肛門部過敏症という症状があります。

なにかのきっかけで肛門部に違和感や不快感が出てくる症状で、検査をしても痔などの症状が見当たらない症状です。

 

たまに相談がありますが本当に困っておられる方が多い症状で、お医者さんの処方薬でうまく行かない方が相談にみえるのでしっかりとした原因がわからないことが多い相談になります。

 

漢方的には悩み事や大腸検査に対してのストレスなどがあって、その後に起こっているならば肝鬱という症状と捉えれば良いことがあり、この場合は肝鬱を解消する逍遙散や肝鬱からくる腸の緊張を「ほぐす」働きのある桂枝加芍薬湯を試していただきます。

大腸検査や大腸の手術、痔の手術後などにはその周辺部のうっ血を取り除く漢方を併用することも多く、大便の状態を確認しながら、大黄牡丹皮湯や腸癰湯(ちょうようとう)、三七人参などを併用していきます。

 

冷え性があったり、もともと腸が弱い方や胃下垂などの内臓下垂がある場合には補中益気湯や小建中湯、帰耆建中湯などを使うこともああります。この場合、1日1回程度乙字湯を併用することもよくやります。過敏さが強い場合には中建中湯という処方も使います。

これらの薬剤に三七人参を併用してもらうこともよくあります。

 

実際の相談では体質や精神的な状態を確認しながら薬剤を選びますが、うまく薬が薬効を出してくれれば早い時期に改善してくれる症状です。