アトピー性皮膚炎の子供に多い症状で陰部を中心とした股間がかゆいというケースがあります。

大人でもいるのですが、局所的に痒みが強い場合や炎症がひどい場合は飲み薬の場合対応に困ることがあります。

 

経験上炎症がひどく、足の付根のリンパ節がグリグリと凝っている場合は、膝の裏や足全体、足首にひどいただれがある場合が多いので、殺菌力のある薬剤で少し強めのもの、荊防敗毒散などを使ったり、竜胆瀉肝湯という処方を検討したりします。

 

ですが炎症がそれほど強くないのに、股間や足の付根が痒みが強く続いていて、塗り薬でも効かないという場合は経験上内臓に冷えを抱えているケースが良くあります。

ですからこのような場合、十味敗毒湯のような薬と内蔵を温める薬を併用して使うとうまくいくことがよくあります。お腹を温める生姜が配合されていたり桂枝や芍薬の配合された薬剤を体質をみながら量を加減して使っていきます。

 

後世方という時期の薬剤に人参敗毒湯という処方がありますが、この処方がまさにこのようなケースにも使える処方です。

 

局所のかゆみがこじれるとなかなか治ってくれないので、体全体からみていくことが大切になっていきます。