ある日突然子供が朝起きてこれなくなり、それが引き金になって学校に行けない。また下宿していた子供から連絡が来て朝起きれなくなり会社に行けないという状態になり病院に行きながら漢方治療にと相談に来てくださっている方が何人かあります。

 

私の店では開局当初からこのような相談の方が数名おられ多様な感じで、漢方薬や栄養剤などを継続して服用し、改善していかれた例も多くあります。

 

漢方的には朝起きれなくなった状態は「気の乱れ」と考えておくすりを使います。気というのは漢方医学の最大の特徴で体の中を目には見えないし測る事もできないけど流れていろいろな作用をするものとして考えています。

陰陽二元論では、気は陽として扱い体の構成成分の50%を占めているものとして扱います。この気がしっかりと体を巡り、外界との連絡をすることで人は生活を営んでいると考えます。

 

睡眠不足や食事の方より、スマホやゲームなどのやり過ぎによる脳の疲れ、運動不足などが引き金になって気のめぐりが悪くなると、体のリズムがおかしくなってしまい、朝は起きるように体の気が反応するということができなくなり決まった時間に起きられないということが起こります。

 

また気の巡りが悪くなると外向きに気が向かわなくなるので意欲が低下したり、本人以外からするととても無気力に見えたりします。

また気が体の中でとどまってしまうと行動ができなくなってしまい、ちょっとしたことに対して恐怖感を覚えてしまったりすることもあります。

 

漢方的にはこのようなときは「気付け」という作用を持った薬剤をまず使います。これによって気のリズムを下に戻してあげます。

 

気というのはオーケストラの指揮者のような役割をしていて、気を整えることでオーケストラがきれいなハーモニーを奏でる様になるのと同じことをしてくれます。

 

学校や仕事にいけなくなった場合には気付けと同時に意欲を高めたり、心の中のちょっとした壁を乗り越えやすくするような薬剤を併用することで普通に行動ができるようになることもよくあります。

 

よいち漢方 薬剤師 小林