最近「フレイル」という言葉が医療で使われるようになってきました。

 

フレイルとは、体の虚弱という意味だそうで、体力的、気力的に力が衰えた状態を指すのだそうです。

 

このフレイルと関係して相談で割とよくあるのがお腹の痛みにこのフレイルが関係しているケースです。

 

多くの相談はお腹の痛みやお尻の痛み、太ももの周辺の痛み、内股の痛みなどいろいろですが、おへそから下のあたりに痛みや違和感を感じている事が多いです。これらの痛みの特徴は、朝起きたときは割と感じないけど、日中から夕方にかけて痛みが出てくるという特徴が共通してあります。また排便時に肛門付近に違和感を感じていることもよくあります。

 

この原因で一番多いのは中医学では中気下陥といって内臓が下る状態になって骨盤あたりに上の方の内臓がもたれかかるようになってしまって痛みや違和感が出ているケースです。

もともと胃下垂などを自覚していればわかりやすいですが、知らないうちに内臓下垂になっているケースもよくあります。

特にこれが原因の場合は、病院での検査でみつかることはほとんど稀で、多くの場合が原因不明、心因的なものとされてしまっていたりします。

 

また以前は胃の検査時に立ってバリュウムを飲んでレントゲンをかけて胃下垂がみつかるケースが多かったのですが、最近の検査でよく行われる胃カメラやCT検査は横たわって検査を受けるのでますます胃下垂がみつかりにくくなってしまっています。

 

このような原因不明のお腹の痛みに中医学的な中気下陥というタイプの方が割りといて、これを解消する漢方薬に、筋肉を引き締めるお薬、収斂薬といいますが、これを足して使ったり、補腎薬を足したりすると早く良くなります。

 

相談例では、大建中湯や芍薬甘草湯、桂枝加芍薬湯をのんで逆に調子を悪くしているケースが見受けられます。これらの処方は内臓下垂を悪化させるような筋肉を緩める作用があるので注意が必要です。