マスク生活が長引いていますが、そのせいかどうか目が痒くてという相談がふえています。

多くの方が市販の目薬や眼科にかかって目薬をさしていたりするのですがそれでもなかなか良くならないのでなにか漢方薬でと相談に来られます。

 

目のかゆみによく使う漢方薬としては「洗肝明目湯(せんかんめいもくとう)」という処方があります。

この処方は、目の充血や涙目、目やにが多い状態によく使います。季節性のアレルギー性の目のかゆみにもよく効いたりします。

この処方で様子をみて、それでも痒みが取れない場合はこの処方とあわせて「消風散」という処方を使います。「消風散」は外からの影響である「風熱湿」という3つの要素に反応して起こるかゆみを止めてくれる処方で、じんましんに使う処方として有名ですが、目のかゆみにも応用したりします。

 

目は中医学では「肝」の影響を受けるので、ストレスがあってイライラしていたり、更年期や生理前に症状が悪化したり、脂肪肝や肝臓の調子が良くなかったり、体重が多かったりした場合には洗肝明目湯に「茵蔯五苓散(いんちんごれいさん)」という処方を併用して「肝」に溜まった余分な熱や湿を取り除いてあげると目のかゆみが収まったりします。

 

洗肝明目湯であまり効果がない場合で、不眠症や気うつのような気分がスッキリしないなどの症状があって半年以上目のかゆみが続いている場合にはこれらの処方にレイヨウカクの配合された処方やケツメイシ、石決明の配合されたものを飲むと痒みが早く収まります。

 

また便秘がひど場合には桃核承気湯や応鐘散などを併用しても良いです。

 

これらの処方は扱い慣れた専門家に見てもらって服用すると良いです。