陰虚という状態が慢性化してしまい年単位でその状態から抜け出せなくなっていたり、食べたものが自身の血や肉や津液にうまく転換させられない状態になり、タンパク質やムコ多糖の正常な状態が保てなくなったりすると、治療はとても長い時間必要になることがよくあります。

 

店頭でこの陰虚の状態をよく目にする相談がアトピー性皮膚炎で、皮膚が枯燥化して潤いがなく、周辺に皮膚の落ちた屑が一杯になるような状態までなっている人の場合、知柏地黄丸などの薬剤を年単位で服用し続けてもらうことがよくあります。20代や30代前半までの人ならば概ね1年弱で皮膚の状態は見違えるほど良くなることが多いですが、それ以上の年令になるとやはり2年から3年もかかることもあります。

それでもスキンケアのみの治療を繰り返すよりは、体の中から補陰ということを行うだけで皮膚の状態はずいぶんと違う状態になることが多いです。

 

知柏地黄丸は、コロトコフ血流計で、基礎代謝率(BMR)が高い方につく処方で、これが正常値の場合は麦味地黄丸や六味丸、杞菊地黄丸を使い、この数値がマイナスの場合には八味地黄丸を中心に使っていきます。

 

また皮膚の陰虚を補うために多糖体を多く含んだ糖質を補うこともあり、この場合は百合や麦門冬などの配合されたものや、陰虚の人は末梢の毛細血管が破壊されてしまい、末端での血流が悪くなっていたり、掻いたりすることで毛細血管が壊されてしまっているので血流速度がずいぶんと遅くなっているので、それを改善するための黄耆や桂枝と言った生薬や紅花などの配合のあるもので血流を改善することもよくあります。

 

他に陰虚の方を店頭で相談を受けるのは甲状腺機能亢進の方です。この方も体質的に陰と陽のバランスが崩れて陽が亢進しているので陰虚になりやすく、メルカゾールなどの服用と合わせて知柏地黄丸を服用したり夏枯草をお茶にして併用してもらうと数値が安定しやすくなり季節の変わり目などの体調不良が現れにくくなります。