風邪やウイルス性の感染症などになったあと微熱がなかなか下がらないという状況になりなにか漢方薬はありませんかという相談があります。

 

梅雨時で体調を崩してしまい体のだるさとともに微熱が続くという方もあります。

 

漢方で微熱を考えるときにはその微熱の原因が実熱なのか虚熱なのかという区別をまず考えます。

 

実熱の多くは体の中に何等かの炎症症状が残っていたりリンパが腫れていたりして免疫反応がまだ残っている状態で起こっていることが多いです。血液検査で体内の炎症反応を調べる数値が通常よりやや高いということもあります。最近良く相談を受けるのは喉の炎症が残っているケースで、喉の粘膜表面の炎症は収まっているのにその奥でリンパが晴れた状態になっていたりするような状態の方です。

このような方の多くが、首筋から肩にかけて突っ張り感や張り感を持っていたりしますが、これが微熱の原因とはあまり考えていない事が多いです。

 

このようなときは漢方薬の柴胡剤に石膏剤をあわせて使うと早く微熱が取れてきます。また生薬製剤の板藍根やサルスベリヒユ製剤(五行草)などもよいです。

 

虚熱というのは体の中に疲労や回復力が低下してしまい、発熱中枢をうまく調整できなくなってしまった機能失調を起こしているような状態で出てくる微熱です。この場合、血液検査ではまず異常はないことが多いです。

虚熱の方の場合は体調がすぐれないということや疲れやすいという症状がある方が多いですが、若い方の場合は普通に生活はできるが少し動いたりすると微熱が出てくるという症状の方もあります。

 

この虚熱の場合に一番よく使われるのは補中益気湯です。この薬剤は気虚という状態から発熱した場合に使うことになっている処方です。発熱が強い場合は芍薬や黄柏などを加えて調整することもよくあります。

50代以降になるとこの薬剤に亀板を加えて強壮作用を高めてあげることもあります。

 

微熱は解熱剤では下がりきらないことが多いのできちんと見てもらって対応することが大切です。