インデックス運用vsアクティブ運用



2018年3月12日付け日経新聞によると、米著名投資家で「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、経営するバークシャー・ハザウェイの株主に年に一回送る手紙の中で、株価の暴落は今後も訪れるとしたうえで「冷静でいれば、それは好機となる。また運用を手数料の高いプロに任すより、インデックス(指数連動)型投資信託を活用した方が良い。」と勧めています。

2017年はバフェット氏が08年から続けているヘッジファンドとの「闘い」に決着がついた年でした。バフェット氏は07年のバークシャー・ハザウェイの株主総会で100万ドルを賭ける勝負の挑戦者を募りました。S&P500種株価指数に連動する米バンガード社のインデックス投信の成績が、挑戦者が選ぶヘッジファンドの成績を手数料控除ベースで上回ればバフェット氏の勝ちというルールでした。

「銘柄選びの神様」ともいわれるバフェット氏がなぜインデックス投信に肩入れするのでしょうか。実はバフェット氏は毎年株主にあてて書いている手紙の中で、これまで何度も「普通の人はS&P500に連動するインデックス投信でいい」というアドバイスを続けています。自分は様々な銘柄を選別する能力を持っているが、普通の人には必ずしもそれは簡単ではないというのが彼の考え方です。



逆に避けるようにアドバイスするのが高い手数料の運用商品です。毎年の運用報酬1~2%に加えて20%もの成功報酬を取ることが多いヘッジファンドはその象徴とも言えます。バフェット氏の挑戦を受けたのはファンド・オブ・ヘッジファンドの運営会社、プロテジェ・パートナーズ社。勝負は08年から始まり、17年を最後に10年間の戦いが終わりました。S&P500種株価指数に連動するインデックス投信の10年間の年平均リターンは8.5%。しかしプロテジェ社が選んだ5つのヘッジファンドは、一つとしてインデックス投信に勝てませんでした。

私自身も独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として10年間いまの仕事を続けてきましたが、バフェット氏が株主への手紙にも書いた「冷静でいれば、それは好機となる。また運用を手数料の高いプロに任すより、インデックス(指数連動)型投資信託を活用した方が良い。」という言葉をいつも胸に刻んで、日々の業務を遂行してきました。

投資信託の運用に関して、底値で買って、高値で売ることができれば理想的ですが、普通の人がそれを実行するのは困難と言えます。ほとんどの人達は、高値で楽観的なムードが広がっているときに買い、底値で悲観的なムードが広がっているときに売ってしまいます。そして投資で失敗し、「投資は危ない」という固定観念に縛られ続けることになります。



投資信託の運用で利益を得るためには「積立運用」が理想的です。特に今後の経済成長がほぼ確実と言われる新興国のインデックス型投資信託を積立運用しておけば、それらの国々の経済成長に合わせて投資で利益を得ることができるようになります。OECDの長期GDP予測によれば、2020年頃には中国が米国のGDPを上回り世界1位、インドが日本のGDPを上回り世界3位のGDP大国となります。



また、2060年までには、現在は新興国と呼ばれるインドネシア、メキシコ、ブラジル、ロシア、トルコ等の国々が、現在の先進国である日本、イギリス、ドイツ、フランス等に匹敵するGDPを稼ぎ出すようになり、世界経済は今後20年~30年の間に大きく変貌していくことが予想されています。

私がもう一つ好きなバフェット氏の言葉は、「他人が強欲な時は慎重に、他人が慎重な時は強欲になれ」という言葉です。他人が慎重な時に強欲になることは簡単ではありませんが、毎月同じ金額の積立投資を長期的に継続することさえできていれば、結果的に、底値のチャンスで買って、自分が高値と思うときに売ることが可能となります。

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