人は出会いで決まる、出会いで変わる、出会いで成長する


新垣 勉さんの持論である。


新垣 勉さん  テノール歌手、牧師


沖縄生まれ。アメリカ人の父と日本人の母との間に生まれ、出生直後助産婦のミスで、目を洗浄する点眼でなく家畜を洗うための劇薬を点眼され全盲になる。

一才の時両親が離婚し祖母に育てられる。その後自らの境遇を絶望し将来は両親を殺して自分も死ぬ、と考え井戸に飛び込み自殺を図るが、友人に助けられ未遂になる。

中二の時に祖母が他界。天涯孤独となり生きる望みを失う。しかしそんな彼を救ったのがラジオから流れてきた賛美歌だった。その美しい調べをもう一度聞きたいと教会を訪れ、ひとりの牧師(城間祥介)に出会い彼の今までの人生をすべて語った。牧師は黙って彼の話を聞いてくれた。牧師のすすり泣きが聞こえてきた。

その時彼は思った。私に罪を犯させないために、神様は私から視力を奪ったのではないかと。

洗礼を受け、牧師の道を選択する。盲学校を卒業し神学の大学に進み、聖歌隊に入った。

大学在学中にイタリア人ボイストレーナーのアンドレア バラド-二にあなたの声は日本人にはないラテン系の素晴らしい響きをしていると絶賛してくれた。その際自分の出生について語ると、

辛い体験だったと思うが、同時にそれはプレゼントであり感謝すべきものでもある。と言われ、両親を恨む気持ちが癒えた。

二十八才から歌う伝道師として草の根活動を続ける。三十四才で武蔵野音楽大学に入学 同大学院修了。四十九才の時にさとうきび畑でCDデビュー。

澄んだ歌声と逆境を乗り越えた半生が話題となる。


逆境を乗り越えた人は強い。ついに到達した道だから。それまでが苦しみの連続であってもそれは自分が選んで生まれた人生だから。

よく人生の節目と言うが、それまでの自分を振り返ると、人との重要な出会いがあった。

先生、友達、夫、子供達、仕事仲間・・・

すべての人たちが、私を成長させてくれた。大切な人たち。

ありがとうございました。