夏になると相談の増えるむくみ。

若い人の場合は、運動不足や水分のとりすぎ、塩分のとりすぎなどが原因として挙げられます。また貧血もむくみの原因になったりします。

高齢者の場合、腎機能や心臓の機能低下等によって浮腫が生じることはたしかに多いのですが、それ以外に多いのが栄養失調です。

特に血液中の総タンパク質量やアルブミンの値が低くなるとむくみが起こりやすくなります。

 

ここ数日で施設に入所されているご高齢の方の足のむくみの相談が続きました。足がむくんでいて太くなっているという相談です。

いずれの方も、心臓や腎臓はそれなりで以上というほどではないと言われます。処方薬で利尿剤も使用したが目立った改善はないと言われていて、原因がよくわからないと言われているそうです。

最近の血液検査を見せていただくと、総タンパク質量やアルブミンが正常よりかなり低い数値になっています。このあたり食事の内容を聞いてみると、嚥下がうまくできないので食事はかなり量が少なく、偏っているかもと言われます。

 

血液中の総タンパクやアルブミンの値が下がると血液の粘稠度が低下してしまい、これが組織間の体液との間で浸透圧の差が大きくなり、薄い方から濃い方へ水が移動するので、血管中から水分が組織感にどんどん流れていってむくみを起こします。

 

このようなときにはまず食事内容で血液中のタンパク質を増やすような食事や補助食品を使っていくことです。とくにアルブミンの数値はバリン、ロイシン、イソロイシンのアミノ酸が入っているものがよく、アミノ酸製剤やドラッグストアやコンビニでも扱っているアミノ酸補給のゼリーなどでも代用できます。

 

漢方薬は補助的で芍薬の配合されたものがよく、真武湯のような薬剤や牛車腎気丸、補気建中湯などを中心に、毛細血管の血流をよくするような薬剤や心臓の動きを助ける紅参やコエンザイムQ10のようなビタミン剤を使っても良いです。

 

いずれにしても浮腫が出たときは血液中の成分に注目してみると、解決の糸口が見つかるかもしれません。