今みぞおちに手を組んで当てたときに気持ちいいと感じるでしょうか?

もし気持ちいいと感じるのであれば胃や十二指腸のあたりが冷えているからかもしれません。

 

夏のこの頃になるとアイスコーヒーや冷たい水やお茶、かき氷やアイスクリームなどを毎日のように食べていてみぞおちのあたりが冷えたままになっている人が増えてきます。

消化にとって冷えた状態で、特に体温より下がった状態だと悪い影響が出てきます。

 

消化は酵素によって行われる生化学的な反応ですが、この酵素には至適温度(最適温度)というものがあり、人間の酵素の場合おおよそ摂氏37度付近が消化反応をきちんと進めやすくしてくれる温度となっています。

これを口から冷たいものを取りすぎて冷えたままの状態を続けてしまい、それが胃や十二指腸近辺まで常態化してしまうと消化がうまくいかなくなって体に負担をかけてたり病気の原因になったりします。

 

口では唾液中に含まれる酵素、胃では胃液の中の酵素、十二指腸では膵液や胆汁に含まれる酵素などの働きが低下してしまい、それが腸に負担をかけてしまう結果になりがちです。

店頭でよく見かけるのは原因不明の湿疹、血液検査での中性脂肪やコレステロ―ルの値が急激に上昇したり、血糖値やHbA1Cが上昇したりすることも多いですし、自律神経が不調になって息切れや動悸、めまいや立ちくらみ、耳の塞がり感、肩のこり、偏頭痛などの症状が出たりします。

また胃や十二指腸あたりが冷えていると、興味深いことに冷たいものをどんどん飲みたくなることもよくあります。

「冷えが冷えを呼ぶ」状態になり、浮腫が出ているぐらい体に水分があるのに冷たい飲み物が欲しくてたまらなくなるという常態を起こす人もいます。アイスコーヒーを1日に5杯とか飲んでいる方は要注意です。

 

江戸時代の「いろはかるた」に出てくる体に悪いとされていた格言で「年寄の冷水」というのがありますが、ここに書かれた絵は柄杓で井戸水をすくって飲んでいる絵が書かれているそうです。井戸水なら摂氏18度ぐらいのものだと思いますがこれでもお腹を冷やすとされていたようです。

冷たいもののとりすぎによる蓄積は秋になると何らかの体調の変化として出たりしますのでできれば注意したいものです。