新型コロナウイルス(COVID-19)の流行も3年になろうかという時期に来て、中医学や漢方薬でもある程度の治療効果が出ることがわかってきました。

 

中医学の病気の捉え方の中に外感病に対しては傷寒論という書籍に書かれている捉え方である六経(りっけい、太陽、陽明、少陽、太陰、少陰、厥陰(けっちん))として捉えることがよくあります。この捉え方では病気の段階を6つに分けて考えていて、この捉え方で使われる薬が細菌よく使われている麻黄湯、葛根湯、小柴胡湯などになります。

この捉え方の原因になる病邪は、風寒という邪気であることが多く、後背部から肩口にかけてから病邪が侵入し、寒気、悪寒、発熱、節々の痛み、筋肉痛などから症状が始まることが多い感染症や体を冷やしてしまったときろから始まる体調不良などによく使われる考え方です。

 

これとあわせて中医学では温病という捉え方があります。六経が寒邪を中心とした病邪からの捉え方であるのに対して温病は熱邪に対しての感染症を中心に考えます。温病は鼻や喉の粘膜から侵入し、肺を中心にして体の中に侵入してくる病気で、衛、気、営、血という4つの段階で病気を考えていきます。この熱病にも大きく3つを想定することが多く風温(熱)、湿熱、温熱を考えることが多いです。

新型コロナウイルスの場合、流行する季節や地域によってこの3つのものが同時に流行しているようです。こうなると1つの病邪に対して有効な治療法が、季節や場所によってはあまり効果を挙げないことも起こります。実際ワクチンの効果が結構まちまちだったりするのはこのあたりに原因があるのかもしれません。

 

温病はまず衛分から病気が侵入すると考えるのですが、症状としては熱感、軽度の悪寒、発熱(高熱になることが多い)、体のだるさ、頭痛、汗が多い、口の乾き、喉の痛み(イガイガする感じから激しく痛むことも)という症状がよく現れます。

そしてこれが進行して気分になると熱がもっと高くなり、口渇、胸のあつ苦しさ、咳、痰、呼吸促迫、お腹のハリ、便秘、下痢、熱が上がったり下がったりを繰り返すなどの症状が出てきます。

体力のある方はここから脱水症状二だけ気をつければ数日から10日ぐらいで回復していきます。

 

営分にまで入ると高熱からうわ言や不安感などの精神的な不安定さや行動が見られ、息ができない、脈が早く、心臓の症状が出てきたりします。

血分になると鼻血、目の充血や出血、血尿、血便、皮下出血などが出てきます。

一部新型コロナウイルス用のワクチン接種をした人で、営分、血分の症状を出す人がいるようで、皮下出血や心膜炎、心筋炎、梗塞などの症状は温病的に捉えると営分、血分の領域にワクチンの作用が及んでしまって副反応になっていると考えることができます。