腎が弱くなって腎の水分を調整する力が衰えて来たときに使うのが補腎丸という系統です。

 

日本では伝統的に八味地黄丸(別称、八味丸、八味腎気丸、金匱腎気丸ともいう)がよく使われています。この薬にもう少し下半身を中心とした血流を改善し、小便をきれいに作れるようにしたものが牛車腎気丸です。

 

牛車腎気丸は下半身に薬効を引っ張る働きのある牛膝(このような働きを引経薬といいます)と小便を作る働きを助ける車前子という生薬2つが八味地黄丸にプラスされています。

 

特に下半身や骨盤周辺、腰部にうっ血や水滞があるときに使う処方です。足や足の各関節に水が溜まりやすい状態があるときに使ったり、腰回りの冷えや痛みがあるときに疎経活血湯などと併用したりします。

 

特に膝から下に症状があるときに使うと効果が出ることが多くとても重宝します。また腎臓の機能が少し弱くなっている状態でも八味地黄丸より牛車腎気丸のほうが効果が出ることがあり、このときは血流の状態を見極めて使い分けをします。

 

よいち漢方 薬剤師 小林