、あと15、16回その音がする方向へ腕を振り回した所で、
ゼンマイ仕掛けの人形が動かなくなるように、パタンと眠りに落ちたのだった。
その後眠りについた俺が見た夢はひたすら画鋲を拾い集めるという夢だったが何か関係はあったのだろうか。

やがて朝が来てカーテンを開け朝の光を取り込み、
洗面所に行って顔を洗った時には、
昨晩の虫の音の「む」の字も思い浮かばなかったし、
たしかに何か虫の音が俺の眠気をさまたげていたという眠気の「ね」の字も思い浮かばないほど全てを忘れているという、
いわばトリックorトリート状態であった。
わりと濃いヒゲの事を気にかけつつも無視して顔を洗ってベッドへと戻ると、
ちょうど枕元の少し上あたりに、なにか羽のような物がポツンと落ちているのが気になった、、、、、
なんだこれは?と思いをそれを触った瞬間に昨晩の虫の音の事を思い出したのだった、
こここれは!そういえば昨日寝る前になんか飛んでたぞ、と、するとそのちょうど5センチ右隣にもう1つの羽が、、、、、
なんだこの虫は!直径1センチ位のちっさな蛾の仲間達と思われる羽虫の羽らしき物がバラバラになって枕の脇あたりに散らばっていたのだった!
そうなのだ、きっと蚊だろうと思って振り回していた俺の腕がいつのまにかその羽虫にヒット、そして布団へと叩きつけられたその虫は、満月の夜の下、眠りの中で狼男へと豹変した俺に寝返りに寝返りというアタックを何度も与えられ、引きちぎられ、一方の羽と一方の羽がバラバラの状態に、、、、

う、、、

その状況を考えただけでも申し訳ない事をしたという気分になったが、
起きてしまった事はしょうがないし、
言い訳になるが月夜の下、眠りについてしまった俺にはその記憶がないのだった。
これは悔やんでも、悲しんでもしょうがない、
そして仮に明るい朝の光の下だとしても俺は同じように
THEハエたたきアタックを加えるという同じような誤ちを繰り返していたかもしれない、、
そう自分に言い聞かせ、
それからバラバラになった羽の一部をそっと手のひらに乗せて、

「ふぅー ふぅー」

と窓の外に向けて口を尖らせて吹いていると、
今度こそ本当に夏が終わっってしまった気がしたのだった。