小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 - -216ページ目

「ワルキューレ」


小野寺昭憲オフィシャルブログ - 破壊と創造の記録 --ワルキューレ


 トム・クルーズ主演最新作「ワルキューレ」 、劇場で鑑賞しました。


 舞台は第二次世界大戦末期、敗色濃厚のドイツ第三帝国──1944年7月20日に起きたヒトラー暗殺計画を史実に基づきスリリングに描くこの作品は、1995年に米国アカデミー賞脚本賞を受賞したサスペンス映画「ユージュアル・サスペクツ」にて監督兼プロデューサーを務めたブライアン・シンガーの最新作でもあり、その巧みな演出に目が離せません。


 史実によりオチが分かっている──即ちヒトラーは暗殺されずに生き残る──ストーリーなだけに、要は如何に中身の“ドラマ”で魅せるかが勝負です。その点、暗殺決行の朝からワルキューレ作戦の発動、クーデターの失敗から処刑の夜までの一日を通して物語全体を覆う恐るべき緊迫感は圧倒的であり、そこに描かれるトム・クルーズ演じるシュタウフェンベルク大佐ほかオルブリヒト将軍、フロム将軍ら多くの将校の駆け引きや思惑の絡んだ人間ドラマ、動揺や逡巡といった心理劇も秀逸、120分間息をもつかせぬ展開に呑み込まれてしまいました。


【「ワルキューレ」予告編】


 全キャスト素晴らしい演技を見せてくれますが、ヒトラー役の役者さんは個人的には「ヒトラー ~最期の12日間~」 のブルーノ・ガンツの右に出る者はいません。あと最初はドイツ語で始まった本編が結局はドイツ人(の設定)全員英語を喋っている不自然さは、さすがに「蒼き狼 ~地果て海尽きるまで~」 でモンゴル人(の設定)が日本語で喋り出した時の不可思議さには負けますが、それでも少し気になります。


 ちなみに2004年のドイツ映画で同じテーマを扱った「オペレーション・ワルキューレ」という作品がありますが、こちらは全編ドイツ語です。ご興味ある方はどうぞ。


【「オペレーション・ワルキューレ」予告編】


 独裁政権下のナチス・ドイツにおいて、同じドイツ軍にありながら反ヒトラーの旗を掲げてクーデターを画策した将校らの名前を刻んだ記念碑は、現在もドイツ国防省跡に立っているそうです。


 真の愛国心とは何か、そして民主主義の尊さを考えさせてくれる素晴らしい作品でした。皆さんも是非劇場で体感して下さい。