中耳炎は、耳の中耳に菌やウイルスなどが侵入して炎症が起こる病気です。多くの場合急性中耳炎ですが、中には慢性的に中耳炎が治らなくなったり、風を引くたびに中耳炎になる場合などもあります。

 

中耳炎の原因は細菌感染が多いのですが、インフルエンザのようなウイルスの感染によっても起きることがあります。また大人に多いのが膠原病を原因とした中耳炎で、これは専門的な治療が必要となることもあります。

 

中耳炎の多くの原因は、鼻と耳をつなげている「耳管」から細菌やウイルスが侵入しておこります。この場合の多くが唾液中に細菌やウイルスがいる場合が元になっていることが多いので、口の中が感染症を起こしやすくなっていると中耳炎をよく起こすことになります。

 

子供に中耳炎が多くなる原因の一つとしては「耳管」が短く、また顎などの発達が未熟なので耳管の傾斜が緩やかになり、細菌やウイルスが中耳に侵入しやすいということがあります。

 

中耳炎は、低年齢児の非母乳栄養や受動喫煙によって増加するという研究報告があり、これと合わせて風邪をよく引く、口の中の衛生状態が良くないなどのことが重なると起こりやすくなります。

 

漢方薬としては初期段階では葛根湯を使い、炎症がひどくなるとこれに石膏を加えたりします。また少し経過したときには小柴胡湯を基本に桔梗石膏を加えたものを使います。慢性化して滲出液が多い場合は苓桂味甘湯という処方も使います。

 

抗菌剤などを長期に渡って使っている場合、口の中の善玉菌がほとんど死滅している場合がありこのようなときにはマイクロ型の乳酸菌製剤を使うこともあります。また枯草菌の製剤も非常に有効で、治りにくくなっている中耳炎には効果があることが多いです。

 

このような役に立つ菌を使った治療は、中耳炎の治療だけでなく体全体が元気になるので、抗菌剤や抗生物質を長期に使っている場合には是非おすすめしたい治療法です。