入浴の介助を嫌がる

 

 考えられる理由

 ・人に裸を見られたり、洗ってもらうのに抵抗がある。羞恥心が強い。

 ・服の脱ぎ着がうまくできない。

 ・体の洗い方が分からない。

 ・実行機能障害により入浴の手順や方法が分からない。

 ※実行機能障害:健康な人は、頭の中で計画を立て、予想外なことが起きても、適切に対処することができます。認知症になると、計画を立て、段取りをすることができなくなります。

  視覚や聴覚に異常があるわけではないのに、見たり聞いたりしたものが何か分からなくなってしまう状態を失認と言います。

  手足の運動機能は損なわれていないのに、目的に沿った行動ができなくなってしまう状態を失行と言います。

  この失認と失行、記憶障害とがあいまって、実行機能の障害を引き起こします。

 ・入浴の道具の使い方が分からない。

 ・お風呂の設備の使用方法が分からない。

 

 対応のヒント

 ・足湯からはじめてみる。洗髪だけでもしてみる。入浴を焦らない。

 ・外出が可能であれば、親しい人が銭湯に誘ってみる。

 ・裸を見られるのが嫌だという方は、下着のまま入るのも一案。

 ・入浴の仕方が分からない方には、介護者が目の前で手順を見せて、モデルとなる。

 

 NGな対応

 ・無理やり入浴させる。余計に感情的になり、拒否が強くなる。

 ・「きたない」「くさいから」と口うるさくご本人に言うのも逆効果となる。