在宅サービスの費用について【利用者負担割合】

 利用者の負担割合は、所得により、下図の通り定められています。

 

 「小平市介護保険べんり帳」より抜粋

 

 

 介護保険の認定を新規で受けられると、介護保険被保険者証が送られてくるのと同時に「介護保険負担割合証」がご自宅に送られてきます。

 更新の場合は、7月に新しい期間の「介護保険負担割合証」がご自宅に送られてきます。

 

在宅サービスの費用について【支給限度額】

 

 介護保険では、要介護状態区分に応じて在宅サービスの上限額(支給限度額)が決められています。上限額の範囲内でサービスを利用する場合は、利用者負担は1割、2割または3割ですが、上限を超えてサービスを利用した場合には、超えた分は全額利用者の負担となります。

 仮に1万円分のサービスを利用した場合、支払う費用は1千円(2割負担の方は2千円、3割負担の方は3千円)となります。

 

 「小平市介護保険べんり帳」より抜粋

 

 その限度額の枠外で、支給限度額が適用されないサービスは下記の通りです。

(要支援1・2の人のサービス)

 ・介護予防居宅療養管理指導

 ・介護予防特定施設入居者生活介護

 ・介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)

 ・特定介護予防福祉用具購入

 ・介護予防住宅改修費支給

(要介護1~5の人のサービス)

 ・居宅療養管理指導

 ・特定施設入居者生活介護

 ・認知症対応型共同生活介護(短期利用を除く)

 ・地域密着型特定施設入居者生活介護

 ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

 ・特定福祉用具購入

 ・住宅改修費支給

※各サービスの内容については、ブログの「介護保険のきほん」を参考にされてください。

 

 入浴の介助を嫌がる

 

 考えられる理由

 ・人に裸を見られたり、洗ってもらうのに抵抗がある。羞恥心が強い。

 ・服の脱ぎ着がうまくできない。

 ・体の洗い方が分からない。

 ・実行機能障害により入浴の手順や方法が分からない。

 ※実行機能障害:健康な人は、頭の中で計画を立て、予想外なことが起きても、適切に対処することができます。認知症になると、計画を立て、段取りをすることができなくなります。

  視覚や聴覚に異常があるわけではないのに、見たり聞いたりしたものが何か分からなくなってしまう状態を失認と言います。

  手足の運動機能は損なわれていないのに、目的に沿った行動ができなくなってしまう状態を失行と言います。

  この失認と失行、記憶障害とがあいまって、実行機能の障害を引き起こします。

 ・入浴の道具の使い方が分からない。

 ・お風呂の設備の使用方法が分からない。

 

 対応のヒント

 ・足湯からはじめてみる。洗髪だけでもしてみる。入浴を焦らない。

 ・外出が可能であれば、親しい人が銭湯に誘ってみる。

 ・裸を見られるのが嫌だという方は、下着のまま入るのも一案。

 ・入浴の仕方が分からない方には、介護者が目の前で手順を見せて、モデルとなる。

 

 NGな対応

 ・無理やり入浴させる。余計に感情的になり、拒否が強くなる。

 ・「きたない」「くさいから」と口うるさくご本人に言うのも逆効果となる。

⑱介護保険で利用できるサービス⑱

 【認知症高齢者グループホーム】

 認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供するサービスです。利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、認知症の利用者が、グループホームに入所し、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練などのサービスを受けます。

 利用者数を5人から9人までの1ユニットとして、小規模な環境で共同生活を送る施設です。認知症の高齢者の中には、環境の変化にうまく適応できない場合があります。小規模で、家庭的な雰囲気の中で生活できる環境は認知症の方に適しています。

 対象は認知症の症状のある高齢者で、要支援2または要介護1以上の要介護認定を受けた方です。

 グループホームは認知症状のある高齢者が対象の施設なので、認知症についての知識や技術のある職員が24時間常駐しています。

 

 小平市のグループホーム

⑰介護保険で利用できるサービス⑰

 【小規模多機能型居宅介護】 【介護予防小規模多機能型居宅介護】

 ご本人が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、ご本人の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」やご本人の自宅への「訪問」を組み合わせ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行います。

 小規模多機能以外の通常のサービスでは、デイサービス、ショートステイ、訪問介護のサービスは、事業所ごとの契約が必要ですが、この小規模多機能ではそれらのサービスが一体的に提供されます。そのため「通い」の時も、「宿泊」「訪問」の時にも、顔馴染みの介護者の支援を受けられるという特徴があります。

 また、訪問は、通常の訪問介護とは違い、基本的には時間や回数に制限がないため、必要なときに必要な時間だけ利用が可能となります。

 

 小規模多機能型居宅介護と合わせて使える介護保険サービスは、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、福祉用具貸与・販売、住宅改修です。

 

 小平市の小規模多機能居宅介護事業所

 

 小規模多機能型居宅介護に、訪問看護の提供を加えたものが、【看護小規模多機能型居宅介護】となります。

 

 小平市の看護小規模多機能型居宅介護事業所

・ITフォレストこだいら看護小規模多機能型居宅介護事業所:小平市小川東町5-7-10、電話:042-312-3625

 

 徘徊してしまう

 

 考えられる理由

 ・不安感が強いため、落ち着かない。

 ・施設など馴染みのない場所に置かれて、落ち着かない。

 ・トイレに行きたいが、どうしたらよいのかが分からずに歩いている。

 ・せん妄の状態になり、興奮して歩きまわってしまう。

  ※せん妄とは、疾患や薬の影響で、一時的に意識障害や認知機能低下が起こることをさします。周囲の状況がわからなくなったり、幻覚や妄想などの症状も出たりします。せん妄には、注意の障害(物事を持続して注意できない)と意識の障害(見当識が低下する)があります。

  せん妄の原因は認知症だけではなく、感染症や脱水、薬の副作用、心理的ストレスや不眠等でも起こります。

 ・仕事をしていた時代など、自分がイキイキとしていた時代を思い出し、例えば「会社に行く」「約束がある」と歩いてしまう。

 

 対応のヒント

 ・ご本人が不安になっていることを受け止め、傾聴する時間を設ける。

 ・ご本人と一緒に歩いて、歩くことに満足してもらう。

 ・施設など慣れていない環境であれば、ご本人の「帰りたい」という気持ちに共感を示す。

 ・頃合いを見て、ご本人をトイレへ誘導してみる。

 ・認知症が進むと、疲労感を感じにくくなります。ご本人が歩きすぎないよう、「ちょっと休憩しませんか」と声をかけて休んでもらう。

 ・徘徊して迷子になってしまう可能性が高い場合は、近所の方に見守ってもらったり、地域包括支援センターに相談したり、服の裏などに名札等を縫い付けて置いたり、GPSの機器を利用したりして備えておく。

 

 NGな対応

 ・腕をつかんだり、道をふさいだりして、無理やりご本人を制止しようとする。ご本人はますます興奮して、事故につながる恐れがある。

 

 鏡に映っている自分に話しかける

 

 考えられる理由

 ・アルツハイマー認知症の症状の「鏡現象」がある。

  鏡現象とは、鏡に映った自分の姿を自己であるとは認識できず、家族や知り合いなどの親しかった人などと誤認してしまい、話しかけたりしてしまう。驚いて怒ったり、唾を吐いたりする方もいる。

 

 対応のヒント

 ・心の底に孤独感や不安感があり、鏡に見知った人を見かけてその感情を埋めているのかもしれない。普段からご本人の話を傾聴する時間を設けてみる。

 ・ご本人が安心できる環境づくりをする。

 ・驚いて怒ったりする方の場合、日常生活で不安があったり、イライラすることがあるのかもしれない。ご本人が不安に思っていることを傾聴したり、鏡はできるだけ遠ざける。

 

 

 NGな対応

 ・気味が悪いと叱る。行動を正そうとたしなめる。ご本人にとっては鏡の中の人物は現実のものとなっているので戸惑ってしまう。鏡からご本人をそっと遠ざけたり、鏡をご本人の目につかないところに置くようにする。

⑯介護保険で利用できるサービス⑯

 【認知症対応型通所介護】 【介護予防認知症対応型通所介護】

 認知症の方を対象にした専門的なケアを提供するサービスで、ご本人が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、認知症のご本人が施設に通い、施設では、食事や入浴などの日常生活上の支援や、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを日帰りで提供することにより、自宅にこもりきりのご本人の社会的孤立感の解消や心身機能の維持回復だけではなく、家族の介護負担の軽減などを目的としています。

 

 認知症対応型通所介護のデイサービスの定員は12名以下のため、少人数の施設となっています。そのため、介護職員一人当たりの人数が少ないため、手厚く、お一人お一人の認知症特有の症状に合わせた介護が可能となっています。

 またデイサービスの管理者は、認知症対応型サービス事業管理者研修を修了しており、認知症に関する高度で専門的な知識を有しています。

 

 地域密着型サービスは、小平市が整備する、小平市民を対象としたものです。認知症の方が住み慣れた地域で、安心して生活することを目的としています。

 

(デイサービスの一日のイメージ)

8:30~10:00 送迎者で自宅までお迎え

 

9:00      健康チェック(血圧、脈拍、体温等)

 

10:00    脳トレや入浴の介助、機能訓練など個別のサービス

 

12:00    昼食

 

13:30    レクリエーション

 

15:00    おやつタイム

 

15:30    レクリエーション

 

16:30    送迎者で自宅に到着

 

小平市の認知症対応型通所介護事業所

・グループホーム かしの樹〈小川〉:小平市小川町1-1063、電話:042-348-0071

・デイサービスセンターぶどうの木:小平市小川東町1-11-18、電話:042-349-2381

・多摩済生ケアセンター:小平市美園町3-12-1、電話:042-342-0620

・小平健成苑デイサービスセンター:小平市鈴木町2-230-3、電話:042-451-2900

・デイサービスセンターさくら野杜:小平市花小金井3-25-21、電話:042-479-1216

 

 家族の悪口を近所に言いふらす

 

 考えられる理由

 ・記憶力が低下しており、作話がある。

 ※作話:記憶が抜け落ちて空白になっている部分を埋めようと、現実とのつじつまを合わせるために、自分の勝手にストーリーを作ること。

  認知症の周辺症状は、もっとも身近な介護者により強く出る傾向があり、「家族に財布を盗られた」「ごはんを食べさせてもらえない」などと被害妄想となります。

 

 対応のヒント

 ・悪口が広まると、近所の方に誤解されてしまうため、近所の方には認知症の人の症状であるということ伝えておく。

 ・ご本人の話を否定せず、ますはご本人の気持ちに共感する。

 ・これも認知症の症状だと思い、聞き流す。ご本人が攻撃的になった場合は、話題を変えたり、その場から離れたりする。

 

 NGな対応

 ・作話に対して反論したり、叱責したり、むきになって否定する。ご本人には話を作ったり、ウソをついたりしている意識がないので、余計頑なになり、プライドも傷つけてしまう。

⑮介護保険で利用できるサービス⑮

 【介護医療院】

 長期療養を必要とする方に、生活の場としての機能もそなえた施設で、医療と介護を一体的に受けられる施設です。

 長期療養のための医療が提供され、日常的に医療的な管理の必要な要介護者を受け入れ、介護及び機能訓練、そのほか必要な医療ならびに日常生活上のお世話、ターミナルケア、看取りなどを行います。

 医師が配置されており、他の施設では受け入れが難しい、喀痰の吸引や経管栄養など医療ニーズの高い要介護者の受け入れが可能であるというのが大きな特徴です。

 また、理学療法士や作業療法士などのリハビリテーションスタッフも配置されており、生活機能向上のためのリハビリを受けることも可能です。

 

小平市の介護医療院

・多摩済生病院介護医療院:小平市美園町3丁目11-1、電話:042-341-1611

 

下記は東京都福祉局のホームページへのリンクです。東京都の介護医療院の一覧が載っていますので参考にして頂ければと思います。

 

施設をお探しの方へ 東京都福祉局 (tokyo.lg.jp)