日本での1ヶ月はアッという間に過ぎた。
今日は自分の73回目の誕生日。
歳をとって自身の誕生日には特別の感慨は無いものの、何かささやかな良い事があっては欲しいという気持ちはある。
朝から気になっていたこの日のメインイベントは、この夏のパリ五輪レスリング女子68kg級
の日本🇯🇵代表選手を決めるプレーオフだった。
日テレsportで午前10時からインターネット中継
この試合に尾崎野乃香選手が勝てば、慶應義塾大学體育会レスリング部
から、1952年のヘルシンキオリンピック以来、実に72年ぶりにオリンピック選手が誕生するのだ。
観客を入れないこの試合は、午前10時から日テレsportで
インターネット中継された。
事前に石井亜海選手と尾崎選手の、このプレーオフの一戦に賭ける思いをインタビューした録画が画面に流された。
石井と尾崎野乃香、同年齢の2人のどちらかが、この試合の対戦相手に勝つ事によって、
小学生の頃から目指してきたオリンピック出場の夢が叶うのだ。
定刻を過ぎ、2人が味の素スポーツセンターのマットに上がり
レフェリーの笛が鳴り、いよいよ試合が始まった。
「相手の尾崎はデイフェスが強いから」と語っていた石井が、第1ピリオドから積極的に攻撃を仕掛けていくのかと思っていたが、
緊張感からか硬くなり攻撃を仕掛けられずに先にコーション(警告)を受け、
一方の尾崎は得意のスピードを生かし、がぶりからバックに回り石井をコントロールし、第1ピリオドは尾崎が3-0。
第2ピリオド、尾崎がこのままリードを保って逃げ切るかと思った矢先の、残り1分を切ったところで
石井が死にものぐるいで片足タックルに入り尾崎の左足に食らいついて離さない。
尾崎は懸命にこれを耐えて、切ろうとするが両者もつれて場外へ。
尾崎のセコンドからチャレンジがあったが通らず。
石井に加点されて石井が4ー3で逆転。
残り時間は僅かに9秒。
石井の勝ちか、と思われたその一瞬、
尾崎は石井の左足にタックル、バックに回り石井をねじ伏せ
2点取ったところで試合終了。
5ー4で尾崎野乃香の勝利‼️
残り9秒の大逆転劇。
劇的過ぎる最後の1分間であった。
解説の金山氏が、これは(尾崎選手の)心が勝たせた、と話していたがまさに尾崎さんの折れない心、彼女のメンタルの強さを見た思いがする。